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2020年11月1日日曜日

大谷石の擁壁補修2

まず、不安定な大谷石の笠木を
すべて取り除き

大谷石の裏込めのコンクリートに
鉄骨を「差し筋」して
それをベースに横に鉄骨を渡し
型枠を組んで
ベースのコンクリートを打設します。


これが新設するブロックの土台となります。


その上にブロックを2段積み
養生の間に、大谷石に取り掛かります。


1日目・・・
風化している表面を
カキ落として行きます。


綺麗に掃除をした後
ローラーで「シーラー」を塗って行きます。


シーラーは、石の表面に幕を張り
塗料やモルタルが染み込まず
塗装時に塗料が乗りやすくなります。

また、ヒビを塞いでくれてる役目もあり
さらに、表面を固めてくれる優れものです。

2日目・・・
新設したブロック部分に
モルタルを塗っていきます。


3日目・・・
大谷石の目地を
モルタルで潰します。



4日目・・・
大谷石部分の粗塗りをします。



大谷石自体に凹凸があるため
最終の仕上がりがキレイになるよう
でっこみ引っ込みを調整しながら
モルタルを塗っていきます。


その粗塗りにファイバーメッシュをあてがい
塗り込んでいきます。

ここで表面も平らに鏝で抑えていきます。
まだ「下塗り」です。



5日・・・
さらにモルタルを塗り重ねて
表面を平らに仕上げます。

中塗りですね。




8日目・・・
2日開けて乾かして
いよいよ仕上げていきます。

仕上げ材は、建物の外壁と合わせ
外壁材の「ベルアート」です。

まずは、仕上げの下塗り。


この後、木鏝と金鏝を使い分けて
仕上げ塗りとなります。

そして、道路養生をばらして完成。



外壁と色が違うのは、塗りたてだからです。
数日たてば、
全く同じ色となります。

大谷石は、その石だけでは
構造として成り立たないため
石の裏側に「コンクリート」が
200mm厚以上打設されていることが殆どです。

よって、表面が風化していても
問題がないケースも多く
このように補修をしてあげれば
また長く擁壁として機能します。

ここまですると・・・
総工事費は100万円は越えてしまいますが
作り替える事を考えれば
工期も10分の1ぐらいで済みますし
金額も5分の1程度です。

もし、同じような分譲地で
「自然石擁壁」にお悩みの方が
いらっしゃいましたら

ご相談くださいませ。

2020年10月31日土曜日

大谷石の擁壁補修

鎌倉市は、その昔
居住区がとても少なく
市内のほとんどが緑地だったそうです。

昭和40年代に多くの山が切り崩され
いたる所で大規模開発がされ
今の各地域の街が形成されています。

小さな山が重なり合い
その谷間に川が流れていた場所を
切り崩し、擁壁を作り、埋め立てて・・・
「よくもまあ、こんなところを造成したな」
という場所ばかりです。

当時は、財閥系のゼネコンが
こぞって鎌倉を分譲し
100区画を超えるような造成も
飛ぶように売れたそうです。

先日も当社が買い取った土地にて
元所有者のご老人が
当時の事をこう言っていました。

「ここの分譲地は3期に分かれて販売されたんだ」
「でも、すべて販売当日に全区画が完売したんだよ。」

当時は、山林は二束三文だったことでしょう。
金をかけて造成すれば
100倍以上のお金に化けるのであれば
浄明寺や二階堂にある
凄まじい造成地も
納得する事が出来るのです。

当時、古都という景観を守るため
開発造成に自然石が多く使われているのも特徴です。

「玉石擁壁」や「大谷石擁壁」です。

この自然石が・・・
現在、とても厄介者となっています。

特に「大谷石」の擁壁は
築40年も経つと
表面の風化が始まり
ボロボロと表面がはがれているものが
とても多く、我々を悩ませます。

その昔、景観を守るために
多く使われた自然石が
今では、鎌倉の景観を落としている
原因となっている訳です。

本来であれば・・・
単純に造り変えてしまえばよいのですが
そう簡単ではありません。

取り壊すだけで、数十万円かかり
新しく擁壁を組みなおすとなると
数百万円~数千万円の
大工事となる事もさることながら
鎌倉は、規制がとても多く
日本有数の厳しさで
許可と調査が重なり
物凄い時間を要することとなります。


