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2019年1月29日火曜日

米国崇拝

1月26日の東京新聞の朝刊にて
政治学者の白井聡さんの記事が
今の日本を的確に言い表していて、驚きました。
題目は「天皇から米国へ変わる国体」というもの。

国体とは・・・
「天皇は現人神で、日本の統治は天皇が行う。」という考え方です。

初代の神武天皇(伝説の人物)は
天照大神(日本の太陽神)の孫(5代後の)で
皇室は、その神武天皇の末裔である。
神武天皇が生まれたとされる約2730年前から
一系統の血を引き継ぎ続け
世界唯一、現存する神であり
今生天皇は、第125代目となる。


これが、伊勢神宮を中心に
よくマスコミに登場する明治神宮・靖国神社・護国神社等が持つ
「神道」の宗教観です。

その国体が、いつの間にか変わってしまっているというのです。
(以下転載です。)

※熊谷論説委員のインタビュー形式。

沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設や
米国製の防衛装備品大量購入など
日米同盟の名の下
『日本の米国依存』がますます強まっているようです。

精神的権威の国体が戦後天皇から米国に変わり
永続敗戦の状態になったと指摘する政治学者の白井聡さんと
対米従属構造を切り口に政治や社会の現状を考えました。

熊倉/政府は日米同盟の重要性を強調しますが
戦争に負け、戦後ずっと米国の強い影響下で引きずられている日本。
対米依存・従属が状態が続いているという見方は的確だと思います。
対米従属構造は、誰の責任でしょうか。
米国?外務省?自民党?それとも安倍政権?

白井/日本は、戦争に負け米国に占領されました。
従属はある意味当たり前です。
米国は、日本を属国化することで自国の利益につなげるという
国家として当然のことをしているわけです。

対米依存している国は、世界中にあります。
日本が異常で特殊なのは
日米関係は利害の結び付きではないとアピールしている点です。
「思いやり予算」
「トモダチ作戦」
といった情緒的な言葉がその象徴です。

本来、国と国との関係は利害で結び付いているにすぎない。
だから、従属を自覚しながらも
できるだけ自由になりたいと思うのが普通ですが
日本では、真の友情や愛情が基礎にあるという虚構の下
対米従属が表向き否認されている。

政、官、財、学、メディアなどすべての領域で
主流派に属するためには、この虚構を信じなければならない。
その利権の構造の元締として自民党がいるわけで
安倍政権がその典型です。

熊倉/従属しつつ、米国が大戦後に作った体制である
「戦後レジーム」からの脱却を唱え
米国が日本の戦争指導者らを裁いた東京裁判を否定する。
矛盾していませんか?

白井/本気で東京裁判を否定しようと思ったら
正面から「対米批判」をしなければならない。
反発するけど庇護(ひご)してもらう。
子どもの親に対する反抗みたいなものです。

あまりに幼児的なので
その矛盾に気付けないのです。

熊倉/安倍政権になって新安保法制が制定され
米国との集団的自衛権による武力行使に道が開かれました。
対米従属は、いっそう進んでいるようです。

白井/対米従属レジームの作り手の代表者が
安倍晋三首相の祖父「岸信介」元首相でした。
安倍氏は、この支配構造の中の「特権階級のサラブレッド」ですから
そこからの脱却など、するはずがありません。
ただ・・・
対米従属による統治構造は崩壊しつつあります。

北方領土問題でも、米軍が歯舞・色丹に基地を置かないと
安倍首相はプーチン大統領に確約できるでしょうか?
米国からの確約が取れないまま平和条約を結ぶには
北方領土の「ゼロ島返還」という答えしかない。
それで、日本国民は納得するでしょうか。

熊倉/沖縄の米軍基地問題は、対米従属の最たるものですね。
知事選で新基地建設反対派が圧勝したにもかかわらず
政府は建設をやめようとはしません。
現場海域への土砂投入も始めました。
なぜここまで頑ななのでしょうか?

