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2021年5月31日月曜日

今の世界に足りないもの

私が子供のころ
大きな影響を受けた漫画の一つ
少年サンデーで連載されていた
「拳児」
の中の一コマ。


今の世の中で
決定的に足りないものが
この1ページに集約されています。

仁義礼智信

これらは・・・
過去、日本の社会が
大切にしてきたものばかりで
日本人の大きな価値観でした。

だから自然と・・・
親や先生が子に教え
その子が大人になり
また子に教える。
私も子供のころから
「嘘つきは泥棒の始まり」
と親や先生に口酸っぱく言われ
教育されました。

それが何時しか・・・
受験だけに目が向き
大人は子供にテストの点数だけを求め
良い高校・良い大学に入ることが
最大の価値観となり

親は人としての生き方を
教えることを忘れ
それを学校に求めるも
学校は予備的なものに成り下がり
「予備校」「学習塾」が
勉強の基軸になり替わり
数式や英単語を覚えることだけが
教育となっている。

自分の子が将来
どういう人間になるか
多くの親たちは
そこに興味が無いように見受けます。

「仁義礼智信」

良い言葉ですね。
人間、こうありたい
こう生きたいと、強く思います。

2021年5月22日土曜日

壊れゆく人工的な社会

東京新聞「時代を読む」の
哲学者・内山節のコラムを転載します。
(以下転載)

社会は、信頼・信用・共感といった
様々な『心情』に支えられている。

例えば・・・
戦後しばらくの間の日本を見ると
『平和』を何よりも大事なものと
考える共感の広がりがあり
自由や民主主義に対する信頼があった。

この『心情』が
戦後社会を支えたと言っても良い。

ところが・・・
高度成長期に入ると
経済発展が全てを解決するかのような
心情が生まれ
自分が勤める企業を
何よりも信頼する精神が
つくられていった。

こうして生まれたのが
かつての『企業社会』だった。

とすると・・・
今日ではどうなのだろう。
特に若い世代の人たちにとっては
企業は信頼するに値するものでは
無くなっている。

平和・自由・民主主義を
信頼しようとしても
現実にあるのは
平和が壊されていくのではないかという
『不安』であり
自由であるはずなのに
自由に生きられない社会であり
機能しない民主主義である。

信頼できるもの共感できるものが
失われていく。

そこに・・・
現在の社会があると言ってもよい。

そしてこの傾向は
新型コロナウイルス下のこの一年有余の間に
さらに拡大していった。


政府の政策や政治家たちの発言を
信頼している人が
今日では、どれだけいるのだろうか?

オリンピックと選挙の事だけを考えて
行き当たりばったりの
感染対策を繰り返すだけの政府。

コロナを自分の政治的野心の道具にするだけの
東京の都知事。

病院の経営維持しか
念頭に無いのかの如く感じさせる
医療界の「専門家」たちの発言。

ここから見えてくるのは
信頼も共感もできない社会の現実だ。

もちろん多くの人たちが
コロナ患者の治療に当たっている
医師や医療関係者たちに対しては
信頼や共感の気持ちを持っているだろう。

この現実の中で
困難に直面している生活困窮者や
飲食店をはじめとする
犠牲を強いられている人々の気持ちへの
『共感』も生まれている。

人間同士の想いへ信頼や共感はあっても
政治や社会のあり方としては
信頼も共感も出来ない現実が広がっている。

それが今の『コロナ下の社会』である。

だから多くの人が
緊急事態宣言が発せられても
自分の判断で行動している。
それは自粛疲れとか気のゆるみではなく
自粛を要求してくる政治家や専門家が
信用されていないからである。

そういう現象を展開させながら
その奥底では
戦後的理念や企業社会などの
今日の市場経済に対する
不信感が広がっている。

それがこの日本の現実なのだと
私は感じている。

私達は、『無事な社会』や
お互いに『守り合える社会』を
再創造するために
信頼と共感の世界を
つくり出していかなければ
いけないのである。

日本の伝統社会では
自然と共同体への強い信頼感があった。

自然は時に災害も起こすし
共同体は「わずらわしさ」ももたらす。
そういう事があっても
私達を守っているのは
自然と地域や
同業者の共同体だという事への信頼
その内部にある共感の輪が
社会を支えていたのである。

