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2015年2月15日日曜日

無垢床と床暖房

世の中に、床暖房対応フローリングというものが多く出回っています。

無垢フローリングでも、床暖房対応という商品が一杯あります。
当社でも、今まで様々な床暖房対応の無垢床を多く施工してきました。

しかし、どうしても使用時の熱による「痩せ」が起きます。
100発100中です。

以前、注文住宅で使用した「無塗装オーク乱尺」の床。
幅90mm×長さ3尺~6尺の乱尺×厚18mm
通常の広葉樹系の床材より厚みのあるしっかりとした商品です。

国産で、私が実際に触ってみたかぎりでも、輸入品よりも品質は上です。

それが、一冬床暖房を使うと・・・



この通り、隙間を生むのです。

品質の良い「床暖房対応」の商品で、この状況です。

その後、うちの会社では、注文住宅の御客様が床暖房を使う場合、無垢床を使うのはおススメしてきませんでした。

そんな中、今、手掛けている注文住宅のK様邸。
お客様が床暖房をご希望されています。
そして、当社の自然派の住宅を気に入って下さり、ご注文を頂いたのです。

どうにか床を無垢にしたい。

でも、お客様にご説明すると「隙間が空くのは抵抗がある」と仰います。

この隙間、ゴミが入るのです。
入ると、掃除機では取れない場合があり、面倒です。


しかも、夏場になると、湿気を擦ってこの隙間は塞がってしまうのです。(^^;)

ちなみに品質の悪い無垢床を使った場合・・・
5mm以上の隙間を生みます。
サネ(実)に打ち込んだ釘が見えるほどで、なんともみっともない。

さて、どうしたものか??

3層フローリングという、「床暖房に強い」と言われる特殊床材があります。
これは、表面の30mmが無垢床でその下部が、合板というものです。
これも当社にて何度か使ってきた商品ですが・・・

隙間が出たり出なかったりと、現場によって異なります。(^^;)

メーカーの説明書きには・・・

「多少の収縮や割れが起きます」という、逃げが書いてあります。
さらに、メーカーによっては注文する際に「収縮による隙間を許容する。」というような誓約書を書かされます。

つまり、クレームが多いいのですね。

こんあHPを見付けました。

「サラリーマン東大生の商品開発七転び八起き」
http://d.hatena.ne.jp/aldy/20121121/1353467407

このブログ、素晴らしい。
めっちゃ、勉強になりました。感謝。

三層フローリングの床暖房の実験結果を紹介しています。
そこで紹介されているグラフを見て、ビックリ。



塗装品の場合・・・
隙間が一通り、1mm以内に収まっているのです。

つまり・・・
当社のように無塗装品を好み・・・
仕上げにオスモオイル等の自然系オイルで仕上げてしまうと・・・
仕上げ時点で多くの水分を含むことになり・・・

その結果、熱による収縮を引き起こすのである。

塗装品を使えば、収縮は、軽減される可能性が高いという事となります。

それは、多分、無垢材でもいえると思われます。

「いまさら何言ってんだ」という同業者の声が聞こえてきそうですが・・・

個人的に塗装品が嫌いで、今まで、お金を掛けて現場塗装してきたのが、間違いだったのか??

でも、ウレタン塗装品は、ピッカピカの仕上がりで、無垢の質感が損なわれます。
オイル塗装品も、塗装自体が薄いので、居住後1年も経たないうちにハゲてくるのです。

ウレタンは、水を吸い込む性質を塗膜で抑えてくれるので、良いと言えば良いのですが。
でも、ピッカピカなんだよな~。

もう少し、良い商品が無いか探してみようかな??

でも、やっぱり無塗装品の現場オイル仕上げが一番良いんだよな。
それに勝るものって無いんだよな~。









2015年2月12日木曜日

柱の乾燥割れ

注文住宅I様邸
吹き抜け天井部分の杉板張りを行っています。



5%程度の勾配をり、屋根とは別勾配です。
トップライトがあるので、中々複雑な収まりです。

つなぎ目は、大工の井関さんにランダムでお任せ。



お金が掛かりますが・・・
高い天井を板張りにすると、家の雰囲気がとても良くなるのです。
ちなみに、低い天井の場合は、板目や節がうるさくなる場合もあるので、注意が必要です。

また、板なので、室内が過度に乾燥しますと、縮んだり反ったりします。
高い部分だと目立ちませんが・・・
低い部分だとその狂いがとても目だったりするのです。

せっかく、無垢板の話になったので、性質の話をしたいと思います。

当社の住宅は、国産の無垢材を使用しています、

柱や化粧張は、紀州産の檜や杉です。

日本でもトップクラスの品質を誇る山長商店さんの材木です。
全て含水率を20%に抑えたKD材なのですが・・・

下の写真は、建築後1年経過した、杉の上小節の一等級の柱です。



壁の仕上げ材との隙間、お分かりになりますか??

