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2016年6月6日月曜日

仕事が人間を頽廃させる

先日、新聞でこんな感じを見た。

「頽廃」

タイハイと読みます。
意味を調べると・・・

「風俗、気風がくずれ、不健全になること」

とあります。
その記事をご紹介します。
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私の家のある群馬県の山村「上野村」は
今例年より早い春を迎えている。

四月中旬にはソメイヨシノやしだれ桜が咲き
月末には山桜も散り始めた。
ワラビや山ウド、フキなどが姿を見せている。

子育て時期が近付いて、小鳥たちも忙しくなってきた。

村の暮らしは案外忙しい。
畑仕事をしたり
山菜を取りに行ったり
春祭りもあれば
共同作業もある。
最近では、土日様々な企画も行われている。

面白いのは、それが仕事なのか村の暮らしなのかが・・・
良く解らないことだ。

仕事だと言えば仕事。
それが村の暮らしだと思えば、暮らしなのである。

伝統的な社会では、すべてが何となく一体化している。
仕事と暮らしも一体化し
それらと結ばれながら
地域文化や地域社会も作られている。

山の神信仰や水の神信仰のような土着的な信仰も
それらと結んでいる。

それが伝統的な「生きる世界」のかたちだった。
この点では、世界中変わることはない。

ところが近代的な社会がつくられていくと
このような一体的な世界は壊れていく。

仕事は仕事、暮らしは暮らし、文化は文化、社会は社会・・・・
となったのである。

そのことによって、暮らしや文化、社会から独立したものとしての職業が成立した。

そしてこの変化が、職業倫理を問われなければならない時代を生むことになった。

伝統的な社会では、職業倫理は自然に形成されていた。

仕事は仕事以外の要素と結ばれていたから
仕事に対する考え方も、総合的につくられていたのである。

暮らしや社会を壊すような仕事はしてはいけないし・・・
仕事の中に文化や、ときには土着的な信仰も内蔵されているのだから
そういう結びつきが自然に職業倫理を成立させていた。

ところが仕事が仕事だけで独立したものになると
仕事の都合が優先され、仕事の倫理が独り歩きするようになったのである。

こうして近代社会になると
自分や自分の企業の利益しか考えない人が生まれてきた。

さらには、誠実に仕事をしているつもりでも
自分の職業だけの狭い世界の発想で行動し
それが結果的に、社会を壊していくような現実も発生するようになった。

事実上の粉飾決算をおこなったいた東芝
燃費データをごまかした三菱自動車
ブラック企業的な経営を行う経営者
パナマ文書にみられる税から逃れようとする人たち
不祥事を繰り返す政治家
そして、原発の危険性を無視しようとする人たち

私たち社会は、そんな人たちがあふれるようになってしまった。

職業は、職業以外の世界と結びつきを失ったとき
職業だけが独り歩きするようになり
頽廃していく。

その結果
絶えず職業倫理の重要性が語られ
しかし現実には、倫理観の欠如した事件が頻発しつづける。

そんな時代を、私たちは迎えている。

そのことに気が付いている人たちは
自分の仕事が社会や暮らし、文化と結ばれている世界を確立しようとして
新しい仕事づくりをはじめ
あるいはボランティアなどに力を注ぐようになってきた。

企業でも従業員の社会貢献活動に、本気で取り組むところが生まれた。

放置すれば、仕事が人間を頽廃させる不幸な時代を

私たちは、直視せざるをえなくなってきている。
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東京新聞「時代を読む」から哲学者内山節さんのお話。


2016年6月5日日曜日

高齢化?長寿?

「100歳すぎても歯が生えてきた」
パキスタンにそんな桃源郷があるという。

インフラが一切整っていないパキスタンの山岳地帯「フンザ」
医療施設など無い。
少なくとも千年前から暮らす人々が、他界とつながったのは60年前のこと。
それまで完全に陸の孤島だった村は、完全な自給自足を営んでいた。

化学肥料も農薬も保存料とも無縁。

オーガニックな果物や木の実中心の食生活だ。

推定115歳で亡くなられたバラドさんは・・・
自分の畑や村でとれたもの以外は、「汚れている」といって食べなかった。

フンザの老人は良く歩く。
3日間かけて歩かないと、隣町にも行けないからだ。
夏には2か月間、高原の草原へ放牧へ。

昔は食べ物がなくなっても近所の家に行って食べ
酒を飲み、喧嘩も朝には忘れた。
木陰で寝ても平気。
家の戸にカギは無かった。

それが、最近急激に変わった。
観光ブームでこの桃源郷が話題になり・・・
外国人客が押し寄せ、貧富の差が生まれた。

昔は皆悩み事がなく、心も健康だった。

それが、今は、皆、教育やビジネスと心配事ばかりしている。
すると、どうだろう。
最近はがんや糖尿病など、現代病が広がり始めた。

昔は、癌患者なんて一人もいなかったのに。

老人の一人は嘆く。

昔は一個のじゃがいももゴールドのように大切にし
皆で分け合って食べた。
それが今はどうだ?
争い奪い合い、殺し合いまで起きている。
こんな世の中に何の意味もない。
人生最悪の時だ。

