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2019年12月13日金曜日

同調力

東京新聞で連載されている
文芸春秋の元常務
木俣正剛さんの回顧録が面白い。

その中で
住友銀行元会長である
磯田一郎さんの言葉が
やけに頭に残りました。

潰れる会社には2通りしかない。
ひとつは利口が喧嘩している会社。
もうひとつはバカが仲良くしている会社。

なるほど。

私は・・・
利口かバカかというと
どちらかというと「バカ」です。

よって周囲にイェスマンを置き
良しこよしで
お友達のような仕事をしていると
きっとすぐに潰れてしまうのでしょう。

この木俣さんの連載は
本当に勉強になります。
面白い。(^^)

もう一つ。
フォトジャーナリスト
安田菜津紀さんの
「ほっトライン」も垂涎記事です。

高校一年生の女の子から
下記相談がありました。

友人関係に悩んでします。
女子特有の「固まって行動する」
というのが苦手です。
でも苦手だからと言って
一人でいると
完全に孤立してしまいそうで
怖いです。

教室を移動する際も
集団でガヤガヤと移動します。
そのグループの輪に入れないと
孤立してしまいそうで
何とか一緒に行動していますが
特別仲が良くもないのに
連れ立って歩くのは大変です。

どうしたらいいのでしょうか?

新聞を手にしながら
私の小・中学の嫌な記憶が
よみがえりました。

小学校や中学校の時
私も「団体教育」に苦しんだ子供でした。

よく学校では、なにかあるごとに
「はい、二人組を作ってください」
「はい、5人グループを作ってください」
とか先生が言うのですが
グループに入れない私は
その都度、組む人が見つからず
キツい思いをしました。

授業・体育・遠足・運動会・修学旅行。
それらのたび
グループからあぶれるので
遠足や修学旅行を
「楽しい」と思った記憶がないのです。

「まとまって行動するのが苦手。」
「協調性がなく、自我が強い。」
「他人に合わせられない。」
「人と違うことが好き。」

そんな子供だったので
サッカーと野球が大人気の時代で
だれもが野球とサッカーに熱中する中
私はテニスとか空手とか
個人競技しか
したためしがありません。

また、塊からはみ出る個体は
異物と認識され
一様にイジメの対象になります。

私自身、本当に良くイジメられました。

高校一年生の女の子の悩みを
読んだだけで
当時の自分の心が読みがってしまい
胸が痛くなります。

その切実な悩みに対し・・・
安田さんはこんな回答をされました。

私自身も学校の中
とりわけ中学や高校の環境を
とても窮屈に感じていました。

毎日同じクラスで
同じメンバーと一緒に
すごし続けるのは
たとえ気の合う人がいたとしても
ストレスでした。

学校では
「和」を乱さないためには
「輪」から外れてはいけないと
暗に言われているように感じられ
日々息苦しさを感じていたのを
覚えています。

高校一年生の時から
学校外のスポーツサークルに
参加し始めました。
そのサークルのメンバーは
大学生や社会人がほとんどで
自分のまだ知らない世界や
体験したことがない話がきけました。

いつもべったりしているわけではなく
それでいて一緒に過ごす時間は
笑いの絶えないものでした。

さらに高校二年生の時には
アジアの国々の教育支援を行う団体に
ボランティアで関わり
国境を超えた視野に触れることとなります。

学校外に
こうして人間関係が
広がることによって

「もしも学校での人間関係が
うまくいかなかったとしても
他に自分が過ごせる居場所があるから大丈夫だ」
と考えられるようになり
気持ちが楽になっていきました。

卒業後にアルバイト先や
そこで得たお金で旅をした場所など
行動範囲はさらに広がり
ひとつの場所に固執しなくても
同調圧力に迎合しなくても
人は、生きていけるのだという事を
少しずつ実感していったように思います。

