「エコキュートの水が飲めないって本当ですか?」
現在、オール電化の中古住宅の購入をご検討されているお客さまで、今までガス湯沸かしの家にしか住んだことが無く・・・
初めてのオール電化住宅のため、ちょっと心配。
そこで、インターネットで調べたそうです。
すると・・・
こんな書き込みがドドドっと出てきてビックリ。
「エコキュートは不衛生」
「内部を清掃できない大きな欠点」
「汚泥がたまる」
「内部が錆び、赤い色の水がでる」
そこで、冒頭のご質問となったのですね。
私、実は以前、自分で調べたことがあります。
私も昔、大きな勘違いをしていたので、お客様の気持ちはとっても良くわるのです。
「お湯を使うと、タンクの中は空になるのかな??}
エコキュートは、200リットルを超えるお湯をステンレス製の貯水槽で溜め置き、1日使うというシステムです。
タンクは370リットル~の容量があります。
お湯量とタンク容量には、170リットル分の開きがあることとなります。
しかし、この空きの領域は、カラになることはありません。
パナソニックの「エコキュート仕組み」に乗っている図が分かりやすかったので、拝借してみます。
https://sumai.panasonic.jp/hp/1mech/
水が下に行き、お湯が上に行く性質を利用した構造です。
じつは、常にタンク内は、満タンの状態なんです。
お湯が使われれば、水が注水され、お湯を押し上げていきます。
一定の水圧がかかる事により、お湯と水は混ざり合わず、タンク内で分離されるそうです。
内臓センサーが、お湯量を管理し、一定を超えると自動で内部の水をヒートポンプで加熱し、タンクに戻す。
タンク内壁は、密閉された空間となり、常に空気に触れることが無いので、劣化が少ない。また、不純物は水道管からの侵入だけとなるので、汚泥がたまる構造には、なっていないと言えます。
ネットでは「電気温水器のタンクにヘドロが溜まる」という書き込みがありますが、電気温水器とエコキュートは、構造が異なります。
もし、エコキュートの中にたまるものがあるとすれば・・・
水道管から混入したものだと言えます。
お客様にその旨をお話ししました。
「エコキュートが常に水が溜まっていて不衛生というのであれば、水道管も同じ構造なので、水道水自体が飲めない理屈になりますよ。」
お客様もご納得されましたが、もう一つの疑問を賜りました。
なんでも、電気機器メーカーの説明書に、エコキュートのお湯は、飲用しないでくださいと書いてあると云うではないですか。(^^;)
それには驚きました。
で、三菱のエコキュートの説明書をダウンロードして見てみると・・・
「飲用しないでください」
「飲用する場合は、煮沸してください」
と、確かに書いてある。(^^;)
そこで、メーカーの方に効いてみました。
彼曰くこういう事です。
基本的に、飲んでも全然大丈夫。
説明書には、最低でも1年に一回は水抜きをして、内部をクリーンにして下さいと書いてあるのだが、一切メンテナンスをしない人もいる。10年間何もされていないタンクを想定すると、飲用には適さない可能性がある。
つまり、そういうものも含めてメーカーとして最初から「逃げ」を打っている。
ということです。
ネットでのエコキュートの批判書き込みを見ると・・・
商売敵のガス給湯器の業者の場合が多いです。
当社は、ガス湯沸かし器もエコキュートも扱います。
どちらかというと、ガス湯沸かし器のエコジョーズを使うことが多いです。
そんな当社から、一切の偏見なく言わせていただくと・・・
「どちらとも、メンテナンスが大事。」
メンテナンスをしていないガス給湯器で沸かしたお風呂。
不衛生さは・・・
個人的に・・・
エコキュートの噂の比ではないと思いますもの。(^^;)