白井/辺野古は、地盤が軟弱過ぎて巨大建造物を支えられず
玉城知事が今後新たに必要となる許認可を出すとも思えない。
だから、今やっている土砂投入などは
沖縄がいくら抵抗しても基地建設は止められないという
雰囲気を作り出すためだけのものでしょう。

沖縄の巨大米軍基地群は、対米敗戦と従属の結果ですが
他方本土では米軍の存在感がどんどん減ったため
従属の事実は一層ぼやかされていった。

政府は、この状態を何が何でも維持したい。

熊倉/米国第一主義を掲げるトランプ政権になって
日米関係はどういう影響を受けているのでしょうか?
政府の中期防衛力整備計画では
米国から大量の装備品を購入します。

白井/米国は、超大国として世界の秩序と
自由など大義名分を守るポーズを示してきました。
日本の「米国は愛してくれているんだ。」という
一方的なフィクションにも付き合い
自民党のメンツをつぶさない配慮はしてきました。

トランプ大統領は、それらを・・・
「面倒くさい」と止めてしまった。
だから、いよいよ米国の本音が出てくる。

武器を買わないと日本の自動車産業を追い込むと脅す。
これは効きます。
日本は長年の対米従属により
北米マーケットに極度に依存する経済秩序を作ってしまったからです。

熊倉/ドイツも日本と同様の敗戦国ですが
対米関係のあり方は、日本とは違います。
メルケル首相は最近、米国頼みから脱する必要性を強調しています。

白井/敗戦後、ドイツは同じく対米従属させられ
巨大な米軍基地も置かれましたが根本的な精神が違うのです。
独立の精神があるのです。
だから彼らは、不平等な地位協定の改定にもこぎつけました。
ドイツは敗戦の意味を正面から受け止めて
どうしたらいいか考え、東西統一を実現させ
欧州連合(EU)のリーダーになりました。

熊倉/メルケル首相も保守政党出身ですが
安倍首相とは対極的に見えます。

白井/日本の保守は単なる体制保守、利権保守です。
保守を名乗るくせに、接頭辞に「親米」と付く。
米国を守ることが真に保守的だと思っている。

熊倉/著書『国体論』は、対米従属による社会の荒廃を描く一方で
2016年8月に天皇が発した「象徴としてのお務めについて」のお言葉に
再生の可能性を見いだしているように読めました。
お言葉には「闘う人間のはげしさ」がにじみ出ていると指摘しています。
何と闘う烈しさなのでしょうか。

白井/憲法上、問題になりかねないリスクを冒してまで
皇位継承の決まりを変えてほしい気持ちを国民に直接伝えた。
切羽詰まった危機感があったからこそでしょう。

お言葉では、天皇とは「国民統合の象徴」なのだという点が強調された。

国民の統合とは、日本国民という共同体のみんなが助け合い
仲良く暮らすということだと思います。
しかし今、国民統合はぶっ壊れている。

東京都港区南青山で地域のブランドイメージを壊すとして
児童相談所建設が反対を受けている問題や銀座の小学校が
高級ブランド・アルマーニの制服を導入した件などが典型です。
「貧乏人が周りをうろつくと不愉快だ、あっちへ行け」
と、いうようなことを言っちゃいけない
という常識が崩れました。

こんな状況に対し・・・
天皇は警告を発したとも言える。

国民の統合を回復し、なんとか守らなくてはならない。
「統合を維持するつもりはあるのですか?」
と国民に問いかけているのです。

以上
なるほど。

保守本流として旗をかかげ
小学生への教育勅語を推奨し
己は天皇陛下をないがしろにする。
右派政党として明治回帰と国粋を掲げながら
アメリカに依存し自国に米軍基地を造りつづける。
アメリカのミサイル防衛網であるイージスアショアを
秋田県に設置することも決まった。

矛盾の塊。

つまり、自民党の存在自体が「嘘・偽り」なのですね。
だから、森友学園ごとき小さな嘘は、屁でもない。

ここまでアメリカに依存しているのが解っているのなら
いっそのこと、偽りの姿をすべて解いて
アメリカの州になってしまえばよいと思う。

日本国民のほとんどは、現状維持を望んでいる訳ですから。
なのに、なぜこんなペテンを続けるのか?

そして不思議なのは、本当の保守の方々。
天皇陛下万歳と言っている皆さん。
ここまで馬鹿にされているのに
安倍政権を支持するのは、なぜ?

神社本庁などは・・・
神とする皇室の御言葉に一切耳を貸さない安倍政権に
怒り狂ってもよいはずなのだけれど?

不思議でなりません。


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