東京新聞で「この道」を連載中で
ツールなのだなと
昭和の時代は稀でした。
SNSが普及した現在
このブログのように
誰もが気軽に書き残せて
サーバーが無くならない限り
永遠に残り
読まれ続けるとなると
東京新聞の『この道』より
第86回目を転載します。
私もこの格言を胸に
生きてきてます。
あらためて、良い言葉だと
思い巡らせています。
2021年5月31日、東京新聞の「AtoZ」
『変る銀行の認知症対策』を転載します。
人生百年時代への対応として
一つの形を示せた。
全国銀行協会の三毛兼承(MUFG会長)は
今年二月、銀行界の指針を公表した際に
こう述べた。
認知症で意識能力が低下した人は
所有する預金を金融機関に
厳格に管理されてきた。
例えば・・・
本人が親族と同行して銀行に訪れ
「引き出したい」と伝えても
認知機能に疑いがあると
窓口で判断されたら
口座からお金を出すことが
出来なかった。
『預金は預金者本人のもの』
という大前提があるためで
銀行は、認知症の疑いがある預金者
又は、その親族に対し
出金したい場合は
成年後見制度の利用をうながしてきた。
今回の銀行界の『指針』は
こうした運用を緩める内容だ。
具体的には・・・
本人との面談や
担当医への聞き取りや診断書で
『認知症の発症』が確認できれば
後見制度を利用しておらず
代理人に指定されてもいない親族に
「極めて限定的」に
預金の引き出しを認める。
使い道は・・・
本人の医療費や
本人の利益にかなう場合に限る。
投資信託などの解約も認める。
全銀協は、あくまで方針を示しただけで
実際にどう対応するかは
各銀行の判断とするが
いち早く動いたのがMUFGだ。
預金者が認知症になる前に
『代理人』を指定し
発症後に代理人が診断書を提出すれば
預金の引き出しや
株売却などの取引きが出来るサービスを
今年3月に開始した。
代理人は、配偶者や二等親以内の親族で
自治体のパートナーシップ制度の
利用者も認める。
これまでにも各銀行には
本人が指定した代理人に
キャッシュカードを発行し
預金引き出しなどを認めるサービスはあった。
MUFGの例は、
認知症の発症した段階で
初めて代理の効力が生じる点が
特徴となる。
銀行界が従来の姿勢を転換したのは
成年後見制度の利用が
全く進まないためだ。
2020年末に
成年後見制度を利用するのは
約23万2千人。
一方で認知症の人は
約630万人に上り
利用率は、たった3.6%に留まる。
利用率の低迷は
費用や手続きの煩雑さに
問題があることが要因となっている。
親族が後見人に就きたいと
考えても、選ぶのは裁判所の裁判官で
親族が選ばれることは稀で
大半が弁護士や法律の専門職が
選出されている。
本人の資産が多額だったり
相続人などの利害関係者が多い場合は
特にそうだ。
後見人には、月に数万円の報酬を
支払わないければならず
弁護士らを選任された親族は
「なぜ、他人に管理されなければならないのか?」
「なぜ、身内の財産管理に金を払うのか?」
との不満が根強い。
親族が後見人に就いても
年に一度
本人んお財産状況を通帳の写しを添え
裁判所に報告しなければならず
50万円以上の商品購入や
50万円以上のサービスを受ける際は
事前に裁判所に連絡したりといった
手続きが必要となる。
また、親族としての立場より
後見人としての立場が優先されるため
「贈与」を受けることが
一切出来なくなる。
親族が後見人に就き
裁判所の下で本人の財産を
信託銀行や信用金庫から
引き出す制度も利用が進まない。
厚生労働省の推計によると
認知症の人は
2025年には730万人
2030年には830万人
と増え続け
高齢者の2割を超える見通しだ。
認知症の人の金融資産は
去年度時点ですでに
『160兆円』にもおよび
2030年度には215兆円となり
個人が持つ資産の『一割』を占めるという
民間試算も存在する。
これほど多額の資産が
本人の意思が確認できないという理由で
凍結されると、様々な問題が生じる。
第一は・・・
医療費や福祉施設への入居費を
本人の預金では払えず
年金すら引き出せないことだ。
金融機関には
多くの不満が寄せられている。
結果、株式市場などへお金が流れず
消費も先細っていく。
銀行界が対応に乗り出したことを
歓迎する声は多い。
ただ、全銀協もMUFGも
『後見制度の利用』
をうながすのが基本方針で
後見人ではない代理人との取引は
「補完」という位置づけだ。
公的制度を民間が代替えすると
今回の指針には問題点もある。
親族らが引き出した預金を
本人の利益のために使ったか否かを
確認するための仕組みが不十分な点だ。
本人が元気な時に
自ら代理人を選らび
判断能力が低下した場合に
財産管理を託すMUFGのサービスは
仕組みに関しては
法律に基づく任意後見制度と
同じ内容だ。
ただ、任意後見制度は
裁判所が選んだ弁護士なおが監督人に就く。
監督人は、後見人を監視し、
財産目録を定期的に提出させる。
本人の利益を保障するためだ。
これに対し、MUFGは
本人と代理人が委任契約を結ぶこととなるため
銀行が間に入って
使途を制限する事は無いとしている。
全銀協の指針も
本人が選んだ代理人が
本人の利益の為にお金を使うところまでは
求めていない。
金融機関が今回の取り組みを
進めるきっかけとなった大きな一つには
「医療費なのを本人の預金から払いたい。」
「でも実際は出来ない!」
という声だ。
その解決には、金融機関から
支払先に直接、お金を振り込む手段もある。
各信託銀行は有料の
『認知症対策サービス』として
代理人を介さない
直接振り込みのサービスを
設けているところもある。
ただこうしたサービスは
数百万円以上の資産を預ける事が
条件となる。
以上
今・・・
日本には、630万人もの
認知症者がいるのですか。
「日本人は2人に1人が癌になる」
と言われていますが
75歳を日本人が認知症になる確率は
『5人に1人』となる世の中なのだそうです。
自分の親が認知症になるなんて
考えたことがないですが
逆に言うと
長生きをする親を持つ子の5人に1人が
親の認知症に直面することとなる訳です。
ある日突然、母が痴呆になり
多額のお金が必要になっても
親の生活費すら預金口座から
引き出すことが出来なかったら
死活問題ですよね。
ゾッとします。
でも、皆、その事実を知らず
全く認識していない。(^^;)
第二次ベビーブームに生まれた我々。
そして、団塊の世代の親たち。
これからが、超高齢化社会の本番です。
日本国として
立ち向かっていかなければなりません。