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2017年6月25日日曜日

入船亭

昨日は、当社の1年に一回の慰労会「蛍の集い」を開催しました。
毎年、6月の時期に奥湯河原の料亭旅館「海石榴」をお借りして
1泊2日、協力店の皆様をお招きして、日々の感謝を申し上げます。

海石榴は、湯河原一の高級旅館と言われています。
http://www.tubaki.net/

一泊、10万円を超えるお部屋の数々。(^^;)
個人では、いくら背伸びしても泊まれないお宿なので
団体の力を生かし、毎年交渉を重ねお世話になっております。

もう海石榴で開催し始めて、6~7年たちますかね?
当初は「超高級旅館だから、泊まってもらうだけで労いになる。」
と思っていましたが
さすがに数を重ねるごとに、何か工夫をしなければダメ。
マンネリは、人の感覚をぼやけさせます。

しかし、仕事の忙しさを言い訳に、毎年なんの工夫もせず。

今年も同じ轍を踏む状態となり・・・
このままじゃアカン!と意を決し・・・
個人的な趣向で「そうだ落語会をしよう」と思い立つ。

実は、私、落語が大好きなんです。
35才ぐらいから、よく仕事中にユーチューブで拝聴しています。
(ユーチューブかよと突っ込みが聞こえてきそう)

35才は、ちょうど子供の生まれたころとかぶり・・・
いまだに生で一度も聞いたことがありませんでした。
これを機会に(ダシに)して、体験しちゃおう!

私が意中の落語家の先生に、さっそく直談判。
といっても、どう連絡していいか解らず・・・
とりあえず、HPのメールにて依頼してみます。
音沙汰無し。

旅館の海石榴さんにも相談。
落語会は創業以来、初めてとの事。

無茶ぶりですね。

でも、快諾して頂き、さらに落語協会との調整もしてくれるとの事。
感謝しかありません。

当初は・・・
「呼べても、二つ目の落語家さんぐらいでは?」
と、海石榴の番頭さん。

業界の常識も何も知らない私。
「せっかくなら、一流の人を呼びたい。」
「超一流の落語を、皆に聞いてほしい。」

さらに、無茶ぶりを仕掛けます。。

半信半疑で待っていると・・・
海石榴さんから連絡がありました。

「落語協会の理事の入船亭扇遊師匠がお受けしてくれました。」

なんだか、凄い事になってきましたよ~。(^^;)
大よそ188年の歴史がある「船遊亭」の総代が
我が会社主催の慰労会に来てくれることになりました。

いざ、依頼したものの・・・
仕事にかまけ事前に扇遊師匠へご挨拶もせず
あっというまに、当日です。(昨日)
落語会は、5時30分から。

私は、仕事を直前までしていたので、到着が午後5時。
すでにロビーにおいでになった扇遊師匠。
あわてて挨拶。

目の前でスクッと立ちあがった師匠。
その姿は凛として、こわもてで目の鋭さにたじろぐ私。
その直後名刺を頂戴し、その柔らかい
所作に目を奪われ・・・
険しさを瞬時にお消しになり、満面の笑みで
「今日は、よろしくお願いいたします」
と、ご挨拶を頂きました。

こりゃ、タダモンじゃないぞ。(^^;)

慌てて着替え、旅館が整えてくれた会場へ。



すでに皆様、お集まり下さってます。
一番遅いのが主催の私という体たらく。

「すぐに始めますよ。」と、番頭さんがお囃子を流し・・・

なんと、前座として二つ目の「柳家圭花」さんが登場!!


扇遊師匠からは「付き人も帯同します」と聞いていましたが・・・
まさか、演じてくれるなんで~。(゜゜;)

演目は「狸の鯉」


二つ目といえど、あの「柳家花緑」さんのお弟子さん。
凄い話芸です!


ほとんどの方が、落語をはじめてきくというこの状況で・・・
あっという間に、皆を引き込んでしまいました。


「色々なところで演じてますが、皆が浴衣姿は初めての経験です」
「まるで、江戸時代にタイムスリップしたようで」
と、圭花さん。


そして、「めくり」を師匠に替え・・・
颯爽と舞台を降りられました。

そして、主役の登場!!


声が・・・凄い。
決して大きく声を張っている訳ではないのに・・・
部屋の隅々まで、キレイに声が通るのです。

一声発しただけで、場を制し・・・
そして、まくらだけで、人を惹き付ける。


演目は「試し酒」
圧巻。


3人の登場人物が、乱れ飛ぶ。(^^;)


多彩な表情。


多彩な言葉使い。


座布団に座る一人の落語家を見ているのですが・・・
3人の人間関係、人となりまでがうかがえる。
町の情景が見えてくる。
手先指先で、店の中までが見えてくる。


あら~、参った。
感動した。
というか、今年一番、感動した。

一流に触れるのは、大事ですね。
今回の事で、本当に身に染みました。
ジャンルなんて関係ないのです。

一流のモノに触れることで、自分の神経が活性化するのです。
凄い経験をさせていただきました。

おかげさまで・・・
慰労会は、大成功となりました。


快諾いただき、ご尽力くださった海石榴の番頭さん
こんな小さな会に全力を注いでくださった柳家圭花さん
そして、入船亭扇遊師匠。

当社の協力店様方のこの上ないおもてなしと、なりました。
ありがとうございました。


主催者ということで、師匠から頂いた、名刺。
とりあえず当分の間、この名刺を事務所のディスクで見て
ニヤニヤしながら仕事が頑張れそうです。

そして、
「一流人は、一切手を抜かない。」
という戒めと
「一流を目指して、日々精進しろ。」
という鼓舞を・・・

忘れないようにするための「お札」になると思います。

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