先日、当社が手掛けた
常盤の旧分譲地の一画。


当社が買い取ったときは
こんな形状で古屋が建っていました。

鎌倉で本当に良く見る「大谷石」の擁壁です。

白く見えているとことが
風化して表面がはがれている部分です。

設計を依頼して
現地を見た建築家の伊藤先生は
「丸く切り出していて、美しい大谷石」
「このままにしておきたいですね」
と、おっしゃられました。

確かに大谷石の風合いが出て
自然美を感じます。

古屋の解体をして



新築住宅を着工。
4カ月後、外装がすべて完成し
足場を外し、外部シートを取り除きます。

擁壁だけだと「風化の美学」とでも言いましょうか?
古さが美しく見えるのですが
新しい家が対比として存在してしまうと
やはり、痛みがとても目立ってしまいます。



玉石や間地擁壁であれば
『洗浄』という手段があるのですが
大谷石は、高圧洗浄すると
表面が限りなく剥がれてしまうので
洗う事は出来ません・。

上からペンキで塗るのもNG。
凹凸が激しく、綺麗には絶対になりません。

ということで・・・
当社は、左官職人の飛鳥工業さんに相談し
建物の外壁と同じように
モルタルで仕上げることとしました。

つづく

2020年10月30日金曜日

鬼滅の刃

最近・・・
どこにいっても「鬼滅の刃」ですね。

飲食店にいっても
コンビニに行っても
スーパーに行っても
ショッピングモールに行っても
コラボ商品を大々的に売り出していて

普段、滅多にみなかった
「鬼」という文字を
見ない日はありません。

空前絶後のヒットだそうで(^^;)

鬼滅の刃のパッケージにするだけで
商品が倍売れる。
鬼滅の刃の缶バッチが当たるだけで
お寿司屋さんが倍儲かる。

その様子を・・・
マスコミが一斉に報道し
さらに映画を「空前の上映数」と
上映前に大報道し
上映が始まったら
コロナの感染者数と同じように

「30億突破」
「100億突破」
「動員数700万人突破」

と、連日、朝から晩まで紹介し
すべての媒体で取り上げています。

このスパイラル現象は
コロナ報道と同じだな~と
個人的に目を丸くしています。

日本人の特性は
右向け右なんですよね~。

それほど騒ぐアニメかしら?

「原作漫画」を子供に買わされ
全て読みました。
テレビアニメも
子供とアマゾンプライムビデオで
全話見ましたが

全盛期の週刊少年ジャンプで
私達の昭和世代が夢中になった
「キン肉マン」とか
「聖闘士星矢」とか
「北斗の拳」に比べたら
独創性もなく
新しさも全く感じないのです。


ですが・・・
マスコミの一斉報道のおかげで・・・

発行数が減り続け
キン肉マン・聖闘士星矢・北斗の拳が
連載されていたころの
3分の1以下まで発行部数が落ちた
週刊少年ジャンプの中で
ひっそりと連載されていた
コアなファンだけだった漫画を
全国民が認知しました。(^^;)

そして、マスコミがこれだけ騒ぎ
「皆が見に行っている!」
と報道すると
「あ、私も見に行かないと話題に乗り遅れる」
と、だれもが思うのでしょう。

きっと生涯触れ合うことがなかったであろう
60才以上の方々が
皆、映画館に足を運び
この子供向けのアニメを見ているというから
驚きしかありません。

先日、近所の75歳のおばあちゃん方が
井戸端会議をしているところを
通りがかり、あいさつしました。

彼女達の話の内容も鬼滅の刃でした。
A「映画見た?」
B「見たわよ~。孫と。」
C「私は、先日、一人で見に行った。」
B「泣いちゃった。」
A「本当?あら、私も見に行かなきゃ。」

