自己主張が苦手な民族。
日本人は、長らくそう言われています。
流行語大賞にもなった「忖度」に代表される
日本独特の言葉。
斟酌(しんしゃく)
思慮
配慮
おもんばかる
推し計る
etc・・・
こんなに似たような言葉が
探せば次々に出てくる国であります。
自分の主張をし合わず
相手に配慮し、おもんばかる文化。
日本の弱点でもあり、美徳でもあります。
ここ数年、日本の不動産を外国の方が買うケースが増えています。
当社も外国人の方と取引することが珍しくありません。
そんな時、今まで外国人に対して
免疫がない我々は
とても面食らうことが多いです。
不動産の契約は、専門用語があふれ
少し知識がる方でも理解が難しく
読み合わせをしても、一言一句理解できる人は稀です。
でも、日本の方は
細かい説明を求めてくることがありません。
「専門家に任せておけば大丈夫」
「仲介業者に金払っているのだから大丈夫」
「日本は安全」
とても他人任せな性質といいましょうか。
ほとんどの人が説明にうなづくだけ。
今まで、仲介業者が行う契約に
売主として100回以上立ち会ってきましたが
重要事項説明時に居眠りをしている方も
数えるのに両手で足りないほどいらっしゃいました。(^^;)
多いのは、説明をしている人に
「聞き返しては申し訳ない。」
と、業者に対して妙な配慮をされるお客様。
また・・・
「聞き返しすのが恥ずかしい」
「知らないのが恥」
というように思慮をされ
理解していなくても、そのまま流してしまうお客様。
そんな方には、逆にこちらが忖度し
売主として説明を付け加えたりします。(^^;)
不動産大手の積水が
地面師に63億円を騙し取られたのも
これが原因だと思います。
でも・・・
外国の方は違います。
自分が理解するまで、とことん確認してきます。
これは、欧米人でもアメリカ人でも中国人でも同じです。
自分の考えを
一度自分の中で反芻することなく
どんどんと言葉にしてくるのです。
昔から散々言われている事ですが・・・・
全然違うので、その都度、驚きます。
なんでこんな話をするかというと
先日、我が家でのことが発端です。
毎週木曜日は、私の空手の稽古の日です。
最近、娘が「空手に行かないで」と
朝、しがみついてくるので、中々心苦しいのですが
一週間に一度、仕事帰りに道場に直行し
夜10時過ぎまでみっちりと稽古をするので
帰りは11時近くになります。
子供たちが寝静まった時間に帰り
そこから、一人晩御飯となります。
とある木曜日。
家に帰り、まず、冷たい飲み物を飲もうと
冷蔵庫を開けてみると
なんだか、紙が貼ってあります。
なんだ、こりゃ?
まさか・・・
「トンちゃんお疲れ様」
とか、そんな手紙かしら?
そう思いながら
でも、なんで冷蔵庫の中?
子供ながらのドッキリかしら。
冷蔵庫の中に貼って、驚かせる気か。
可愛いな~。
などと思いながら、目を凝らしてみると・・・
ん、違いますね。(^^;)
なになに?
「ストップ」
「あきとのです」
「食べないで下さい」
「食べるな」
す、す、すごい自己主張だ。
ケーキの入ったタッパに貼ってある。
私に対して食べるなという
強い意志を感じる「注意喚起」ですね。
夜中、思わず爆笑してしまいました。
いじめが多い昨今。
これだけ自己主張を表せるのであれば
我が息子は、大丈夫そうです。
でも・・・
もう少し・・・
お父さんを忖度してほしい。
そんなことを思いながら
一人、晩御飯を食べる木曜日の深夜でした。