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2015年12月8日火曜日

宮崎駿のアンチテーゼ



宮崎駿著書「出発点」より
下記は、このブログで10年前にご紹介した著者と筑紫哲也さんの対談です。
今もって、全く変わらない教育現場へのアンチテーゼです。

我が子が通っている玉縄幼稚園は、とても放任主義でこの理念にかなってるように思います。

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小学校を変えなきゃダメだと思います。

大人になると人間は不自由になるけど・・・・
子供の頃はずっと自由だというモノの考え方があったと思うんですよね。
けど、いつのまにか子供時代というのは、大人の時代のための投資の時期だというふうになってしまったんです。
その先行投資が、今ことごとく裏目に出てしまってるんです。

今、日本はいろいろな問題が有りますが・・・・
子供たちのことが多分僕らの一番の大きな失敗じゃないかな。
大失敗ですよ。はっきり。

子供時代というのは、大人になるためにあるんじゃない。
子供のときにしか味わえないものを味わうためにあるんだと思う。

子供時代の5分間の体験というのは、大人の1年間の体験よりも勝るんですよ。
トラウマもその時にできる訳でね。

個性とかなんとか言いますけど・・・
個性なんてその子供時代の経験から育つもんです。
はじめから個性がある訳ではないんです。

ですから個性を伸ばすとかなんとかいろいろ言いますけど
そういうのは止めて子供を一回大人の監視下から解放する
そうすれば遊び場がなくても、子供は遊びます。

それから僕らの仕事もそうですけど・・・
アニメーションとかゲームとか色んなことを言いながら、金を稼ぐ為に子供たちを相手にしている商売を、法的に規制するしかないと思うんです。

子供時代に先行投資すれば、その後で大変な配当になって戻ってくるというのは錯覚でしょうね。

これは自分自身がつまらない人生を送っている親の
勝手な幻想じゃないかと僕は思うんですけども。

自分の周りにいる子供たちと夏、山小屋で付き合ったりして「良い子だなぁ~。」と思もった子が、小学校2年生になった途端『九九』が出来なくて悩んでるって聞かされるんです。

そうすると僕は頭に血が上るんです。

「なんでこんな幼い子に九九を教えなきゃいけないんだ」
って。
何年か経てばすぐ覚えられますよ。

なんでこんな小さな魂に・・・・
「覚えなければ、お前は一人前の大人になれないんだ、一人前の子供じゃないんだ。」
みたいに脅すんだろうって。

その子の小学校二年生のもっと豊に暮らせるはずの時間を
それで奪ってしまってるんだと思うんですね。

まず、つまらない校長先生の話しを聞くためになぜ朝礼をするのか?

人前で話をしたい人の為に朝礼があるんだと僕は思うんですけど…

子供の頃、一体何を覚えなきゃいけないということですよね。
そしたら読み書きとそろばんですよね。
それから一定の社会常識です。

それをまず義務教育の中でわかる様にしてやればそれでいいんだ。
という考え方に戻せば、子供たちはずっと楽になるんです。

とにかく、ドンドン肥やしをやって
水をかけて陽にさらせば
いくらでも植物は伸びるんだということは、嘘だということですね。

人間という生き物は・・・
(精神的に)とても壊れやすく
もっと不思議な力を持っていて
もう少し野放しにしてあげた方が、実はちゃんと育つんだという当たり前の事にね

気が付けば良いんです。
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これは、1996年に出版された書籍です。
つまり、約20年前ですね。

今の世の中は、当時とくらべ・・・

「金を稼ぐ為に子供たちを相手にしている商売」が、何倍にも膨れ上がっています。

ゲーム、漫画・アニメetc
ポケモンや妖怪ウォッチはその最たるもので、メダルやカード欲しさに幼稚園児が金を握りしめ、何時間も並ぶさまは、まさに宮崎駿が危惧した状況そのものです。

昔は夢と希望があった戦隊もの
仮面ライダーや魔女っ娘モノも
今じゃ企業が子供におもちゃを売りつけるための、ただの手段と化しています。

オンラインゲームは子供たちだけでなく、大人までも無我夢中です。

「赤ちゃんをあやすためのアプリ」
なんてものまである。
しかも、とても流行ってる。

0歳の赤ちゃんが、スマートホンを持つ光景は珍しくありません
ベビーカーの中で白光している端末の光で、顔が照らされる赤ん坊。
街中で普通に見ます。

なんなんですかね?
すべては大人が仕掛けているものです。
大人が子供から時間を詐取して金に変えているとでも言いましょうか?
便利を押し付け、親子のコミニュケーションを妨げてはいませんか?

そして、日本の心が・・・
経済至上主義に犯されている。

そんな気がしてなりません。

だから、日本政府肝いりで、日本を代表する大学や企業がこぞって新兵器を開発し、平気で戦争している国に売りつけ、今度は人の命と引き換えに金儲けをしようとしているんです。

宮崎駿が20年前に危惧していた事が・・・
限りなく悪化して・・・

今の世の中を形成しています。





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