凄いですね。
やはり、日本は・・・
まだまだ、テレビのちからは絶大のようです。


驚くことに
新聞紙面も鬼滅の刃で持ちきりです。

昨日の東京新聞でも
鬼滅の刃が見開きで
なぜこれだけブームになったのか
精神科医や大学教授など
様々な専門家が真剣に分析し
記事となっていました。

「主人公の純真さが日本人らしい」
「内容が簡単で解りやすい」
「家族の絆が日本人の琴線に触れた」
「日本各地に鬼伝説があるため、なじみ深い」
「登場人物がみな苦難を抱え、感情移入してしまう」

明治大学の氷川教授は
こんなことを言っていました。

真っすぐさがウケている。
自分さえよければ良いという
自己中心的な風潮がある
現代の世の中で
鬼滅の刃の登場人物は
逆の考えを持つ。

子供は、おかしなことに
ダメと言える大人を求めてるし
大人も本当は
炭治郎たちのように
真っすぐ生きたいと思っている。

そうした部分に
世代や性別を超えて
勇気づけられているのだろう。

そうかな~?
漫画やアニメの主人公って
基本的に
みんなそうですよね?
鬼滅の刃に始まった事じゃ
無いと思うんだけど。

とにもかくにも・・・
個人的には「広告宣伝の勝利」
だとしか、思いません。

漫画本も
子供からせがまれ買おうとしたら
当時、どこもかしこも売り切れていて
泡食いました。

売り切れていたり
中々手に入らなかったりすると
人って購買意欲が沸騰するものですね。

ネットで手に入らないので
本屋を10件ばかり周り
どうにか飛び飛びで12巻まで手に入れ
息子に「あとは無理かな~」というと
絶対欲しいと嘆願され
私は「子供のために」と気合がはいり
その後は、1巻1巻
ヤフオクやラクマで手に入れて。(TT)

この手法・・・
だれがこのコンサルをしたのか。
だれが仕掛けたのか。
凄い人が居たもんだと。

その仕掛けだけで・・・
300万部しかうれていなかった漫画が
瞬く間に1億部売れて
映画の興行収入は300億円越えが
確実と言われています。

私は、そこだけに興味深々です


2020年10月29日木曜日

上棟

今日は、鎌倉市笛田5丁目にて
住友不動産販売さんにて販売中の
https://www.stepon.co.jp/kodate/detail_10722022/
建売住宅「笛田No2」の
上棟を行いました。


愛媛産のヒノキ柱で建てる
在来工法の住宅となります。


私は現場人間で・・・
今までは、必ず上棟に立ち会っていましたが

お盆休みが明けてから
買取依頼がとても増え
さらに注文住宅のご依頼も頂き
契約書の作成に追われ
付随する書類作成と
それら書類整理が溜りにたまっており

今日は、朝から晩まで
会社に缶詰めとなり
大っ嫌いな「数字」と向かい合いましたが
直近で10件ほど
片付けなければならい
書類の作成と整理が
1件しか終わりませんでした。(TT)

よって、現場に全く行けず
悶々としております。

理数系の能力を持ち合わせていない
私にとって一番大変なのが
建物の見積もり作成です。

利益を出そうとすると高くなり過ぎ
安くしようとすると利益が出ない。
職人方の手間や材料の換算
パソコンに張り付き
何時間も数字との闘いで
すでに頭がパンクしそうです。

まあ、私が現場に行かなくても
現場監督の村山と設計の善波がいるし
あとは腕の良い大工さんばかりなので
任せておけば大丈夫。(^^)

無事、屋根まで上がりました。


写真は、村山が撮影してきたものを
私が事務所で見て
加工しております。(^^;)

