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2015年3月12日木曜日

住宅着工数

去年度の住宅着工数が一昨年に比べ大きく落ち込んだのは、皆さんニュース等でご存知だと思います。

日本全国で10%の落ち込み。
そして、驚いたのはその落ち込みは今まで一人勝ちしていた首都圏でも起きたのです。
東京や千葉で10%程度。
神奈川に至っては20%もの落ち込みでした。

今まで、神奈川県は関東圏で一番強い地域でした。
その神奈川で大きな落ち込み。
その衝撃は、地場の工務店よりも、大手ハウスメーカーへの打撃が大きかったようです。
その余波は住宅設備メーカーへも波及し・・・

年の瀬から、業界全体が浮き足だっているように、個人的に感じています。

鎌倉では、土地が無い。
安く手ごろな売地が極限に少なくなった印象です。

そんな状況なので、当社のような小さな会社に・・・
大手住宅設備メーカーから、直接営業攻勢が来るぐらい。
今まで、相手にされなかったのに。(^^;)

そして、2015年の今年。
回復する兆しがあるのかと思いましたが・・・
2014年度に比べ、日本全国で8%程度の下落が予想されています。

つまり、2年間で18%の落ち込みとなります。

もっと凄いのは、新築マンション。

2014年で、約20%の落ち込みをみせたマンションの着工数。
2015年は、続けて20%の下落となる予想。
つまり、2年間で40%落ち込むこととなります。

元々、マンションの着工数が多すぎたところがあります。
賃貸マンションなどは外資がドンドンと買っていましたが、それも息切れています。

売れ残りも多いので、価格は在庫処分のため一時期下がるでしょう。
本来であれば、そのまま住宅が飽和し、不動産は価格が下がると思うところですが・・・

それを阻むインフレと円安。

資材はドンドンと高騰しつづけてしています。
流通も高騰。

また、国が決めた低炭素住宅やトップランナーの義務化。
これによる住宅の原価の高騰。
まだまだ義務化までには時間がありますが、既にフラット35Sの融資の条件や、ポイントや補助金、税優遇を得るには、それらの適合住宅でなければなりません。

色々な要素がかみ合い、建築単価はドンドンと上がる傾向にあります。

2017年4月には、消費税が10%になります。
日銀の金融緩和も、1~2数年で解除するという憶測です。
そうなると、金利が上がります。

住宅取得や譲渡に対する課税の特例も、ドンドンとなくなる方向ですので・・・
今後、より一層、住宅は高値の花になっていく可能性が高いです。

住宅市場が飽和すれば、土地の価格は下がるのか?
確かに下がるでしょう。

ですが・・・地方からの首都圏への移住が増え続けている状況は全く変わっていません。
そしてその首都圏の中でも大きな変化が起きています。
駅徒歩圏の需要が突出しだしているのです。
その反面、駅徒歩圏外が全く売れなくなってきている。

地方の不動産は値下がりを続けます。
首都圏でも駅徒歩圏外は値下がりが顕著。

その反動で、「首都圏」の特に「駅徒歩圏内」が値上がりを続けるという・・・

完全二極化が進んで来ています。

当社がビルダーとして従事しているのは「鎌倉」です。
日本全国有数の観光地でありながら、超人気の住宅地でもあります。
もともと住宅地が少なく・・・
去年あたりから、手ごろな価格の売り物件も極端に少なくなりました。

建築の規制も年々厳しくなる一方なので・・・

今後、土地の価格が下がるという希望は持てません。
その中で住宅単価が上がると・・・

夢のマイホームは、やはり相対的に値段が上がっていきます。

さて、どうなるのか?

先にも言いましたが・・・
建物の建築費は右肩に上がって行っております。
我々の感覚というか、想像を超えてきています。

でも、買う側は、数年前となんら意識が変わっていない。


むしろ、安く建てられると思っている方が多い。

そのギャップ埋まらず、開く一方です。

ただ、お客様あっての我々です。
お客様の感覚に合わせて商品を生むしかないのです。

住宅は、インフレ率が10%で簡単に100万円を超えます。
今、一棟一棟真面目に家を建てている業者では、感覚的に坪単価で5万円ぐらいのコストが上がっているように思います。

30坪の家を建築するのに、150万円の値上がりです。

当社に、「30坪の家を全部込み込みで55万円で建ててほしい。」
というような相談が多く寄せられます。
正直言います。
それだと、利益は、全く出ません。(TT)

円ドルが80円前後で、消費税が5%の時であれば・・・
輸入材を使い利益は出せました。

でも、もう、真面目にやったら請負金額を上げるしかない。
それが許されなければ、徹底したコストダウン。

パワービルダー(建売業者)は一層のコストダウンを図るでしょう。
建物へもいっそうの合理化をすることで、単価を落とす。

しかし、年間10棟前後の地場工務店のような我々会社には、それが難しい。大量仕入れをすることが出来ず、一棟一棟ごとに注文する事しかできないので、コストを落とす方法は限られます。

品質を落とさずに・・・
いかにコストを落とすか。
それが絶対条件が、不可能に近い。

考えるしか、ありません。
考えるのが、一番労力を使うのですが・・・
考えます。

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