だが・・・
近代的な社会ではそのどちらもが崩れた。

そして、人工的に作られた
政治・経済・社会が生まれ
今それらへの信頼が一気に壊れている。

歴史は『近代がつくりだしたものの瓦解』という
大きな転換期を迎えているのかもしれない。

コロナ下の現実を見据えながら
私達はこの歴史的な課題と
向き合わなければならなくなっている。


以上

信頼・信用・共感が
今の世界を形成していて
日本の高度経済成長は
信頼の積み重ねが作り上げた。

それが今の日本では
音をたてて瓦解してしまった。

『信』とは「まこと」と読みます。

つまり嘘をつかないという事です。
社会全体の信頼回復には
『嘘』を無くすだけで済むのです。

自民党が掲げた
「日本を取り戻す」
というスローガンは
本来持ち合わせていた
日本人の美徳を
こころがけるだけで良かったのです。

日本人の美徳とは
たった2文字で表現できます。

『誠実』
又は
『実直』

たったそれだけを持ち合わせれば
メイドインジャパンは
すぐさま復活するのだと
個人的に思うのです。

今の日本企業は
日本社会が忌み嫌っていた
偽装・虚偽・粉飾・隠ぺい・手抜き
ばかりを繰り返し

今の政治は
日本人が一番嫌う
保身のための『嘘』ばかりをつく。

信頼していたはずの
社会構造の上に立つ人々が
虚偽に対する謝罪ばかりして
日々、頭を下げる。

でも、謝罪だけで誤魔化し
責任逃れに徹する様を
常に見て育った子供たち。

そんな社会の中で育った若者が
何も信じなくなり
自分の内に籠るのは誰も責められない。

でも、今のまま
若い世代にこの社会を
バトンタッチしてしまったら
もう日本の美徳は
消えて無くなってしまうでしょう。

嘘が誠になる世界。
小さな嘘に固められて
1mmも後戻りできず
巨大な嘘の塊となった日本。

それを変えられるのは
「働き世代」の我々しか居ないというのは
痛いほど解るのです。

じゃあ、どうすればよいのか?

まずは、一人一人が
誠実に生きる事こそが
はじめの一歩なんでしょうね。

2021年5月16日日曜日

材木泥棒

ウッドショックの昨今・・・
現場からの材木泥棒が
大流行りしています。

一昨日、とんでもない事件が
身近で発生しました。

木造住宅は、基礎が完成した後
土台柱を敷いた後
上棟前日に
建物の躯体となる
柱や梁を現場に搬入します。

搬入された材木は
朝一に現場に
トラック数台で持ってきて
土台の上に積み上げられ
ブルーシートをかけて
翌日の上棟を待ちます。

翌日の朝は
午前8時前から
大型クレーン車が
現場に横付けし
大工が6~7人集まり
1日で屋根まで組み上げます。

とある現場にて
朝、クレーンが現場に来て
大工が7人集まって
現場監督も到着後
いざ、上棟を始めようとしたら

土台の上にある筈の材木は
どこにも無い。
全て忽然と消えていたそうです。

トラック2台分の
一棟分の駆体です。

それを夜・・・
人知れず盗むという
離れ業。

今までであれば
全く考えられない
「材木泥棒」です。

盗まれた材木は
約1か月前から
プレカット業者と打ち合わせを重ね
その家のためだけの
柱や梁を加工したものです。

「盗んでどうするんだ?」
と思うのですが・・・
再加工をすれば、流用は可能です。
また、同じような家を
建てるのであれば、そのまま
流用も出来ることを考えれば
今後、我々工務店は
恐怖でしかありません。

