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2019年11月12日火曜日

言った言わない

私の仕事は
契約の商売です。

すべてが
契約に基づき
進んでいきます。

一般的に契約というと
二人以上の当事者が
「契約書」を取り交わし
その書面の条文に基づき
合意した約束事を
履行していくものと
考えられています。

でも、法的には
当事者間で
「それ、買います」
「じゃあ、売ります」
という口約束で
契約は成立します。

互いに深い信頼があれば
口約束で十分。
日本の古い商慣習では
この考えがあり
口約束での取引が
現代でも残っています。

住宅業界でもその傾向があり
古くからの一人親方や
様々な職人方は
住宅の一部工事を請け負う場合
契約書等は交わさず
「100万円以内でやってくれ」
「了解!やってみる」
というような
請負契約を取り交わします。

取り交わしたとしても
口約束ですから
実際に100万円で
思い通りの仕事をしてくれるかは
分かりませんし
逆に請け負った方は
仕事をした後に
100万円をもらえるかどうかの
心配が残ります。

これは、互いに
「彼なら大丈夫」という
相手への信頼と
「何かあったら自分が責任を負う」
「自分で尻を拭く」
という、職人気質(自分への自信)があって
初めて成立すると言えます。

さて、本題です。
一般の人が夢のマイホームを建てるとき
住宅を一から設計し
その設計に
自分の夢を一つ一つ
実現していく必要があります。

打ち合わせを何度も重ねて
設計者に自分の夢をぶつけ
それを形にしていく作業を
数か月つづけていくのですが

設計が終わった後も
現場での打ち合わせが続きます。

ネット上のSNS等には
マイホームを初めて建てた人々の
失敗談が数多く紹介されています。

そのほとんどが
「言ったことを反故にされた」
「言った通りにならなかった」
「約束が守られなかった」
「思っていたのと違った」
というようなもの。

これらのほとんどが
お客様と工事店の
口約束によるものです。

一般の人は、住宅の素人なので
設計事務所やハウスメーカーや工務店を
100%信頼します。
初めて家を建てる人と
今まで何百件も家を建ててきたビルダーですから
その構図は仕方がないと思いますが
ただし、お客様に接するのは
実際、ビルダー本体ではなく
一営業マンだったり
一設計者だったり
一現場監督です。

大手ビルダーで家を建てるとしても
窓口である営業マンが「無能」だった場合
口約束は「凶器」となります。

事後・・・
必ず「言った言わない」で揉めることとなり
せっかくの夢のマイホームが
夢の入口で悪夢に変わってしまい
その後の生活にずっと尾を引いてしまう。

ただ、小さい打ち合わせ事を
いちいち契約書面にすることは難しい。
とくに現場でのやり取りは、困難です。

打合せ記録を相手が取っていたとしても
それを紛失されたり、改ざんされては
元も子もありません。

そんな時、身を守ってくれるのは
「メール」です。
自分の要望や約束事は、メールしましょう。
メールを残すことで
過去にさかのぼって
「自分がどういう要望を出したのか」
「相手がどういう返事をしたのか」
それが、日時と共に明らかとなり
必ず、相手にも記録として残るのです。

それでも、約束を反故にされたりします。
でもその場合
メールが証拠となります。
ビルダーは言い逃れは出来ないでしょう。

出来る限り
打ち合わせ内容をメールで確認する。

これから家を建てられる方
参考にしてくださいませ。


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