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2019年3月16日土曜日

タモ集成材割れ補修

当社は、階段材やカウンター・室内笠木に
タモの集成材の無塗装品を使っています。

仕上げは、オスモオイルやラッカー。
石井塗装さんにお願いをしています。

本当は、無垢板を使いたいのですが
階段の踏み板やカウンター材に無垢材を使うと
「反り」「縮み」「割れ」が凄く
それらがすべてクレームになるので
正直対応できるレベルではなくなってしまいます。

以前は、ピーラー(松)などを使ったこともありますが
引き渡し後、2年間、ずっと脂(ヤニ)が大量にでて
泡を食ったこともあります。

集成材は、狂いが少なく
また、広葉樹を選べば強度も表面も強く
今まで、何の問題もなく、愛用してきました。

しかし、去年の半ばあたりから・・・
大工さんや石井塗装さんから「集成材の質が落ちてる」という
訴えがありました。

『集成の精製があまい』
『最初から反っている』
『最初から補修箇所がある』

材木屋さんに話をしましたが、一時的なものだと判断し
そのまま使用をつづけていました。

そんな中、去年の8月にお引渡しをしたお客様より
「階段の板が割れた」という連絡がありました。

階段が割れた?
かなり珍しい苦情です。
すぐに見に行きました。



階段の踊り場です。
見えますか?

黒い筋が入っているところが割れです。

石井塗装さんと一緒に身に来た私・・・
二人で「唖然」としてしまいました。


いままで、さんざん同じ材料を使ってきて
同じ仕上げて納めてきましたが

こんなに集成材の継ぎ目が開いたのは初めて見ました。
しかも3尺の板に4筋も。
驚くのは、その隙間の幅。


5mmは開いています。

しかも、36mm厚の板がぱっくり下まで裂けています。


原因は、縮みです。
乾燥に不備があり、板が縮み
両側を固定されているため、裂けた訳です。
見る限り、この3尺の板が、1cm程度縮んだように見受けます。

良く、家を建てる時「集成材は狂わない」と言います。
集成材の家は、品質が安定して経年変化しないとして
多くの家が集成材の柱や梁で建てられています。

しかし、近年、中国での木材の需要拡大により
日本産の建材の輸出が急激に増えており
それに製造が追いつかず・・・

①原材料の質
②乾燥の精度
③製材の精度

が急激に落ちてきているようです。
これは、深刻です。
我々ではどうしようもなく、簡単ではありません。

すぐに、材木問屋の山六木材に連絡をし
集成材のメーカーであるファイン工業株式会社に連絡をしました。
写真を添付し「補修依頼」をしたのです。

すると、3日後・・・
こんな回答が来ました。
「無塗装品は、塗った時点で保証しません」
「有償であれば、直しても良い」

電話一本です。
「現調をする」とか「お詫びにくる」とか一切なし。
私がクレームを入れて3日間、何の連絡もよこさず
私から「どうなってるの?」と問い合わせて
こんな糞回答なわけです。

これで怒らない人がいたら、教えてほしい。(^^;)

挙句の果てに「塗り方が悪い」とか「塗った塗料が悪い」とか
言っているようで・・・

もう今後、ファイン工業とは一切付き合いません。

自社製品の品質に絶対の自信を持ち
クレームには誠心誠意尽くしていたメイドインジャパンは
もう、過去の遺物となってしまったようです。

すぐに大工さんに相談。
大工の前田さんが対応してくれました。
感謝です。

同素材のタモのくさびを作り、接着剤を付けて充てん。


何度も厚みを確認し
カンナで削りながらの作業です。


サイズがあったら、上から打ち込みます。


こんな感じ。


これを大きな割れ3か所に繰り返し行いました。
おおよそ1時間の作業です。


そうしたら、上からノミで削っていきます。


あとは、オービタルで削って終了。


どこが割れていたかは、もう分かりません!!


この後、石井塗装さんに依頼して
小さい隙間にパテを施し、表面を手作業でペーパーを当て
上部からオスモオイルを塗り
オービタルを再度当てて
仕上げ塗りでオスモオイルを再塗装して完成です。

お客様には大変ご迷惑をおかけいたしました。

今後、階段の素材をどうするか
よくよく検討する予定です。(TT)

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