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2021年7月17日土曜日

免停

去年・・・

コロナ騒動真っただ中の
緊急事態宣言が発令中
ガラガラに空いていた
国道一号線(2車線)にて
スピード違反で捕まりました。

赤切符。
6点減点、3万円超の罰金。

累積4点の減点を受けていた私・・・
一発免停です。
しかも60日の免停。(TT)

普段、違反取り締まりをしていない
2車線の道路で
警察官が隠れて10人以上。
本当にネズミのように
私以外にも次々に
仕事中の車が捕まっていきます。

ヘラヘラして対応する警察官に
「国民が皆お金に困り、国が税金からお金を配って国民を助けようという時に、交通違反の取り締まりに10人も動員して、せっせと国民から金をとるのか?」
と、詰め寄りましたが
「違反する方が悪い」
「我々は職務を全うするだけ」
と、暖簾に腕押し。

私以外に捕まっていた方々も
運送業や配達業ばかりで
皆、警察官に詰め寄り
激怒してました。(^^;)

赤切符は、裁判所に出頭です。
1か月後に横浜の簡易裁判所に行き
反則金を納付。

次は4点で、90日の免停となるので
車の運転には
とても気を付けて
1年をやり過ごそうと
心に決めました。

それから年を跨いで
3回目の緊急事態宣言下。

お客様を乗せて運転中
1カ月の間に立て続けに
捕まりました。

「一時不停止」と「時間内右折禁止」です。
お客様と話しながら
運転をすると
道路標識から気が飛んでしまい
話ながらも
次の予定があるので
急ぎながらと
集中力を欠いたのが原因です。

それにしても・・・
なぜ、緊急事態宣言中に
こうも神奈川県警は
取り締まりを強化しているのでしょう?

〇が狂ってるとしか
言いようがありません。(TT)

免停を受け・・・
運転試験場に行き2日の講習を受け
減免を受け
残りの免停期間が過ぎました。

車が運転できるようになりましたが
次は私・・・
2点しかありません。

つまり、たった1回でも
一時不停止で捕まると
120日の免停を受けることとなります。
3点減点だったら150日。
4点減点だと、即「免取」となります。

もう、怖くて運転できません。

その話を妻にしたら
「私なんて、10年間捕まってないわ」
「捕まる方が稀」
「運転が乱暴なんだよ」
と、散々の言われよう(^^;)

いやいや、妻よ。
プライベートで捕まったことは
ここ10年、一度として無いのよ。

仕事で1日何時間も運転して
その間、仕事のことで頭が一杯。
運転中、携帯はひっきりなしに鳴るし
なすすべがないのよ。

でも、「免取り」は
絶対に避けなければなりません。

私が持っているのは
①普通免許(6tまで)
②中型二輪
③大型二輪
ですが・・・

免取になると、これらが全て消えて無くなります。
1年運転できなくなり
1年後、ひとつづつ教習所に通い
100万近いお金を払い
取り直しとなるのです。

恐怖です。(震)

そこで、考えました。
「マニュアルにすれば、気が抜けないのでは?」

実は、ここ5年ほど
中古で買ったホンダフィットを
愛車としていました。

ハイブリット車で燃費も良く
一度の給油で600km走る。
小さいけど5人乗りで
荷物もいっぱい乗る。
6万キロ走ってもガタ一つない。

「これぞメイドインジャパン」
の素晴らしいオートマ車でした。

でも、先日
お客様をご案内する時
その車で迎えに上がったら
お客様がボソッと
こんなことを言われたのです。

「これが平成の社長さんの車ですか?」

ありゃりゃ、こりゃ、ころあいか?

今まで私・・・
全く体裁を気にせず
生きて来ました。

服装にとにかく無頓着で
仕事着は、ジーパンとポロシャツ。
革靴は、5000円の合成樹脂で
時計やアクセサリーは一切せず
髪型は丸坊主。(^^;)

一企業の社長とは
誰にも思われない姿形です。

車も乗れれば良く
高級車なんて全く興味なし。
でも・・・
そろそろ50歳。

「一流のビジネスマンは、時計や服装を見る」
などと言います。
世の中の価値観に
一企業の代表として
併せる必要があるのでしょう。

ということで・・・
今年6月
車を買い替えることとしました。

①鎌倉の狭い路地をスイスイ行ける
②出来る限り小さい車
③大人が後部座席に2人しっかり乗れる
④体裁が良い車
⑤楽しそうな車

 
(※写真は、新しく買った車の車内)