澄み切った空気。
7千メートル級の山々にしがみつくように存在する村の空は、宇宙を感じるほど深い。

訪れた人が「風の谷のナウシカ」のモデルの地だというのもうなずける。

世界屈指の長寿大国日本。
医療や福祉の充実ぶりは、素晴らしいと思う。

ただ・・・
100歳を超える長寿となると・・・
別次元の何かが可能にしているのだろう。

現代世代として、なんだか申し訳ない気持ちになった。

(東京新聞:武石英史「郎辺境の里、長寿伝説」より)

2016年6月4日土曜日

鎌倉の治安は良いの?

鎌倉で住宅を建て、お客様にお売りする時。
お客様の比率は、周辺の方50%、都心の40%、その他10%ぐらいです。

で、周辺以外にお住いの方から、必ず聞かれることがあります。
それは・・・

「鎌倉って、治安は良いのですか?」
「大船って、防犯はどうなんですか?」

このご質問にお答えするのは、結構難しいです。
何を基準にするかで、答えが大きく異なるからです。

東京都心部に比べれば、治安は断然良いと答えられます。
横浜駅界隈と比べても、治安はとても良いでしょう。

藤沢市と比べても、鎌倉の方が良いというのは分かります。

その理由は、鎌倉には盛り場が無いからです。
ラブホテルも規制されていて、2件しか存在していません。

よって、夜のにぎわいは、皆無です。

でも、地方と比べたら、治安はきっと悪いでしょう。
日本有数に人が集まる「観光地」ですから。

ちなみに同じ鎌倉市でも・・・
鎌倉駅と大船駅は、同じ鎌倉市ですが異質の町です。(^^;)
松竹が無い今、大船は観光とは無縁となっています。

先日、こんな広報が回ってきました。

「玉縄地区版、安全安心まちづくり推進ニュース」なるものです。




鎌倉市全域を5つに分け、1年の犯罪件数を累計したデータです。

なんと、鎌倉全域で、凶悪犯罪数はたったの2件。
ものすごく少ないですね。

傷害事件は年間で90件。
窃盗犯は516件。

この数字は、とても少ないものだと思います。

お隣の藤沢市では、窃盗犯は2000件を優に超えます。
自転車泥棒だけでも、1000件を超える多さです。

広報は、鎌倉市の市民安全課が作成しているとのことで・・・
さらに小分けした地域も抜粋されています。

 

窃盗犯が増加したとのことですが・・・
玉縄地域では、1年でたった61件。

とても優秀?な数字に思えます。
61件の半数が「乗り物盗」ですので、自転車の盗難です。
凶悪犯罪ではありません。


住宅への泥棒は、1年で玉縄で2件、岡本でたったの2件。
玉縄・岡本は、1年で2件という極小の数字。

ひったくりも1年で、岡本5件、玉縄1件だけ。

岡本は駅前になるため、玉縄の5倍となりますが・・・
それでも、1年でたったの5件です。(^^;)


自転車の窃盗は、これも駅周辺となる岡本がダントツです。
玉縄に至っては、4件だけ。

車上荒らしは、もう無いにも等しい。(^^;)

この数字を見ると・・・
胸を張って・・・

「大船西口の治安は、とても良い地域です。」

といえますね。(^^)

お隣が藤沢と横浜ですから、余計にそう思えます。


2016年6月3日金曜日

青銅着色

先日お引渡しをした住宅のお客様より・・・

プレゼントを頂きました。

真鍮のティッシュ入れです。(□゜;)



きれいな、青銅色。

これは、よくニュースで見るあれですね。
あの発掘されるあれです!

出土する青銅器・・・



これらが本来持っていた
長い年月土の中に埋もれて失ってしまった
古来の人たちが愛した美しい色。

コバルトブルー。



それを再現して・・・
なんと・・・
「ティッシュ入れ」にしちゃった。(゜゜;)

日本人気質、恐るべし!!

このティッシュ入れ。
細部にわたり、造りが凝っています。



ウォルナットかしら。

作っている会社は、富山にあります。

その名も「有限会社モメンタムファクトリー・Orii」さん

住宅関連の商品で、活躍をしているようです。

身近なところでは、真鍮の表札。




ほほ~
美しい表札ですね。

面白い。

これら着色技術は、この会社独自のものだそうです。
疲弊していると言われ続ける地方から発信する伝統的な技術。

古い!
けど、新しい!!