学校という狭い世界の中で
人との距離が
うまく掴めなかったとしても
自分を責める必要は全くありません。

少しずつ学校外のコミュニティーに
関わることが出来る機会を
築いてみてください。

本当にそうですね。
学校なんて小さな小さな箱の中で
その中のさらに小さなクラスの中の
何人かのグループです。

そのミジンコのような人間関係で
小さな心が病んでしまうのなら
学校なんて
不要だと思うのです。

義務教育ですから。
強制ではない。

また、学校教育って
1年3組とかクラス分する時点で
団体主義教育なんですよね。

1年生が90人いても
30人づつ分ける必要ってあります?
大学のように
自由に授業がうけられるように
小学校もすればよいと
個人的に思うのです。

今、この日本では
年間400人近くの子供が
人付き合いが上手くいかないという理由で
自ら命を絶っています。

小さな子供が
自らの命を絶つ選択をするなんて
そのときの心は
想像を絶します。

鎌倉市の公立小学校だけでも
17校も存在します。
隣接する藤沢市や横浜市も合わせると
391校にもなる。

居場所なんて、いくらでもある。
この地域はこの学校と区切らず
好きな小学校に行けるようにすればいいじゃん。

市町村は、全国で1718もある。
小学校数は19000校を超えます。

なんで大人の都合で
押し込まれなきゃいけないんだ?
そのおかげで
小さな命が年400も失われるなんて
私は、絶対納得いきません。

全世界の国土のからみると
たった0.002%しかない日本。
そう考えるだけで
バカらしく思えるでしょ?

子供は、そんなミクロにもならない
場所から、パッと出ていけば良い。

義務教育には
そういうことを教えてほしい。

磯田さんが仰った
「バカが仲良くしている会社はつぶれる」
という言葉。
今の政治にピッタリと当てはまります。

これは、同調圧力ばかりを受けて
育ってきた子供達が
エリートとして大人になり
今の霞が関の官僚になった弊害なんだと
強く思います。

同調圧力に弱い。
強者に逆らえない。
今の学校の中と一緒。

私が小学生だったころと
ちっとも変っていません。

つまり、文部科学省は
何もやっていないのです。
そりゃ衰退しますわ。

どうにかならないものですかね?
これ。

2019年12月12日木曜日

蕎麦ひら井

数年前に
ミシュランに★1つをもらったという
蕎麦屋が藤沢本町にあります。

その名も「蕎麦ひら井」

今週の休みの日
妻と念願の実食をしてきました。



一見、何処に店があるかわかりません。
「エルフ学園」が目印で
その塾の下にあります。


知らなければ
絶対に素通りしてしまうほど
店構えに商売っ気がありません。

実際に・・・
ネット情報を駆使しなければ
お店がどこにあるかわからず
周囲をウロウロとしてしまうかも。(^^;)

我が家は、過去2回訪れましたが
臨時休業日が重なり
3回目にして
ようやく入ることが出来ました。

中は、和風料亭のよう。
職人二人で切り盛りしていて
フロア係りはいません。

暖簾をくぐると
バックミュージックが無く
シーンとした室内。
カウンターに向かい
「二人です」と声をかけると
中の大将が素っ気なく
空いている席に目線をやり
手を差し伸べるだけ。

おおお
良いですね~、この感じ。
職人気質まんまんですよ~。(^^)
個人的に大好きです。

メニューを見て、また目がハート。

冷たい蕎麦は
・もりそば/700円
・おろしそば/700円
・つけとろろそば/900円
・鴨汁そば/1300円
・天ぷらそば/1600円

暖かい蕎麦は
・かけそば/700円
・きざみそば/800円
・卵とじそば/800円
・鴨南蛮そば/1300円
・天ぷらそば/1600円

これだけ。
ランチにご飯ものはありません。
セットもありません。

「お蕎麦の味を見るときは、もり」

というのが食通の間での通例らしく
味音痴の我が家も真似します。

妻も私も冷たいお蕎麦をチョイス。
ちょっと贅沢して
高い方から2つ選んで
二人でシェアすることに。

私は大盛にしたかったのですが
メニューに「大盛」の記載がなく
気が小さい私は
注文時に「大盛にしてください」と
言うことが出来ませんでした。

そんな雰囲気のお店です。(^^;)


まず、驚いたのが
蕎麦の量。
結構、少ない。

これが1300円の「鴨汁そば」です。


「こりゃ、高いな~」
と思いながら
一口食べると・・・

おお、美味い!!

