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2019年2月11日月曜日

嘘は武略

明智光秀が残した言葉とされるものに
こんなものがあるそうです。

仏の嘘は方便といい、武士の嘘は武略という
土民百姓の嘘はかわゆき事なりと名言なり

歴史学者の呉座勇一さんが
東京新聞で下記解説していました。
(以下抜粋)


仏教では、教えを説く際
最初は、難解な真理を説かず
仮の教えを説く(仮説)ことがある。
これを「方便」と言い
一時的に嘘をつくことを正当化している。

武士もまた
敵味方を欺き勝利を得ることを
「武略」と称して正当化している。

だから百姓が年貢を誤魔化そうとしても
あまり目くじらを立てるなと
光秀が言ったという逸話とされる。

日本人の武士のイメージは
「正々堂々」
「ひきょうな事はしない」
というものであるが
その武士像は、嘘でる。

戦乱の時代、武士たちは
勝つために手段を選ばなかった。

以上

日本の偉人とされる信長・秀吉・家康など
彼らって調略や謀略の歴史なんですよね。
生き残るため、寝返り裏切りはあたりまえ。
嘘を広め相手を貶める流言も常套手段だった。

焼き討ち・略奪・強姦・人さらい・村人皆殺し。
アフリカでボコハラムが行っているような凄惨な犯罪を
武士は、普通に行ってきたわけです。

現代日本は、その戦乱期や大戦期を反面として
今の平和を築いています。
無秩序に戻らないため、国民に高い倫理観を求め
道徳を重んじる。

日本独自の倫理を形成する手法として
武士やサムライを偶像化し
「武士道」とか「サムライ魂」という言葉を作り

忍耐・努力を主体とし
礼儀を重んじ
目上のものを尊び
約束を守る
嘘をつかず、人の悪口は言わない
義理堅く、人を助ける

というものを日本人の価値観として70年かけて根付かせ
「日本のこころ」として育んできたのです。

ですが・・・
それが今、もろくも壊れ始めています。

国も企業も嘘をつき放題。
国民に倫理を押し付けてきた権力者は
いざ、自分が嘘をつくと
保身のために、嘘を次々に上塗りしていきます。

そうなると途端に倫理が邪魔となり
国を守るという「嘘」をつきはじめ
秩序を壊そうと動き始める。

その果てにあるのは・・・戦争です。

キナ臭くなってくると、身近な言葉もたちまち意味を変え
武士道やサムライ魂も
「武士とは死ぬことと見つけたり」に変質する。(苦笑)

つまり・・・
世の中に、あからさまに嘘がはびこるようになると
危険信号だという事です。
そして、言葉の意味を変えようとする気配が感じられてきたら
赤信号も目の前なのだろうと思うのです。

その信号が黄色のうちに、我々ができることは
人を騙すというのは絶対にダメだという「倫理観」を守ること。
どんなことがあっても、嘘はダメ。
そこを国として、国民全員が共有し続ける必要があります。

また、今「必要悪」という倫理が生まれ始めています。

必要悪とは・・・
道徳的、法律的には悪いことであり
社会的にマイナス効果があるが
それがなかった場合により大きなマイナスがある時に
存在を肯定される悪のこととされます。

政府は「国のためにやってるのだから」として
嘘を方便にしようとしています。

この風潮を我々が許容してしまい
別の何かを天秤にして「嘘」をゆるし
嘘を吐いた人間に責任を取らせることが出来なくなると

世界が羨む倫理の上に成り立つ
この日本という国の平和は
泡のように消えてなくなってしまうのではないか?

嘘が通じない世界。
嘘を許さない世界。

国民一人一人が、企業一つ一つが
大事にしないといけません。


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