古き良き日本の文化を、現代技術に融合させる。

目がハートです。

個人的に好きなのは・・・


斑紋孔雀色[銅]


斑紋茶褐色[銅]

いいですね~。

しかも、この会社のすごいところは、小売りに留まっていないことです。
小物に執着しがちな伝統工芸ですが・・・

なんと、玄関ドア!!


おおお~。

美しい。

やってみた~い。

でも・・・
高そう~。(^^;)

その他、テンポの造作なども手掛けています。

青銅色の真鍮のドアなんて・・・
それだけで、夢があります。
憧れです。


2016年6月2日木曜日

争点

消費税10%の延期。
実は、今年1月早々、決まっていたそうです。
その時、ダブル選挙も決まっていた。

でも、野党も与党も表向きは、分からないフリ。

「消費税増税を延期する。」
「その信を問う。」

これを争点にすれば、自民党は圧勝です。
だって、国民のだれもが・・・
増税反対ですから。

「税金上げません。」と言って、喜ばない国民は居ませんね。

つまり、最強の選挙の切り札だったわけです。
あとは、発表のタイミング。

今回のタイミングは、これ以上ないという絶妙のタイミングです。
しかも、桝添都知事という餌を入念にまいた後。

政治家の機転では、絶対に出来ない。
官僚にはこんなスキルは無い。
それは今まで政治を見てきて、だれでも分かります。

小泉内閣から受け継いだ、マスメディア対策、安倍政権をバックアップする日本最大手の広告代理店の力は絶大ですね。
その流れに完全に左右され流される我々。

国民を操っているマスコミ。
そのマスコミを支配する広告代理店。
さぞや、容易いでしょうね。

しかし・・・

自民党議員による様々なスキャンダル。
熊本の大震災。
沖縄の米兵のレイプ殺人。

野党共闘が急ピッチで進む。

ダブル選はやめてておこう。
衆議院議員選挙は、オリンピック直前だし、負ける要素はないわけですし。

そこで代理店のライターが考えた。

「衆参ダブル選挙をしないのは、熊本大震災の被災者のため。」
「今も仮設住宅に住む被災者を慮る。」

上手すぎる。

原発も・・・
憲法改正も・・・
集団的自衛権も・・・
緊急事態法も・・・
沖縄基地問題も・・・
熊本の対応も・・・
議員削減も・・・

全部吹っ飛ばしちゃいましたね。

「消費税増税を問う選挙だ。」

う~ん。
すさまじい。
電●、さすがだ。

色々な問題を抱えた日本。

でも、それぞれが全く争点になりません。

まあ、旧民主党も保守派が多いから、陰で安倍内閣を応援しているのでしょう。

でも・・・
やはり・・・
どう考えても、原発なんだと思うんです。

個人的に、原発が争点にならんと、おかしいですよ。

先日の新聞にて。
こんな写真が載っていました。



これ、なんだかわかりますか?

福島第一原発の・・・
一号機の・・・

5月18日に撮影された、使用済み核燃料プールの内部写真です。

上空ヘリコプターからの空写だそうです。


プールです。
間違いなく、プールですよね?

瓦礫で、プールの水面が、一切見えません。

これ、震災直後の写真ではないのですよ。
すでに6年目の現在の写真です。

メルトダウン前・・・
このプールには、直径1cmの破片が落ちただけで大事件として扱われていました。

そのプール内部1面にコンクリート瓦礫。

瓦礫は浮きません。
水には、浮かないんです。

ということは・・・

このプール内は、がれきがびっしり。
水が見える隙間なく、がれきで埋もれてしまっていることを意味します。

それが空撮出来てしまう。

ようは、空気中に「曝露」しているのです。

そして、雑草まで生えているという・・・
管理不行き届き。

この下には、核兵器となりうる「使用済み燃料」が数百本ある。

このすさまじい状況を・・・
我々は今認識する必要があります。

この写真見て、見て見ぬふり、できますか?

収拾?
微塵もしてませんね。

1個で大事故だった瓦礫が・・・

写真だと、その数、億単位です。

東京電力によると、この瓦礫を取り除くだけで、あと3年かかるとのこと。

その間にもう一回地震が来たら・・・

3年後は、2019年です。
この原発の1県はさんだ千葉や東京、埼玉でオリンピックを行うのが2020年。

やはり、どう考えても異常ですね。

せめて国民だけでも・・・
自分が住む地域に近い原発の再稼働阻止を意識しないと・・・

「取り返しがつかない」とは、まさにこのことですよ。