材木不足で・・・
ようやく漕ぎつけた上棟日
数百万円分の
材木を盗まれてしまう。
その後、材木の手配は
目途が立たず
着工に1カ月以上遅れるのは
確実でしょう。

下手すれば、数か月
遅れる可能性もあります。

そうなったら
施主様と大もめにもめるでしょうね。
下手したら、現場管理責任を指摘され
損害賠償請求を受けることに
なるかもしれません。

当社も・・・
6月末までに上棟を控える現場が5棟あります。
至急、対策を練らなければなりません。

戦々恐々です。

2021年5月6日木曜日

資材ショック

4日間、お休みを頂き
誠にありがとうございました。

当社は本日より
通常営業となります。

さて、今年に入ってから
様々な業界で
「資材ショック」なるものが
起こっております。

自動車は半導体不足で
生産が出来ず
世界に名を馳せるトヨタ自動車が
減産に踏み切り

様々な原材料や生製品は
タイ・ベトナム・フィリピン・マレーシア
などのから中国に買い占められ
中国国内で付加価値を付け
メイドインチャイナとして
世界に輸出されている状況となり

鋼材から食料に至るまで
価格が右肩上がりで高騰し続けています。

我々建設業界では
北欧産の建材が
日本に全く入って来ないという
状況に陥っています。

もうすでに・・・
集成材やホワイトウッドなどの
輸入木材が枯渇しており
日本国内では
住宅が建てられないメーカーも
実際に出てきています。

コロナの影響?

今まで、日本では
バブル崩壊やリーマンショックなど
様々な危機がありましたが
住宅が建てられなくなるような事態は
一度もありませんでした。

パンデミックによる
運輸の落ち込みや
中国の高値買いや
アメリカの木造需要の急伸など
様々な理由が言われていますが

決定的な理由は
全く別の所にあるのだと
考えます。

要は、日本の『国力』が
急激に下がっているのです。

日々のニュースでは
内閣の親族や仲間のスキャンダルばかり。
日本国内だけで
アップアップの大物政治家方。

外交のニュースなどは
対アメリカ以外
ほどんど見ませんね。

建材の主要輸入先は
カナダ・スウェーデン・フィンランド
と遠い国々です。
そして、ロシア・中国と続きます。

これら国々との
まともな外交のニュースは
見た試しがない。

日本の政府外交が滞っています。
その、政治的な失敗が
今、我々に大きく
のしかかってきているのでは?

日本企業の疲弊ぶりが目立ち
コロナを無視するかのような
アメリカ好景気のニュース。

アマゾンやアップルは
過去最高の売り上げを記録し
2社だけでスペインの国家予算を
大きく超えるそうです。(苦笑)
アマゾンに至っては
日本だけの売り上げが
去年一年で2兆円を超えたのだとか。

コロナで日本全国の産業が
奈落の底に落ち苦しみもがく中
アメリカ企業の一人勝ちという
嘘のような本当。

このコロナ禍とは
一体全体、なんなんだ?

そんな中、日本政府は
何を思ったのか
日本人が作ったLINEを攻撃し
日本屈指のネット販売大手の楽天を
アメリカの監視下に置くという(失笑)

この酷い有様は・・・
政治家を国内に縛り
官僚をスキャンダル対応に終始させ
国の運営の麻痺さている
我々国民や
マスコミが作り出したと言えます。

官僚組織が弱体化し
国が回らなくなっているんです。

輸入建材の多くは
船便のコンテナで運ばれており
そのコンテナを中国が買占め
コンテナ不足の欧州では
陸路へシフトチェンジ。

結果、中国を挟んだ島国である
わが国には
建材が入ってこないという
今の状況を打破するのは
政治の役目です。

アメリカだけに顔が向いた
一極集中型の外交の
大きなほころびが
今、一気に日本を襲っています。

建材輸出国であるロシアは
一番近い生産国ですが
アメリカとロシアの関係が
悪化の一途をたどると
日本は親分様の顔色をうかがい
ロシアと外交すら出来ない。

優秀な官僚方を一刻も早く
政治家の「御守り」役から
引き離す必要があり

官僚を政治家のつかいっぱしりではなく
国を動かす動力とするため
政治家の手の届かない所に
戻す必要があります。

田舎の威張ったお爺ちゃんたちが
掲げた「政治主導」という旗は
大きな失敗だった。

アメリカが力を失ってきた今
盲目なアメリカ追従を止め

官僚組織を再構築して
近隣国との外交を活発化しないと
日本沈没というような
もうどうしようもない
状況になりますよ。