蕎麦が、凄い弾力です。
噛む歯を押し返してくるほど。
初食感に2度目の驚き。

蕎麦の香りが強く、心地よいです。

そして、漬け汁は
一見、何の変哲もなく
「どこが鴨汁なのかしら?」
と、汁の中に箸を差し込むと
鴨の肉がゴロゴロと出てくる。

こんなに入ってるの?
そして、肉が抜群に美味い!!
弾力があるも物凄く柔らかくて
3度目の驚きです。

最後に柚子を入れて
蕎麦湯を入れて飲み干して
これも美味い!!
小さいゆずの皮一枚で
これだけ風味が加わるのですね。
4度目の驚き。

そして、蕎麦湯が美味い。
濃~い蕎麦湯。
ドロドロの濁酒のよう。
蕎麦湯だけ飲んでも飽きない。
5度目の驚き。

とても美味しく頂きました。

噂では・・・
夜の4000円のお任せコースが
凄いそうです。
「藤沢一のコスパ」なのだとか。

良いお店だ!!!
また来ます。

ただ、今度来たときは
「大盛で」と言ってみよう。
だめだったら2人前は必要です。(^^;)

2019年12月10日火曜日

地縄

昨日は、久々に
地縄を張りました。

最近、注文住宅の請負依頼を
お断りしている状況のため
私自身、1年ぶりの地縄作業でした。

地縄とは
建物の配置を
実際に土地に落とし込む作業です。

対象地は、鎌倉市岡本の一画。
一昨日、古屋の解体が終わり
更地ホヤホヤの土地です。



玉縄小学校学区で大船駅まで歩ける
人気の場所なので
当初は2区画での分譲を予定していましたが
私の妻のお友達が「買う!!」と
手を上げられ
販売を行う前にご成約となりました。m(_ _)m

目下、建物の打ち合わせ真っ最中です。

ただ、机上の打ち合わせを進めても
初めて家を建てる方は
平面図面を立体的に考える事が出来ません。

真四角の土地であれば
さほど苦労はしませんが
今回の土地は、多角形。
よって、ある程度、プランが固まってきたら
決定する前に現地で配置を落として

・日の入り
・朝から夕方までの日の動き
・隣地との窓の関係
・周囲の建物の影響
・風の入り具合

などを、実際に確認してもらいます。

設計の善波と
現場監督の村山と
私の3人で

スケールを三斜で引っ張りながら
完成!!



すぐにお隣さんが出てきて
「デカい家だね~!!」
と、驚かれていました。

これから本設計を行い
早ければ、来年の3月に着工をする予定です。

どんな家になるのか
お客様はハラハラドキドキ。
中々、想像できないようです。

でも、私の頭の中には
完成形が想像できていますので
すでに、良い家になると確信しております。

楽しみです。

2019年12月9日月曜日

メタルスタッコ

鎌倉山B棟
大幅に工事が遅れながらも
着々と完成に向かっています。

大工工事はすでに終了しており
井関さんが作った木製格子が
「ばえる」室内となっています。


本物件は
建売住宅なのですが
建築前にご成約頂き
お客様のご要望で
いたるところ、変更がなされています。

この格子も・・・
元々は壁でした。(^^)

タイル工事も大幅に増えており
キッチン袖壁はキッチンパネルだったのですが
タイルに変更。

ターコイズ色のタイルにまとまりました。


室内の通り土間は
グレーの落ち着いた600×300の
大判タイルを芋張りに。


洗面の壁は
なんと、全面タイル張りに変更。

洗面化粧台も造作に変更され
大工の井関さんがカウンターを造作し
お客様より
「ちょっと濃いめにしたい」
というご要望に合わせ
石井塗装の石井さんに
チーク色を少し薄く調合してもらい
塗装しました。


