去年末のこと。
福島県南相馬出身で
約10年前に当社から
新築住宅を買われたお客様より
「こんなこと、許されます?」
と怒り心頭の
メールが送られてきました。
その怒りの先は・・・
福島県が地域活性を掲げ
11月から発行している
『プレミアム商品券』です。
事業名は・・・
「do!浜通りd払いポイント還元キャンペーン」
です。
予算は年間9億円。
令和7年まで続ける予定で
総予算『45億円』の
巨大プロジェクトとなります。
その商品券の仕組みに
大きな問題がありました。
すでに11月から開始されている
商品券の仕組みは・・・
観光客らが
訪れた福島の観光地で
NTTドコモのスマートフォンを使った
バーコード決済「d払い」で
買い物をした場合に
dポイントで還元するというもの。
問題は・・・
①加盟店以外は使えない
②バーコード読み取り専用機器が必要
③dポイントだけが対象
④スマホが無いとダメ
⑤ドコモ払いアプリが必須
⑥現金払いは対象外
⑦他の決済も一切対象外
あまり普及していない
dポイントなので
普通の感覚だと
「そんなポイント要らね~よ。」
となりそうですが・・・
その還元率が物凄い。
原発事故の被災村は30%!
1万円の買い物をしたら
3千円が戻ってきます。
浜通りの3市町は15%!
1万円の買い物をしたら
1500円が戻っています。
また・・・
県外からの来訪者だけでなく
域内の人も利用できるそうで
いわき市の人が
市内で買い物しても
おなじように還元されます。
ここで人間は混乱します。
「なんでdポイントなんだ?」
という事より
「30%戻って来るなんてスゲ~!」
と惑わされてしまい
心理的に「こりゃお得だ!!」と
いう方向に誘導されてしまいます。
これが今
世の中で消費者を惑わす
『ポイント還元マジック』
です。
クレジットカード・電子決済だけではなく
スーパー・コンビニ・ネットショップから
本屋・美容室・床屋・整体・・・etc
ポイント・ポイント・ポイント。
財布にはお金が入っていないのに
皆、ポイントカードで財布がパンパン。
ポイントに取りつかれたかのように
一生懸命貯まるよう努力するようになる。
でも、実際、ポイント還元分は
商品価格に乗っているのですが・・・
話を戻します。
すでに福島県では
このキャンペーンに約3100店が加盟し
全店が読み取り専用機械を導入。
併せて「ドコモ払い」のアプリが
副島県だけで
異常なダウンロード数となっているのだとか。
本来のプレミアム商品券は
対象市町村全員に配布されます。
よって1万円の商品券を自由に
使えたはずです。
なのにNTTドコモの電子決済に
「限定」して高還元化することで
プレミアム感を錯覚させ
さらに「ポイント」という魔法で
お得感を演出し
最後に「加入しないと使えない」という
危機感を店と客へ強烈にあおる。
もう、裏でこの仕組みを考えた
頭の良い『悪いヤツ』の思うがままです。
しかも・・・
普及が伸び悩むdポイント。
(※画像は
impressのHPより)
dポイントは、大きく後れを取っています。
そのドコモ決済に「官」が税金を使い
全力でバックアップ。
だれがどう見ても
一企業への利益供与ですが
それを公然とやってのけているのです。
さらに日本政府は・・・
ポイントで一人勝ちしている楽天を
「中国のスパイ企業」などと
しきりに攻撃しつづけています。
その様は異様です。
(そういえばLINEも韓国のスパイなんて攻撃されてたっけ)
現在、キャッシュレス決済のトップは
ソフトバンクの「PayPay」ですが
PayPayの電子決済システムは
中国のアリババが開発した
電子決済システムを使っていますが
そこに日本政府は、なぜかアンタッチャブル。
広告料も一切かからず
何もせずに
自社の電子決済が増え
笑いが止まらない状況です。
その笑いが与党の票田となる。
そして、その企業の株を
日本政府が年金基金を投入し
買いまくってる。
日銀は金を擦りまくり
政府の言いなりで、株を買い
起業の株価を下支えする。
大手企業の株価は
実態に添うことなく
上がり続けています。
もう、資本主義でもなく
民主主義でもない。
怒り心頭のお客様から
頂いたメールはこう続きます。
何故か原発事故の被害区域である
「浜通り」の地域振興に
dポイントが関係してるんでしょう?
還元還元って、税金ですよ?
それが、NTTドコモに流れるって・・・
もう何も信じられませんね。
国も地方自治体も
大企業にしか興味無いんですよ。
自分の田舎である
相馬地方の悲しい現実です。
他の地方も同様かも知れません。(TT)
私は・・・
一番好きな漫画を聞かれたら
手塚治虫の「陽だまりの樹」と答えます。
手塚治虫の実の曽祖父が
幕末に活躍する有名な漫画です。
その漫画の題名は・・・
藤田東湖の家の庭にあった
日が燦々と当たる庭にそびえたつ
一見すると立派な桜の樹が
(※画像は
手塚治虫オフィシャルより)
実は、シロアリに侵食され
中身が空っぽになり
外見とは裏腹に
倒れかけている様を
幕末の政府に置き換え
語る場面に由来します。
読んだことのない人は
手塚治虫の「陽だまりの樹」を
ぜひ、読んでみてください。
陽だまりの樹
陽だまりの樹か~(TT)