住宅を建てる際、窓というのはかなり重要です。
どこに窓を付けるか。
どんな形にするか。
どういう開きにするか。
シャッターは付けるか。
格子は付けるか。
ペアサッシにするか。
樹脂系・木製・アルミ・・・種類は?
色は?
色々と決めることが多い。
でも、結構、一般の皆さん無頓着です。
大体が、住宅メーカー、設計事務所、ビルダーに「おまかせ」です。
細かく話し始めるとどえらい文字数になるので・・・
今日は、くもりガラスの話をさせて頂きます。
くもりガラス、2種類あるのご存知ですか??
一つは、型ガラス。
これは、ガラス自体を型押しして凹凸があるもので・・・
光の屈折を生み、視線を遮ります。
半透明なのが特徴です。
もう一つは、すりガラス。
これは、透明ガラスの表面に細かい傷を無数につけたもので・・・
ガラス自体に白っぽい色が付きます。
乳白色なのが特徴です。
厳密にいうとこの他にチェッカーガラスやモールガラスなどもありますが、主要メーカーではこの二種類となります。
一般的にくもりガラスと言われているのは、型ガラスの方です。
型ガラスの方が金額が安いので、「すりガラスもありますが?」と提案してくるビルダーは少ないと思われます。
ですが、建築家や設計事務所は、すりガラスを好む場合が多いです。
なので、図面であらかじめ「すりガラス指定」されているケースも多々あります。
そうした場合、個人が選びなおすのは中々難しいです。
型ガラスは、うっすらと裏側が見え・・・
すりガラスは、より見えにくい感じです。
個人的に、乳白色が嫌いな私は、半透明な型ガラスが好みです。
建築家の伊藤先生は、すりガラスの方が意匠性が高いと仰います。
つまり、個人的に好き嫌いが解れる部分なんですね。
で・・・
よくあるのが・・・
実際に新築工事が進み、サッシが付いた時点でこんな筈じゃなかったという揉め事です。
施主様から・・・
「くもりガラスにしたのに、人影が見える」
「くもりガラスがイメージと違う」
「透明の方がよかった」
「ここはくもりガラスに変えたい」
しかし、サッシはガラスが組み込まれた状態で納入されるため、発注後の変更は難しくなります。ましてや、現場ですでに取り付けてしまったサッシのガラスを替えるのは、有償となります。
小窓ひとつ、1万円からです。(^^;)
掃出しの引違などだと、ガラスだけで4~5万円掛かるでしょう。
皆さんギリギリの予算を組んでいますので、5万円の追加負担は厳しい。
だから、揉めない為に自分でしっかりと考える必要があるのです。
任せきりはダメ!
上棟直後に、窓のチェックを現場で必ずしてください。
「この窓は、思ったよりお隣と目線が被らないな~」
「この窓は、もう一回り大きくても良いかな~」
「この窓は、すりガラスの方が良いかも。」
そんなチェックだけで、完成後の生活がぐんと変わる訳です。
メーカーやビルダーによっては、変更不可のところも多いです。
また、建築家によっては、施主に口を出されるのを極端に嫌う人もいます。
そうであれば、事前にしっかりと打ち合わせを重ねてください。
また、別の方法もあります。
透明ガラスを、ガラスを替えることなくくもりガラスにする方法です。
この写真をご覧ください。
(クリックすると拡大します。)
これは、フィルムメーカーの3Mで発売されている「ガラスフィルム」です。
http://www.mmm.co.jp/cmd/scotchtint/consumer/index.html
透明ガラスに、フィルムを貼ることにより、くもりガラスにすることが簡単に出来ます。
しかも、「防犯性」「遮熱性」「UVカット」などの性能も付加することが可能。
更に、上記写真のようにグラデーションを付けて、濃淡の調整も出来ちゃう!
雪見障子のように、下部だけを透明にすることが出来れば・・・
和室を外部の足元だけを見せる地窓のような視感を、大開口窓で行うことが出来ます。
面白いです。
しかも、費用は、ガラスを替える費用とほとんど同じ。
さらに、様々な模様で装飾することも可能です。
透明度も自由自在。
ラインで遮ることもでき・・・
水玉や箱根細工風や結晶模様も。(^^)
ガラスフィルムは、オフィスに使われています。
住宅に利用するのは、あまり普及していません。
しかし、これらのフィルムを駆使すれば・・・
こんな窓を演出することが出来るんです。
オシャレ!!
また、色も様々。
ガラスじゃ、こうは出来ません。
出来たとしても、物凄いコストが掛かります。
フィルムの良いところは、手軽なところ。
そして、いつでも透明に戻せる。
飽きたり、気に入らなかったら、簡単に違う模様に変えることが出来る。
くもりガラスを入れてしまうと、後で変えたくても、ガラスを取り替えるしかありません。
何を張ってもくもりガラスです。
透明ガラスにして、フィルムで遊ぶというもの、一つの出です。
ご参考にしてくださいませ。
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