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2018年5月28日月曜日

街の自立

まちといっても
町と街では、根本的に異なります。

でも、言葉で発すると同じ「まち」となるので、なんとも解りにくいですね。
街は、コミュニティーで
町は、区分け区切りです。

だから、「街の再生」と「町の再生」では、まるで違う意味となります。


国や県や市が公共事業として行っているのは「町の再生」です。
道路や歩道は広くなるが・・・
巨大資本に頼ることにより郊外のショッピングモールばかりが増える。

町の再生が進めば進むほど、地場の生活の中心だった商店が打撃を受け
シャッター街が増え続け
地場の商店街は壊滅し、小さな街が機能しなくなる。
ドンドンと疲弊し、人が流失しつづける結果となっています。

本来必要なのは街の再生なのですね。
それは「コミュニティーの再生」であり
人と人とのつながりを再生することとなります。

富士通総研研究員の上田さんが新聞でこんなことを言っていました。

東京には数百の超高層ビルが存在し
天空に無数の人が働き
そして暮らすようになった。
一方で大災害の教訓から
建物へ期待される物事は変わりつつある。
東日本大震災では
東京も高層ビルやマンションでエレベーターが動かなくなり
断水が発生し、生活に支障が生じた。
山間地域の集落が孤立した熊本地震のように
高層ビルも限られた上下の流れを失えば
「山岳地帯」と同じである。
高層ビルや高層マンションは
こらからは、人やシステムの連携によって
建物や空間を多機能に強化し
それ自体で「自立した街」を創っていくべきである。

仙台市で行われた世界防災フォーラムでは
マルチステークホルダー型防災が「日本の伝統」として
世界で普遍化された。
「全ての人が取組み、全ての人を守る。」という事ができるよう
その対話を始めるときである。

「東京砂漠」じゃないですが・・・
人と人とのつながりが全く無い都会の生活では
熊本の震災のように、人と人が助け合うことを望むのは難しく
また、何年たっても復興は進まない熊本の惨状は
現在の政府も公共も頼りに出来ないことを表しています。

今、都心に直下型の大地震が起こった場合
公共自体が機能不全となる可能性が高い。
そうなると、誰も自分や自分の資産を守ってはくれない。

備えあれば憂いなし。
でも、それは水や食べ物だけではなく
人と人との助け合える下地造りであり
マンション居住者やビルのオーナー間でコミュニティーを形成し
自分たちの力で危機に対応できるようにしないといけない。

そう、仰っているわけです。

この東京新聞の記事がなんだか喉に刺さった魚の骨のように
私の心にひっかかっていたところ
先日、こんな記事を発見しました。

「鎌倉資本主義」

暮らしやすさと人のつながりを地域の大切な資本ととらえ
「幸せ度」を高めようという取り組みが、鎌倉市で進んでいる。
競争原理による資本主義経済から一歩抜け出し
地域が企業と協同して
全体の豊かさにつなげる、名付けて「鎌倉資本主義」だ。

なにそれ?
鎌倉市民として、全く知りませんでした。(^^;)
その中心としてオープンしたのがこれ!!
「まちの社員食堂」
https://kamakura-shashoku.machino.co/


(画像はkey-architectsさんより)

今年4月にOPENしたそうです。
地元の飲食店31店が週替わりでメニューを提供。
市内22の企業や団体、市役所が運営にあたる。

「食でつながりが増えればハッピー」
「人が集まれば、新しい発想が生まれる」
「地産地消の新しい形」
「新しい資本主義の取り組みの一つです」

そう仰るのはこの取組の中心人物である
『面白法人カヤック』のCEO柳沢大輔氏。
https://www.kayac.com/vision/kamakura

ほほ~
面白~い。

街の再生の本質を鎌倉で見るとは・・・!!

柳沢さんは44歳。
私と同じ年だね。

一緒に酒でも飲んでみたいな。(^^)
楽しそうだ。
あ、なるほど。
これが全ての原動力なのかも。

「面白そう」「楽しそう」
これがなければ、現代人は動かないのですね!!
そして、公共事業に欠落しているモノですね。
町内会や自治会にも見当たらず
もちろんマンションの管理組合にも微塵もない。

だから若者たちが離れていく。

そう考えると面白法人という名前は、まさにですね。
なるほど!

日本の未来を切り開く力は・・・
「面白そう」「楽しそう」なのか!!

ますます、柳沢氏に興味が湧くのです。
同じ柳ですし。(^^)


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