もちろん、マニュアルです。

でも、なかなか無いですね。
日本車押しの私なので
日本車が良かったのですが
こんなにマニュアル車を探すのが
難しいとは
思っても見ませんでした。

唯一上記をクリアするのは
スズキ「スイフトスポーツ」だけ。

でも、スイフトだと
フィットよりも軽くみられるな~。(TT)

そこで行きついたのが
泣く泣くの外車。

日産と手を組んだルノーが
日産の技術をパクッて
メルセデスと開発した
準日本車です。(苦笑)

その名はトィンゴGT。


(※写真は、WEBモーターマガジンより)
(※写真は、現行車のトィンゴS)

車好きのお客様に聞いたのですが
「プラットフォームは日産のマーチ」
なのだそうです。

新車はもう売っておらず
中古で買いました。

全長3600mm
幅1650mm
軽自動車の新車ぐらいの金額で
軽自動車と同じサイズ
でもエンジンは普通車。

めったに見かけない車なので
だれも軽自動車と同じ金額とは
絶対思われない。(セコイ)
これで体裁も
少しは保てるかな?(苦笑)

※ここで某不動産会社の営業マンのように
フェラーリやらAMGやらと
手を出せは、華々しくて
「さすが平成の社長!!」
などと思われ
ブログ的には良かったのでしょうが
いかんせん、車に全く興味が無く
根っからの貧乏性が抜けることは
たぶん生涯、無いと思われます。

さて・・・
マニュアルに乗るのは
20年ぶりぐらいですが
忙しいです。
とにかく忙しい。

スマホを手に取る隙は無いし
カーナビを見入る暇もない。
飲み物を手に運転も出来ないし
ギアを上げないとスピードが出ない。

オートマの場合
9割考え事をしていても
普通に運転できてしまいますが

マニュアルの場合
ギアとクラッチの操作が忙しく
考え事をする暇がない。

交通違反対策には抜群です!!

これで・・・
どうにか1年無事故無違反を続け
振り出しに戻したいと思います。

頑張ります。

ちなみに・・・
妻曰く。
ガタイが良い私が
この車に乗り込んだところを
外から見ると
日本で一番有名な某泥棒に
ソックリなんだそうです。

(画像は、CARGEEKより)

2021年7月15日木曜日

大島康徳さん

元プロ野球選手の大嶋康徳さんが
2021年6月30日
お亡くなりになりました。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

現在・・・
東京新聞で「この道」を連載中で
今日も朝、読みました。

すでに永眠されているのに
新聞の朝刊紙面で
毎日、大嶋さんが
我々読者に語りかけているのは
なんだか
とても不思議な気持ちで

「ああ、生きているんだな。」

と、思うのです。

活字とは、まさに読んで字のごとく
人や文明が滅んでも
なお生き続けさせるための
ツールなのだなと
強く感じました。

活字の「活」とは・・・

●生きること。生きていること。
●死中に活を求めること。
●気絶した人に意識を取り戻させる術。
●活発なこと。生き生きしていること。
●水が勢いよく流れるように動く、働く、生きる、生かす。

《名》気絶した人の急所をついたりもんだりして生きかえらせること。
転じて、元気を失った人に元気をつけること。

と、辞書に載っています。

文章を書き残すというのは
誰でも出来ることですが
昭和の時代は稀でした。
SNSが普及した現在
このブログのように
誰もが気軽に書き残せて

ネット上で万人が閲覧でき
サーバーが無くならない限り
永遠に残り
読まれ続けるとなると

あらためて・・・
「文字」の持つ
強靭な力とその魅力に
感化されている私です。

その大島さんが書き残した
東京新聞の『この道』より
第86回目を転載します。
(以下、転載)