今後、こういう体制で
数年は流れていきそうです。
私の「現場好き」さえ改めれば
何ら支障はありません。

ただ、大嫌いな「数字」に向き合い続けて
私が我慢できるか?
そこだけが、大きな問題です。

2020年10月27日火曜日

鎌倉カフェテラス「樹ガーデン」2

樹ガーデンで有名なのが
このコーヒーゼリー。


日本とは、とても思えない
素晴らしい景色の中
こんなランチを妻としていると

昔の事を思い出すものですね。(^^;)
昨日のブログの続きです。

会って3回目で
なぜ、私が年上の妻に結婚を申し込んだか?
決め手になったのは・・・
こんな思考でした。

彼氏が居る女性です。
しかも、同棲しています。
それをたった2回会った年下の男性に
突然、口説かれたわけです。

しかも「すぐに別れてこい」と言われた。
実際、別れても
この年下の有象無象かもしれない男が
その言葉に責任を負うかも解らないわけです。

なのに・・・
「分かった」と一言だけ頷いて
次に合う時までに
全てを清算してきたのです。

普通の女性の場合・・・
「別れたいから手伝ってほしい」
と、なると思います。
どんなに気丈な女性でも
「別れて来たから、一緒に住まわせて!」
と、我が家に転がり込んで来ようと
するパターンでしょう。

それを・・・
妻は、一人で話し合い
しかも、その男性と話が付かないとみるや
自分から同棲していた家を出て行って
遠く離れた浅草の場所に
自分一人で不動産屋をめぐり
賃貸契約をして
部屋を借り一気に引っ越して
解決してしまったんです。(^^;)

その気苦労や労力たるや
物凄いものだったと想像できます。

それなのに・・・
3回目に私と会った時
たった一言、笑顔で

「別れて来た」
ですよ。
これ、惚れなくてどうするって話です。(笑)

しかも私が彼女から聞いたのは
今の今まで
「話が付かないから、私が部屋借りて出て行った」
の一言だけ。
それ以降、この別れのくだりを
妻の口から聞いたことは
一回もありません。

普通、「自分がどれほど苦労したか」を
知ってほしい生き物でしょ、女性って?
どれだけ男気が強いのかと(^^;)

そこからは、早くて・・・
1月に結婚式の日取り決めて
3月に山形のご両親に挨拶。
6月のジューンブライド。

11月に知り合って
12月にプロポーズして
だから、実質
ほとんど付き合っていない訳です。

なんで唐突にこのブログで
こんな話をしたかというと
妻の実家の山形での話に繋がります。

妻の両親に「娘さんを下さい」と
挨拶をしに行った時
お義父さんからは
「ずいぶん年食ってるけど・・・、良いの?」
と言われたのを、覚えてます。(苦笑)

ご挨拶をしたあと、お義父さんに
山形県天童市の街を案内してもらったんです。
その時、天童市のことの細かいところまで
説明してくれるお義父さんに
「凄い知識ですね。」
と、私がポロッと言ったんです。

すると、父、顔色をかえて
「自分の町を知ることは、ビジネスマンとして基本中の基本だ」
と、お叱りを受けたんです。
お父さんは、元銀行マンで
3年に1回の転勤で、様々な町に務めたそうです。
そこで、一番最初にするのは
その街を調べ、良く知る事。

観光スポットから
名産品や特産品。
ランチが美味しいお店や
ディナーが美味しいお店
商店街から夜の街もそう。

それを知らなくて
その街でビジネスは出来ないだろ?

「君も不動産屋だから、俺の言ってること解るよな!」
「君も鎌倉の事は、何でも知ってるだろ?」
「こんど鎌倉に行ったときは、よろしくな!」
そう、笑顔で言われたのです。

「あっ、は、はい!」と言いながら
瞬時に私の顔から血の気が引いたのは
言うまでもありません。

それから12年経ちます。
そして、いまだに、この体たらく。

知らない店に訪れるたびに
あの気色ばんだお父さんの顔を思いだすのです。

鎌倉、まだまだ知らない事だらけ。
山形のお父さん、私、ダメビジネスマンですね。(TT)
申し訳ありません。

とにもかくにも
樹ガーデンは、素晴らしい所でした。
おススメです。