シルバーのタイルが映えます。
イナックスの「メタルスタッコ」です。
品番は「IPF-310/MTC-1」となります。


これから目地を入れて完成です。

その後、洗面ボールと水栓を配置して
お客様支給となった鏡と照明器具を設置したら
すべて完成となります。

物凄く手間がかかっていますので
出来上がりが楽しみです。

完成したら、ご紹介しますので
しばしお待ちくださいませ。

2019年12月6日金曜日

中村哲

茅ヶ崎にある愛生会クリニック
https://aiseikai-clinic.com/career/index.html

その院長は我が家の恩人です。
その赤沼先生が12月5日
泣いていました。
「唯一無比の人が亡くなった」

中村哲さんが凶弾に倒れました。

世界中でもっとも名の知れた日本人医師で
世界中でもっとも危険な地で30年以上
貧困・差別・宗教と戦いつづけ
世界でもっとも命が失われて行く地で
命を救い続けた御方です。

なぜ、狙われたのか?

安倍政権になってから、中村哲さんは
新聞紙面で、こう警笛を鳴らしていました。

今まで日本人は
武力で他国を侵略しない国とされ
敵意を向けられてこなかった。

集団的自衛権が行使されるようになれば
海外で活動する日本人に危険が迫ることとなる。

他国の軍隊が戦闘をすれば
その国の人々の目には侵略者に映る。
侵略者に守られているNGOの職員は
狙われ、かえって危険になる。

このご本人の心配が
現実のものとなってしまったのですね。
特に、2015年1月イスラエルにて
「テロに屈しない」と会見した安倍首相は
世界の紛争地域に対し
「日本はイスラエルの仲間」と印象づけてしまった。

「テロとの戦い」を掲げ
アフガンに軍隊を派遣した欧米諸国は
市民から敵意のまなざしを向けられるようになった。
復興支援や医療活動をしている欧米の民間人は
誘拐や攻撃の対象となった。

集団的自衛権の行使によって
欧米同様、日本人という理由で
テロの対象になれば私の仕事は続かない。
もう、逃げるしかない。

それでも逃げず活動を続け
命を落とされた中村さん。
無念でしょうね。(TT)

安倍総理大臣は
行使容認する集団的自衛権を
「限定的なもの」と説明するが
それは戦争の現実を知らない人の言葉だ。
相手がピストルを持っていれば
ピストルで応戦する。
ライフルならライフルで
機関銃なら機関銃で。
ひとたび武力を使うと
際限なくエスカレートしていく。

だから中村哲さんは
海外に自衛隊を護衛派遣しては
絶対にダメだと
主張し続けていました。

アフガニスタン人が
もっとも親密に感じているのが日本だ。
彼らにとって「日本」と聞いて連想するのは
長崎、広島、日露戦争だ。
どこに行っても知らない人がいない。
日本もアフガニスタンと同じように
他国に侵略を受け廃墟となった。
しかし、そこから立ち上がり
世界一の経済大国になったが
一度も外国に軍隊を送ったことはない。
とてつもない信頼がある。

日本人は国連職員よりも安全だというのが
一昔前まで一般的だった。
しかし、その信頼が失われつつある。

日本に帰ると別の惑星に来たように感じる。
第一に元気がない。
日本では、世界最高峰の医療が受けられ
恵まれている割にみな不幸な顔をしており
自殺が多い。
アフガニスタンは貧しい国で
他殺はたくさんあるが自殺はない。

日本の政権については
こんなバカな政権はない。

諸外国は権力に対して従順でない気風がある。
対照的に日本ほど権力に弱い国はないと感じる。

現政権がアフガニスタンに出現したとするなら
もう何十回か暗殺されている。

その点が日本との違いだ。

個人的なことをいうと
憲法に従う義務はあるが
政権に従う義務はないと考えている。

この記事を転載することで
中村哲さんの弔いとさせていただきます。

心よりお悔やみ申し上げます。
ゆっくり、天国で休んでください。
合掌。(-人-)