僕は26年間
プロ野球の世界で
戦ってきました。

努力を重ねても
実るときもあれば
裏切られることもありました。

だからでしょうか?
世の中・・・
出来るものしかできない
なるようにしかならない
だろうと思っています。

生きていて
自分でコントロールできることって
そんなにないと思うんですよ。
だったら・・・
流れる雲のごとく
流れる川のごとく
その時その時を生きる。

それが極意だとおもうんです。

僕は、よく言うんです。
「究極は忘れること」だって。

負けたら悔しいですよ。
打てなかったら自分を責めます。
でも、球場から家に戻る間に忘れる。
一晩寝たら、すっかり忘れる。

それが出来る人は
強いと思っています。

忘れろと言っても
人はなかなか忘れらません。

「あの時、ああしておけばよかった」
「なんであんな間違えをしたんだろう」
ずっと頭の中で
グルグル考えます。

でも間違えない人なんて
いないんです。

そして、いつまでも
そこに居たって
仕方が無いのです。

無理にでも忘れて
次に行く。
それが人生なんです。

見逃し三振した打者は
次の打席で
初球を必ず振るんですね。
これはバッターの心理ですが
それでいいんです。

学校では「よく考えろ」と教えますが
時には深く考えずに
行動することも必要。
ホラも吹くし
空元気も出す。

失敗したことに囚われちゃ
いけないよね。

プロ野球では
『他人のせいに出来る監督は一流だ』
という格言があります。

他人のせいにして忘れるのは
無責任ですが
名言ではありますね。

『忘れ上手は生き方上手』
と言います。

一打席一打席
新たな気持ちで挑むように・・・

良いことも悪いことも
癌になった事さえも
こだわらず
一瞬一瞬を
生きて行けたらと思うのです。

以上
合掌(ー人ー)

「忘れ上手は、生き方上手」

私もこの格言を胸に
ここ10年ぐらい
生きてきてます。

あらためて、良い言葉だと
大島さんのお話で
思い巡らせています。

ありがとうございました。

2021年7月10日土曜日

やっと、三浦の魅力に気が付いた

ここ最近になり・・・
9月に閉園する
「油壷マリンパーク」が
SNS上で話題として
盛り上りを見せています。

9月末での閉園を惜しんで
訪れる人が
とても増えているそうです。

でも・・・
そんな書き込みの中で
「油壷」が良い所だと
紹介しているのは
とても少ない。(^^;)

個人的に
お気に入りの場所で
子供が小さいころから
我が家は通っており

↓↓8年前のブログ

こんな感じで「穴場」として
何度もこのブログや
その前のココログやシーサーブログで
ご紹介してきました。

だから・・・
油壷マリンパークが
老朽していて
それなのに駐車場料金が高く
「何時閉園してもおかしくないぞ」
というのは
数年前から
我が家の共通認識でした。

10年前には
個人的にこんな提案を
ココブログでしていました。
↓↓

何度も何度も
同じように提案を続けており
↓↓3年前のブログ

横浜でカジノ開発で
大騒ぎしているけど

なぜ、近郊に
こんなに素晴らしい所があるのに
外国企業も日本企業も
政治家も目を付けないのか?

ずっと、不思議でした。
そうしたら・・・
ようやく
本当にようやく
今年の5月に
京急が再開発を発表。



その再開発に伴い
油壷マリンパークが
閉園となる訳です。
素晴らしいです!!!
待ちに待っていました。

3年前に・・・
私がブログで提案した通りの
計画になりますよ!!

京急が発表している
油壷の再開発プランには
こんなワクワクのイラストが
付いています。

(※クリックすると拡大します)

画像元
https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20210512HP_21026TK02.pdf

まずは2025年に
マリンパーク跡地に
新規施設がOPENするとのこと。

楽しみで仕方ありません。

以前、油壷を
イタリアのアマルフィーのように
出来るのではないか?
と、言いました。

(※画像はワンダートリップさんより)

はたまた
これまた沖縄で一番の観光地になった
「瀬長島ウミカジテラス」
みたいに作りこめば良いと
言いました。

(※画像はリッカドッカさんより)

サンライズからサンセットまで
見れる地形です。
富士山もドンと見えて
こんなサンセットの絶景を見ることが可能です。

(※画像は、たけぞうさんの掲示板より)

三浦半島は、実は凄いポテンシャルを持っているのです。

どうなるか・・・
今から楽しみで仕方ありません。

また、近郊の不動産価格は
数倍に跳ね上がることが
予想されます。

沖縄の本部町周辺は
再開発で何十倍も
土地価格が暴騰をしたのは
有名な話です。

不動産投資をされている方
今、三浦半島が
絶賛、ねらい目ですよ!!!

2021年7月5日月曜日

認知症の預金引き出し

2021年5月31日、東京新聞の「AtoZ」
『変る銀行の認知症対策』を転載します。

人生百年時代への対応として
一つの形を示せた。
全国銀行協会の三毛兼承(MUFG会長)は
今年二月、銀行界の指針を公表した際に
こう述べた。

認知症で意識能力が低下した人は
所有する預金を金融機関に
厳格に管理されてきた。

例えば・・・
本人が親族と同行して銀行に訪れ
「引き出したい」と伝えても
認知機能に疑いがあると
窓口で判断されたら
口座からお金を出すことが
出来なかった。

『預金は預金者本人のもの』
という大前提があるためで
銀行は、認知症の疑いがある預金者
又は、その親族に対し
出金したい場合は
成年後見制度の利用をうながしてきた。