2mm~3mm程度、透いています。

この隙間が、杉の梁が「痩せ」た部分です。

下の写真も同じです。



ここは、建築時、ピッタリとくっついていた場所です。
お互いに痩せて、4mm程度の隙間が空いています。

また、この梁の裏側を見ると・・・



上部に乾燥割れが出ているのが、解りますか??

よく、昔の家は、真冬の夜に「ピシッ!パシッ!」と、壁や天井の中で音をたてた記憶がある方も多いいかと思います。

これ、霊能者に言わせると「ラップ現象」という心霊現象なのだそうですが・・・

実は、無垢材を使うと、普通に起きるものなんです。

「乾燥により、材木が割れる音。」

木材は、隔壁と水と空気で出来ています。
断面を顕微鏡で見ると、蜂の巣と形状が酷似しています。



(写真は森林・林業学習館より)
http://www.shinrin-ringyou.com/mokuzai/kouzou_micro.php


写真のように、木は、道管という空洞で出来ているのです。
道管は、血管と同じ働きをします。
地中で水を吸い上げ、葉や幹にめぐらせる血管です。
その道管から水を抜き取ると、水があった部分は、空気が残ります。


つまり、ほとんどが空気という事になるのです。

木は、伐採をしても呼吸をします。
特に檜・松・杉等の針葉樹は、多くの空気の吸放出をくりかえします。

元々、水を吸い上げ蓄える構造のため、水分を取り込む性質があります。
よって、空気中の水分を吸着して吸い込みます。

夏場、湿度80%の外気から、湿気を一杯吸い込みます。冬場、外気が20%以下に乾燥すると・・・
空気中に水分を奪われます。

奪われると、膨張した道管が痩せます。

結果、柱が縮みます。

但し、芯部は既に道管が退化しており、湿気を吸い込みません。
外周の白身の部分が多く湿気を蓄えるため、乾燥をする際、その速度の違いで、割れます。

解りやすく言うと・・・
「手のひび割れ」と同じようなものと思ってください。

これは、必ず起こる針葉樹の性質です。

構造材の場合は、この割れを最初から人工的に入れてあります。
「背割り」といいます。



(写真は新木場の材木店「吉田商店」さんより)

http://www3.ocn.ne.jp/~hinokiya/nougaki/2006_6_14.html

化粧柱や梁の場合、この背割りをしていない材を使用することが多く・・・
引き渡し後に、割れるケースが多くなります。

よく、御客様から「割れて大丈夫なのか?」とご質問を頂きます。
ご覧いただいて解る通り、一般的に使われている背割りの柱でこの通りです。

柱の強度は、太さもさることながら・・・
芯部の赤身の部分が重要です。

乾燥割れが芯を貫通することはありません。
KD材に至っては、1度割れれば、その後割れを繰り返すことは稀です。
よって、背割りされた柱と同じだと言えます。

但し・・・ グリーン材(未乾燥材)の場合は、割れを繰り返し多数のひび割れが入る危険性があります。
昔の家は、自然乾燥で芯が生木の物が多くあり、又は、切り出したばかりのグリーン材で建てていたので、いつまでも「ピシッ、パシ!!」というラップ音が起きていた訳です。

今でも小屋裏の構造にはグリーン材を使っている業者が多いですが、当社の住宅は100%KD材(乾燥材)です。
ご安心下さいませ。(^^)


2015年2月10日火曜日

引退

天龍源一郎が引退表明しました。
65歳です。

その彼の引退の言葉がカッコ良すぎで・・・
しびれたので・・・

ご紹介します。

「今までワガママな自分を支えてくれた家内が病気になったから。」

50年以上、自分の身一つで戦い、稼いできた男です。
60歳超えて、トップレスラーとして存在したのは、彼をおいて他に居ません。

そんな彼が、妻が病気になったから、選手を辞めるという。

こんなカッコ良い引退会見は見た事ありません。

一流選手の引退会見、今まで一杯見てきました。

皆、口をそろえます。

「体力の限界!」by千代の富士
「思うようなバッティングが出来なくなった。」by王貞治
「精神的にも肉体的にも、もうこれが限界!」by山下泰裕
「イメージ通りに体が動かない!」byゴン中山

皆、自分の体の不自由さを口にし・・・
年齢との葛藤を吐露しながら・・・
未練を残して、涙ながら辞めていきました。

皆、日本を代表する人たちです。

でも、天龍は・・・

「妻に恩返ししたいから。」

と、さらっと言ってのけたんです。

言いようがない感情が沸きました。


男らしさでは表現できない。
親分肌ともちょっと違う。
粋ともいえるけど・・・、そんなきれいな言葉じゃない。

何でしょう。
とにかく痺れたんです。
とにかく、カッコ良いのです。(^^)

