素材や建材、住宅設備等、色々ありますね。
でも、私、個人的に「手間」だと思っています。
「手間がかかる」という言葉があります。
これはイコール「お金が掛かる」となります。
そりゃ、材料費もバカになりません。
ただし、幾ら良い材料を使っても、それを加工する職人が未熟では意味がありません。
材料の良し悪しに関係なく、手が悪ければ酷い仕上がりになります。
大工さんを筆頭に・・・
左官屋
板金屋
タイル屋
家具屋
建具屋
ペンキ屋
表具屋
畳屋
etc
「熟練された技術」が、良い住宅に結びつくのです。
お金は、すべて比例します。
すべての良し悪しに対して、比例します。
悪いものは安い。
良いものは高い。
人間界の原理です。
しかし、難しい事に・・・
高くても悪い物は一杯あります。
その代り、安くて良いものは、滅多にありません。
これも、人間たる所以です。
ここを、皆、解っているようで全然解っていないような気がします。
だから、「安くて良い」と言われる物に、簡単に飛びついてしまう。(汗)
また、「時は金なり」という言葉があります。
世の中に吹き荒れる「コストカットの嵐」
手間が掛かる=時間がかかる
よって、儲けている住宅メーカーほど・・・
手間がまったくかからない。(笑)
某、一流メーカーは、上棟してから1ケ月で家が完成します。
我々木造の在来工法は、丁寧にやったら最低3ケ月かかります。
時間にして3分の1です。
つまり、手間を3分の1削った訳です。
結果、一企業で数百億円の純利益を上げている。(失笑)
先日、当社の注文住宅T様邸。
下屋の軒天を、杉板で張りました。
1階の部分に30㎡の大きな下屋根がある家です。
その軒天、ケイカル板(写真の白い板)を貼って仕上げる予定でしたが・・・
急きょ、お客様のご要望で杉板を張ることとなりました。
準防火地域なので、軒天は不燃構造としなければなりません。
よって、ケイカル板を下地に張ります。
(通常、これで仕上がりです。)
ここで、選択肢があります。
①大判の化粧パネルを張る。
②幅3尺・長さ6尺の羽目板を張る。
③板を一枚一枚張る。
手間は③>②>①となります。
当社は、③を選びました。
更に選択肢があります。
①イモ張り
②馬張り
③乱張り
手間は③>②>①
大工が、③を選びました。
これで、手間が6倍以上に跳ね上がりました。
でも、熟練の大工さんです。
一枚一枚、完璧に手際良く張っていきます。
そして、今度は壁です。
壁は、ガルバリウム鋼板の家です。
しかし、下屋の内側は雨が当たりません。
一部を板張りにすることにしました。
ここも、防火下地を施し、その上に板を張る必要があります。
簡単にやるのであれば・・・
軒天に張った同じ杉上小の本実一枚ものをはるところです。
でも、それだと山小屋風になってしまうな~。
ということで、大工さんと材料を探しまくり・・・
ウェスタンレッドシダ―の羽目板にすることにしました。
定価、㎡1万円の高級素材です。
26㎡ありますので、定価計算で26万円の追加です。
住宅メーカーであれば、26万円をそのまま請求することでしょう。
でも、当社は、お客様の予算内で収めることに。
施工は、入隅、出隅と複雑な収まりでとても難しい。
これを、大工の井関さん、4日掛けて完璧に収めてくれました。
軒天と袖壁の板張りで、1週間以上を要しています。
そこに掛けた手間が・・・
住宅の意匠となって、家を彩ります。
玄関のポーチで、森林浴をしているかのよう。
玄関を入ると、上がり框に付け框が目立ちます。
玄関と隣接するガレージが土間となるので・・・
総延長15mを超える框となります。
ここも既製品を使わず、タモの集成材で大工さん造作。
室内側の出隅は、靴下が引っかからないように框を芋収め
室外側の出隅框は、留収め加工
ここも本来は無垢板で行きたいところですが・・・
将来痩せて隙間が出来てみっともないので、集成材としました。
壁が乗る袖なので、半分以上隠れる箇所です。
たかが框です。
普通の家は、既製品をパッと付けて終わりです。
でも、手間を掛けると、仕上がりは雲泥の差となります。
この框は、後日、石井塗装さんが、オスモオイルを塗って仕上げます。
これも、既製品を使えば必要のない手間ですね。
さて、ここまで紹介して・・・
さぞ、高い家だろうと思われると思います。
メーカーさんでここまでやったら、坪100万円は取るでしょうね。
でも、弱小工務店の我々は、そんな真似できません。
お客様の予算内で、メイ一杯の努力となります。
・・・
人間味がありますでしょ??
住宅は、手間がかかるものです。
時間を掛けるものです。
ここを削ってしまったら、素っ気ないでしょ??
当社はコストカットに走らず・・・
手間と時間をかけ・・・
良いものを安く(それなりに)
出来る限り、頑張っていきまっせ!!
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