今回の銀行界の『指針』は
こうした運用を緩める内容だ。

具体的には・・・
本人との面談や
担当医への聞き取りや診断書で
『認知症の発症』が確認できれば
後見制度を利用しておらず
代理人に指定されてもいない親族に
「極めて限定的」に
預金の引き出しを認める。

使い道は・・・
本人の医療費や
本人の利益にかなう場合に限る。
投資信託などの解約も認める。

全銀協は、あくまで方針を示しただけで
実際にどう対応するかは
各銀行の判断とするが
いち早く動いたのがMUFGだ。

預金者が認知症になる前に
『代理人』を指定し
発症後に代理人が診断書を提出すれば
預金の引き出しや
株売却などの取引きが出来るサービスを
今年3月に開始した。

代理人は、配偶者や二等親以内の親族で
自治体のパートナーシップ制度の
利用者も認める。

これまでにも各銀行には
本人が指定した代理人に
キャッシュカードを発行し
預金引き出しなどを認めるサービスはあった。

MUFGの例は、
認知症の発症した段階で
初めて代理の効力が生じる点が
特徴となる。

銀行界が従来の姿勢を転換したのは
成年後見制度の利用が
全く進まないためだ。

2020年末に
成年後見制度を利用するのは
約23万2千人。
一方で認知症の人は
約630万人に上り
利用率は、たった3.6%に留まる。

利用率の低迷は
費用や手続きの煩雑さに
問題があることが要因となっている。

親族が後見人に就きたいと
考えても、選ぶのは裁判所の裁判官で
親族が選ばれることは稀で
大半が弁護士や法律の専門職が
選出されている。

本人の資産が多額だったり
相続人などの利害関係者が多い場合は
特にそうだ。
後見人には、月に数万円の報酬を
支払わないければならず
弁護士らを選任された親族は
「なぜ、他人に管理されなければならないのか?」
「なぜ、身内の財産管理に金を払うのか?」
との不満が根強い。

親族が後見人に就いても
年に一度
本人んお財産状況を通帳の写しを添え
裁判所に報告しなければならず
50万円以上の商品購入や
50万円以上のサービスを受ける際は
事前に裁判所に連絡したりといった
手続きが必要となる。

また、親族としての立場より
後見人としての立場が優先されるため
「贈与」を受けることが
一切出来なくなる。


親族が後見人に就き
裁判所の下で本人の財産を
信託銀行や信用金庫から
引き出す制度も利用が進まない。

厚生労働省の推計によると
認知症の人は
2025年には730万人
2030年には830万人
と増え続け
高齢者の2割を超える見通しだ。

認知症の人の金融資産は
去年度時点ですでに
『160兆円』にもおよび
2030年度には215兆円となり
個人が持つ資産の『一割』を占めるという
民間試算も存在する。

これほど多額の資産が
本人の意思が確認できないという理由で
凍結されると、様々な問題が生じる。

第一は・・・
医療費や福祉施設への入居費を
本人の預金では払えず
年金すら引き出せないことだ。
金融機関には
多くの不満が寄せられている。

結果、株式市場などへお金が流れず
消費も先細っていく。

銀行界が対応に乗り出したことを
歓迎する声は多い。
ただ、全銀協もMUFGも
『後見制度の利用』
をうながすのが基本方針で
後見人ではない代理人との取引は
「補完」という位置づけだ。

公的制度を民間が代替えすると
今回の指針には問題点もある。
親族らが引き出した預金を
本人の利益のために使ったか否かを
確認するための仕組みが不十分な点だ。

本人が元気な時に
自ら代理人を選らび
判断能力が低下した場合に
財産管理を託すMUFGのサービスは
仕組みに関しては
法律に基づく任意後見制度と
同じ内容だ。

ただ、任意後見制度は
裁判所が選んだ弁護士なおが監督人に就く。
監督人は、後見人を監視し、
財産目録を定期的に提出させる。
本人の利益を保障するためだ。

これに対し、MUFGは
本人と代理人が委任契約を結ぶこととなるため
銀行が間に入って
使途を制限する事は無いとしている。
全銀協の指針も
本人が選んだ代理人が
本人の利益の為にお金を使うところまでは
求めていない。

金融機関が今回の取り組みを
進めるきっかけとなった大きな一つには
「医療費なのを本人の預金から払いたい。」
「でも実際は出来ない!」
という声だ。

その解決には、金融機関から
支払先に直接、お金を振り込む手段もある。
各信託銀行は有料の
『認知症対策サービス』として
代理人を介さない
直接振り込みのサービスを
設けているところもある。