そして・・・
記者から・・・

「引退後は何をしたいですか?」

と質問された天龍。

鬼のような形相で(もともとそういう顔)
赤鬼のような笑顔を浮かべ
こういいました。

「奥さんにゴマをすりますよ。」

もう降参です。(^^;)

歴戦の苦闘で、潰れたノド。
シャガレ声。
聞き取るのが困難なほどです。

それが、また、痺れる。(笑)

ミスタープロレス。
世界で唯一、ジャイアント馬場とアントニオ猪木にピンホール勝ちした男。

男の中の漢です。 引退試合、見に行きたいな~。
誰が務めるのだろうか??
11月なので、まだまだ先ですが・・・

お疲れ様でした。m(_ _)m



2015年2月9日月曜日

売り出し中物件のご紹介

ホームページリニューアルに伴い・・・
当社売主の売り出し中の物件ページも大幅にリニューアルしました。

■鎌倉市山崎「新築分譲住宅」
http://www.heisei-shonan.co.jp/urinusi/yamazaki.html

■鎌倉市笹目町「売地」
http://www.heisei-shonan.co.jp/urinusi/sasame.html

■鎌倉市浄明寺4丁目「売地」
http://www.heisei-shonan.co.jp/urinusi/jyoumyouji.html

スマホ対応としました。
情報量も多く、見やすくなったと思います。

また、過去建築した住宅も多くアップしました。
http://www.heisei-shonan.co.jp/kakohanbai.html

右上の物件名をクリックしてもらえれば、写真集が開きます。

さらに、過去ブログの紹介ページも造りました。
http://www.heisei-shonan.co.jp/kakoblog.html

約10年前から続けている本ブログの面白いものをまとめたものです。

ご覧いただければ、幸いです。

また、玉縄2丁目の新規売地をそろそろ公開しようと思います。
ご期待ください。


2015年2月8日日曜日

慮る

「日本の良いところを一言で答えなさい。」

そんな質疑を何かの雑誌で目にしました。
色々と答えている中で・・・


「慮る精神」

という言葉がありました。

私も「そうだよね。」と、雑誌を手に激しく同意しました。

ちなみに「おもんばかる」だと思っていましたが、正しくは「おもんぱかる」なんですって。
知らなかった。(^^;)

「おもいはかる」の音変化したもなのだとか。

おもいはかる

良い言葉ですね。

相手の想いを測るのです。
それが先行するのが日本人だと。


外国人は、ストレートです。
彼らから言わせると・・・
「日本人は、思っている事を言わないから解りずらい。」
となります。

しかし、それが日本の文化なんです。
配慮とか心遣いや気遣いが根付いている。

だから「言わなくても解ってもらえる」というのが、日本社会の根底にあったと思うのです。

最近・・・
日本は、この相手を「思い遣る」心が、稀薄になってきているのではないか?

仕事でも、プライベートでも・・・
そして、政治や経済や社会に至るまで、痛切に感じるのです。

先日、小さい新聞記事に、こんなニュースが載っていました。

「日本の出版社が風刺画を転載した書籍を発行」

それに対し、イスラム教団体が出版を指し止めを求め・・・
「侮辱になる、日本で混乱が起きないよう本が出回るのを防ぎたい。」
と記者会見。
出版社の代表者は出版を強行する姿勢をしめし・・・
「イスラム教を侮辱する内容ではない、出版後に中身を見て判断してほしい。」
と一方的に言い放す。

なんとも、今の日本を形容しているニュースだと思いました。

相手の考えなんて、一切関係ない。
どんな事態を招くのかも考察しない。

あるのは、自己主張だけ。

そんな社会変化が、奇異な殺人事件を多く生み出しているのではないか?

なんの落ち度も不備も無く・・・
一方的に殺された通行人や同級生・おばあちゃん・小学5年生の子供達。
犯人には、相手を思い遣る心は、一寸もありません。

個人的に・・・イスラムでタブーとする風刺画を乗せる出版社も
ナタで見知らぬ子供を殺すニートも
心理が同じだと思うのです。

・・・嫌な世の中になってきました。


政府が福島の避難県民に帰還を諭すニュースや、総理大臣が沖縄県知事を無視するニュース、中東が大混乱の中に日本がその中東に原発を輸出しようとしているニュースには、日本の「良心」が微塵もありません。

道徳もへったくれもない。

それが、伝染病みたいに流行っている。

困ったもんだ。