古屋解体中の土地は
基礎も含めすべて取り除き
ほぼ更地となりました。
これで終わりなのですが
区画整理地や造成地の場合は
そうは問屋が卸しません。
鎌倉市は、昭和中期に区画整理された
街がとても多く
その場所が平地の場合
造成される前
「畑」「田んぼ」だったという
ケースが殆どです。
鎌倉市の中でも
一二を争う人気のベットタウンである
地名「玉縄」「岡本」も
昭和40年代に田畑が埋め立てられ
区画整理された街です。
昭和50年代の建築は・・・
家を建てる際
地盤が強いか弱いかを
区画整理された直後に建てられた
年号が「平成」に入ってからは
地盤調査が標準化しており
大手住宅メーカーでは
地盤補強を行うことが当たり前となったため
築30年前後の家が建っている
又は建っていた土地の場合
「地盤補強がされているのか?」
「地下に杭があるのか?」
とても重要となってきます。
なぜか?
新しい家を建てる際
今の建築基準法では
地盤調査を必ずしなければならず
その調査結果が「不良」の場合
地盤補強が必須となり
補強をしなければ
住宅を新築をすることが出来ません。
既存の地盤補強を
新しい家に利用できれば良いのですが
杭は、新しく建てる建物に対し
専用の計算を行い設計をします。
よって・・・
既に埋まっている杭は
どんなに頑丈なものであろうが
単なる邪魔な物となってしまい
撤去作業をることとなります。
地盤補強は様々な種類があります。
鋼管杭が一番対応しやすいですが
「コンクリートによる表層改良」や
「コンクリートによる柱状改良」の場合
撤去費用が最大で1000万円に
およぶこともあるので要注意となります。
この「杭問題」は・・・
平成の後期から令和に入って
大きな問題となっています。
ただ、認識は全くされておらず
買う側も売る側も
更には仲介者となる不動産業者も
問題意識が希薄です。
土地に対しなんら調査や確認もせず
さらに重要事項で説明もなく
不動産売買されている。
ここ数年の間で・・・
引渡し後に地盤補強があることが発覚し
それを知らされていなかった買主が
売主や不動産会社相手に訴訟を起こし
1000万円もの賠償金が認められた
裁判の判例が多くあります。
怖いです。(^^;)
当社は分譲業者です。
よって・・・
立地や周辺の状況
また、建物の建築時期や
建設した業者名によって
「この土地は地盤補強してある」
と予測することが出来ます。
本地は
売主様からも仲介業者からも
「杭がある」という説明は
一切ありませんでした。
ただ、既存建物は大手メーカー施工で
築年数は24年前後です。
私は「間違いなく入ってるだろう」と
予測の上で購入しました。
建物の解体が終わる前に
解体業者の不動マネジメントさんに
https://fudo-m.com/
「たぶん、杭が出てくる」
「杭を潰さないように表してほしい」
「その時点で位置の計測をする」
と依頼。
不動マネジメントさんは慣れたもので
「杭頭を全部掘り起こします」
と、快諾してくれました。
結果・・・
不動マネジメントさんが
杭の頭が出る高さまで
敷地をすべて掘り起こして
赤色でペイントしてくれました。
杭の位置を一本一本計測し
測量図に落とします。
この辺りの土地は「支持層」が
地下8mを超えるため
この杭は、一本一本
地下8mまであることとなります。
鋼管杭の太さは、約13cm
先端がドリルの羽根状になっており
大体35cm程度と思われます。
よって、これを引き抜くと
地中8mまで直径35cmの穴が
空くこととなり
地盤を緩めてしまいます。
よって・・・
建物の基礎に影響がない高さまで
一本一本、切断します。
地下1m以上掘り返し
鋼管杭を一本一本露出させ
地下1mのところでマーキングし
ガスバーナーで焼き切って行きます。
焼き切ったら、埋め戻し
また一本、掘り返し
焼き切ったら、埋め戻し
その繰り返しを39本行います。
この作業は、すべて・・・
不動マネジメントさんが請け負ってくれました。
急きょの対応、有難うございます。
カッターでやると騒音が大きいので
ガスバーナーでの作業でしたが
これが結構時間が掛かります。
下記、動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=gelI6thXulQ
新しい建物の計画に合わせ
この既存鋼管杭の位置を避けて
地盤補強の設計を行い
新しい建物専用の補強を行う事となります。
つづく