ただこうしたサービスは
数百万円以上の資産を預ける事が
条件となる。

以上

今・・・
日本には、630万人もの
認知症者がいるのですか。

「日本人は2人に1人が癌になる」
と言われていますが

75歳を日本人が認知症になる確率は
『5人に1人』となる世の中なのだそうです。

自分の親が認知症になるなんて
考えたことがないですが
逆に言うと
長生きをする親を持つ子の5人に1人が
親の認知症に直面することとなる訳です。

ある日突然、母が痴呆になり
多額のお金が必要になっても
親の生活費すら預金口座から
引き出すことが出来なかったら
死活問題ですよね。

ゾッとします。

でも、皆、その事実を知らず
全く認識していない。(^^;)

第二次ベビーブームに生まれた我々。
そして、団塊の世代の親たち。
これからが、超高齢化社会の本番です。

日本国として
立ち向かっていかなければなりません。







2021年7月2日金曜日

認知症


直木賞作家:桜木紫乃さんの絵本
「いつかあなたをわすれても」
が集英社から出版され
とても話題になっているそうです。
(下記、東京新聞の記事を転載します。)


八十一歳の母が認知症になって
五年前についに私の名前を忘れた。

とうとうきたか、と思いつつ
実はあまり悲しくなかったんです。

桜木さんは、そう自身の体験を振り返る。

桜木さんの母は
認知症の今が「一番幸せそう」なのだという。

母の人生は
恵まれているとはいえなかった。
父が家庭向きじゃない人だったし
嫁姑(しゅうとめ)関係でも苦労したし。

私が結婚で家を出たら
グチの相手がいなくなって
体調を崩してしまったほど。

それが今は
「毎日パパが家に帰ってくる!」
と無邪気に喜んでいる。

母は誰かを悪く言うこともなくなり
負の感情から解放された。

本当に良かったなって思うんです。

絵本も「さとちゃん」と呼ばれる
高齢女性が認知症になり
娘の名前を忘れる設定だ。

物語は、孫娘の視点から語られる。

名前を忘れられても
「悲しくないし、悲しくなかったことに驚いている。」
と母が話すのを聞いて
「なぜ?」と驚く孫娘。

物語が進むにつれ、その理由が明かされる。

さとちゃんが
みんなのことを
わすれる日は
わたしたちとのおわかれを
こわがらずに
かなしまずに
すむ日

桜木さんの母のように
さとちゃんは忘れることで
人生の荷物を
ひとつずつ下ろす

それは『お別れの準備』なのだと。

桜木さんは
最初に娘の視点で書いたら
自分と近すぎて
濃すぎるスープみたいな文章に。
孫娘の視点に変えたら
ちょうどいい距離感になったと笑う。

小説と違う執筆作業は
新人時代のように
編集者からダメ出しの連続だった。

いかにそぎ落とすかに
苦心した。
五十代半ばにして
新しい挑戦ができてよかった。

そして、桜木さん自身
母親に忘れられたという
『子としての戸惑い』
はあった。

執筆しながら
『その戸惑いをどこに落ち着けるか』
を考えたという。

桜木さんは
母娘が紡いできた歴史を
一枚の絵にたとえる。

母とその長女である私は
半世紀かけて
一緒に絵を描いてきた。

母が認知症になって
絵が完成に近づき
『余白』
がはっきりした。

母が完全に私を忘れたら
たとえ母が生きていても
絵は完成なの。

と話す。

そして同じたとえは、
桜木さんと娘にも通じる。

今・・・
私と娘が
えがいている絵は
どんな感じかなあ?

と、想像します。

桜木さんがこの絵本を通じて
自分の母に贈りたかったのは

「私を忘れていいよ。」
「忘れた方が寂しくないから。」
「そして忘れても怖くないから。」

という思いだという。

絵本で、さとちゃんの娘は、
自分の将来について
わが子にこう語りかける。

もしも
いつかあなたを
わすれる日がきても

わすれてしまうあれもこれも
みんな
なかったことでは
ないのだから
あんしんしてね

これは
たいせつな
たいせつな
わたしたちのじゅんばん

以上
※2021年5月24日の東京新聞より

「めからうろこ」です。

自分の目を覆い
視界を塞ぎ
思考を停止させていた
うろこが
ポロッと剥がれ落ちました。

なるほど!
なるほど。

なるほど・・・

ちなみに・・・
めからうろこという言葉は
『旧約聖書にある言葉』
なんだということも
このブログを書いていて
初めて知りました。

もとの語源は・・・

『The scales fall from one's eyes』

なんですって。
(余談です。)