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2019年11月5日火曜日

頭を垂れる稲穂

東京新聞のコラムで
感銘を受けたものが2つあったので
ご紹介します。

ひとつは
記者岡村淳司さんの「コンパス」より
(以下抜粋)

ノーベル化学賞を受賞した
リチウムイオン電池の吉野さん。

ノーベル賞を受賞前の去年
中日文化賞を受賞した。
その受賞時の芳名帳(ゲストブック)に
吉野さんはこんな言葉を寄せ書いた。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな。」

一般的には
偉くなっても謙虚であれ
という意味だが
ご本人曰く

僕が本当に言いたいのは
『実るまで頭を下げるな。』
ってこと。

とニヤリ。
採算重視の民間企業で
実用化が未知の研究を
長年続けてきた苦労の大きさと
信念の強さが伝わってきた。

閉塞感が漂う 今の日本に必要なのは
忖度せず
空気を読まない
異端児なのかもしれない。

「尖れ!」
という第一人者のメッセージを
強く感じた。

以上

稲穂は、実るまで頭を下げないのです。
なるほど。

もうひとつ
小学生教員である岡崎勝さんのコラム
「子供ってわけわからん」より
(以下抜粋)

授業中に教員が「分かったぁ~?」と
聞くと、子供たちは
「分かりました~」とか「は~い」と
返事をします。
でも・・・
これが問題なのです。

なぜなら
「分かったぁ?」という質問には
分った人しか返事をしないからです。
分らなかった子供たちは
どうするのでしょうか?
おそらく
黙っていると思います。

私が教員になったばりのころ
先輩に言われたことがあります。

「解らない子供を見つけて
力を入れて教えるのが
俺たちの仕事なんだよ。」

でも実は
分からない子供たちの
「分からなさ」を
私たちが理解することが
どれだけ大変なのかを
思い知らされています。

「分からない」と言う子に
「何がわからないの?」
と聞いた時
「それが分かったら苦労しない」
と言われ、大いに恐れ入り
落ち込みました。

確かにそうなのです。

「分からなさ」は
一人ひとり、みんな違います。

教員の仕事は
どこでどういうふうに
困っているかを
子供と学びながら
一緒に見つける事だと
思うようになりました。

ですが、その一番の敵は
大人の「忙しさ」と
大人の「寛容のなさ」です。

また「早く正確に」という
効率を求める現代教育では
子供たちの「迷う能力」を
学習に生かすことが出来ません。

以上

「分かった?」という言葉
私も子供の事
大人から、何千回も聞いた記憶があります。
授業だけではなく
遠足やら運動会やら文化祭やら
必ず先生から注意事項を矢継ぎ早に言われ
「分かったぁ?」
と聞かれましたね。

でも、必ず違反して
先生から
「説明しただろ!」
「なんで守らないんだ!」
と、良く叱られました。

当時は、バリカンで坊主にされたり
先生に往復ピンタされたり
校庭を何周も走らされたり
廊下に1時間立たされたり
椅子の上に正座なんてものあったっけ。(苦笑)

あの罰は・・・
大人の言い訳だったんですね。
「俺は説明した」という周囲への言い訳。
子供が悪いという周知だったのかぁ~。

なるほど!!

親や教員は
子供に対して
「今の説明、分からなかった人っ?」
と聞くのが、正解なんですね。

そして、一緒に悩んであげる必要があるんだ。
ものすご~く
子育ての参考になります。

岡崎勝先生のこのコラム
本になってます。
『子供ってワケわからん』
超おススメです。



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