織田信長・豊臣秀吉・徳川家康を輩出した気高い土地です。
戦国~江戸時代の名だたる大名の7割が愛知出身者だったそうです。
さらに、江戸に幕府をつくる際、活躍したのが徳川の三河人。
大工や職人が多く移り住み、江戸の街を一から造った。
つまり、江戸文化を造ったのは、実は今の愛知県人だというのです。
日本人気質という言葉があります。
日本人の象徴として、良くこんなことを言われます。
・几帳面
・手先器用
・丁寧
・こだわり
・気概
・礼節・礼儀
・上下関係(主従関係)
・引っ込み思案
・建前
これらを総じて、職人気質なんとも言いますね。
元となるのが、幕末に花開いた江戸文化といわれています。
粋な江戸っこなんて言葉もありますが・・・
実は、「愛知っこ」な訳です。
つまり、今の日本人像は、愛知人気質が元なんだと。
私、全く知りませんでした。
愛知の事はあまりよく知りません。
でも、古き良き日本人の象徴が、愛知にあるとなると、がぜん興味が湧いてきます。
なんで、愛知の話を突然しているかというと・・・
今でもその名残が、色濃く息づいているのです。
物造りの街として。
愛知は、35年連続で、製造品出荷額が全国一。
なんと、2位の神奈川県の倍以上の数字。
トヨタを筆頭に、様々な大手企業が本社を構えます。
そして・・・
住宅関連企業もとても多い。
マスプロ(アンテナ)
マキタ(木工機械)
アイホン(インターホン)
パロマ(給湯器)
リンナイ(ガス器具・給湯器)
サンゲツ(壁紙・カーテン)
etc
その中に・・・
この話をするキッカケとなる会社・・・
建材を製造する「イクタ」という会社があります。
先日、パナソニックリビングの鈴木さんからお誘いを頂き、パナソニックの建材の展示会に呼ばれました。その中に、勉強不足の私が聞いたことが無い「イクタ」という会社がありました。
そこで、住宅の床材をご提案頂いたのです。
当社は、無垢床を好んで使っています。
よって、「イクタ」さんが造る合板床の話はあまり興味が無く、その時は右から左へと受け流した私です。
その後、パナソニックリビングの鈴木さんからイクタさんをやたらと押してくる。
イクタさんからも度々営業の攻勢を受ける。
我が社は、鎌倉の小さな零細工務店です。
イクタさんからも度々営業の攻勢を受ける。
我が社は、鎌倉の小さな零細工務店です。
「こんなに小さな零細企業に、随分一生懸命してくれるな~」
と思っていたんです。
と思っていたんです。
床暖房と無垢床材は、相性がとても悪い。
「床暖房対応」という無垢の商品も多数ありますが・・・
割れたり、縮んだり、床鳴りがしたりと・・・
今まで使ってきて、普通の無垢床とあまり変わらないのです。
そこで、イクタに問い合わせました。
イクタの床材は、TES床暖房の温水マットの上に直貼りしても大丈夫だとおっしゃる。
そして、変化は限りなく起きないとおっしゃる。
ということで・・・・
使ってみることにしたんです。
使用するのは「ビンテージフロア・ラスティック」という商品。
2mmの無垢の突板と10mmの合板を合わせた
複合フローリングとなります。
表面が2mmの本無垢なので、表情は無垢板と変わりません。
ただし、ユニ(継ぎはぎ)はどうしても出ます。
無垢床の良いところは、木の肌触りです。
無垢無塗装品に植物性オイルをぬってこそ、その肌触りが実現できます。
上の動画は、当社建売住宅に石井塗装さんがオスモオイルを塗っているものです。
刷毛で丁寧に2度塗を行います。
手間暇・お金が掛かりますが、これが一番贅沢です。
仕上がりは、一切ツヤが出ません。木が持つ木肌が素朴にそして美しく仕上がるのがオイルの特徴です。
でも、床暖房は大敵です。
植物性のオイルは、木に吸い込ませるため、塗膜が出来ません。
よって、熱による乾燥がしやすい状況となります。
木は、乾燥をする時に「割れ」「縮み」「反り」「床成り」を起こします。
床暖房対応の商品は、ほとんどウレタン塗装を施してあります。
工場ですでに塗装されて出荷されてくるわけです。
ウレタン塗装品は、塗膜でコーティングされており、5分以上のツヤが付いています。
ちなみに、基本的に塗料は・・・
ツヤ無し
3分ツヤ
5分ツヤ
7分ツヤ
全ツヤ
とあり、・・・
ツヤがあればあるほど、塗膜も長持ちし汚れに強くなります。
なので、ほとんどのフローリングは5分~全ツヤの塗装が施してあり、テカテカしています。
このツヤが、自然の質感を全て殺してしまうのですね~。
でも、イクタのラスティックは、ツヤが無い。
それでいて、ウレタン塗装と同等の、高強度塗装を可能にしたのだとか。
さらに・・
床暖房対応
ホットカーペット対応
耐キャスター
汚れ防止
抗菌
と、なんともうれしい機能が付いている。
そう聞いて、個人的に半分疑心暗鬼。
「本当かな~?」
ものは試しです。
発注後のある日。
現場に行くと、遠藤大工が私を呼びます。
2階に行ってみると、ビンテージフロアラスティックが敷かれていました。
(クリックすると拡大します。)
遠藤大工、一言。
「これ、見栄えも性能も凄いですよ!!」
敷いた床を見ると、無垢床と見栄えも質感も遜色ない。(゜゜;)
遠藤大工、ふた言。
「実はさっき、玄能落としたんですが、キズも凹みも付きませんでした!」
そりゃすごい。
きれいな、ナラの目が出てるな~。
木肌も美しい。
無垢材とは違い、一般的なフローリングと同じ1尺×6尺のパネル型です。
ですが、パネルに見えない。
ほほ~。
これは良いですね。(^^)
ただし・・・
価格は、一等級品の坪単価6万5千円となります。
一般的な建売住宅に使われるフローリングは、2万円前後ですから・・・
3倍を超える超高級品となります。
でも、この床材には、強く職人気質を感じるのです。
物を通して、物造り日本の「意地」というか「気概」がひしひしと伝わってきます。
さすがは、現代の日本の礎を築いた愛知人です。
江戸を造った情熱が、乗り移ってますね。
良いものは、それ相応の金額がします!
これも、とても重要です。
この気概に答えたいわけです。
日本人として。
しっかりとした対価を払い、良いものを使いたい。
安価なものに流されてどうしますか?。
住宅市場でも、安かろう悪かろうの中国製品で溢れかえってます。
でも、日本人が、日本の良いものを買い支えるべきです。
そんな、消費者としての気概を・・・
改めて発奮させてくれる、素晴らしい床材です。
なんだか、少し、日本古き良きの文化に触れた気がして
感動した一日でした。