「建築家は五十歳でひよっこ」なんて言われるほど。
言葉を返すと「五十歳でようやくまともに食えるようになる」という事です。
多くの建築家は・・・
若い時分、大企業や有名設計事務所で長い下積みをしています。
その下積時代に自分の才能を見限り
景気のいい土木や建設会社の現場管理等に流れていく。
今、一級建築士事務所として独立され
個人で仕事をなりたてている方々から
下積時代の話を聞くと壮絶な内容ばかりです。
家に帰らず、会社の机の下に毛布を敷いて寝て
ほぼ、毎日徹夜。
残業なんていう概念は、業界に存在ぜず
給与は30歳になっても大学生の初任給程度。
設計が全てを左右するため責任ばかりが重く
日々、胃がキリキリ痛んだと。
師匠の建築家の代わりに現場を回り
現場からの不平不満の矢面に立ち、もう踏んだり蹴ったり。
その経験があるから今があるのだけれど・・・
※今50歳~60歳の建築家の皆様のお話です。
現在は、どうなのかは知りませ~ん。(^^;)
一念発起して建築家として独立しても
仕事の依頼が1年間で1度も無いこともざら。
そうなると、食べるために下請けをするしかない。
下請がなかったら孫請け。
孫請けが無かったら、アルバイトの現場監督をしたり。
でも、下請けをしてしまうと抜け出せなくなる。
アルバイトに手を染めると独立した意味が無くなってしまう。
才能があっても、仕事は取れず・・・
仕事を取る能力(営業力)も兼ね備えていなければ、食えない訳です。
「若くて活躍している建築家もいますよね?」
某大手設計事務所の方に
以前、こんな質問をしたことがあります。
すると、こんな答えが返ってきました。
「そういう人は、大体、親がお金持ちなの。」
なるほど。
そう言われてみれば、今まで会った若い建築家の人は・・・
良い所のおぼっちゃん風の人が殆どです。(^^;)
なんでこんな話をしたかと言いますと・・・
先日、当社の事務の廣子さんが
我が子とお絵かきをして遊んでくれました。
小学二年生の息子ですから何を書くかは高が知れています。
でも、遊んだあと
廣子さんが私の元に、こんな紙を持ってきたのです。
間取り図ですね。
しかも、我が家のっ。(゜゜;)
なんでも・・・
おもむろに自分の家の間取り図を書き始め
どこに何があるか詳細の説明を廣子さんにしだしたのだとか。
この図はとても雑ですが
スケール感がほぼ完ぺきで
細かい家具の描写が出来ていて
本当にビックリ。
私、こんなこと教えたことありません。
私の仕事姿もあまり見たことが無いはずです。
それなのに、どうやって?
空間を感じる才能。
それを頭の中で形にする才能。
そして、立体を平面に変換する能力。
どれも私には無いチカラです。(汗)
我が息子が、こんなところに才能を見せるとは。
ただただ、驚くしかない親の私。
でも・・・
でもね、息子よ。
その業界の仕事は、大変だぞ。
苦労するぞ。
どうしよう?
親としては・・・
もっと楽な方向に進んでほしいと思うのです。
でも、もしかしたら
隈研吾みないになる可能性が・・・
あ、隈さんも家がお金持ちだったっけか。
このたった一枚の息子の落書きで
考え込むバカ親。
でも、そろそろ
どういう方向に導いてあげるか
本格的に考えないとな~。(苦笑)
焦るばかりで、何もできません。
0 件のコメント:
コメントを投稿