2019年7月6日土曜日

小屋裏の足音

5年前にお引き渡しをした
建売住宅のお客様より
久しぶりにご連絡を頂きました。

長らく出張で海外にいらっしゃっており
3年ぶりに我が家に帰ってきたというご報告と
「ここ数日、小屋裏から何かが走り回る音がする。」
というご相談です。

小屋裏の足音・・・
そうなるとネズミの疑いとなります。

私・・・
住宅の建設に携るようになって
20年以上経ちますが
ネズミ被害の相談は、初めてとなります。

最近、鎌倉では・・・
ハクビシンが小屋裏に入り込む事案があると聞いてますが
被害の殆どが築30年を超える住宅です。
現在の木造建築物の場合は
ハクビシンのような大きな生き物が入り込む余地は
構造的に「無い」と言えます。
あとは、穴を空けられたりしたりですが
それもあまり考えられません。

それが「ネズミ」だとしても
家ネズミと言われるクマネズミでも
体長が15cm程度ありますので
考えにくいな~。

ネットで検索すると・・・
通気層の隙間から入るケースがあるようです。
ただし、通気胴縁の隙間は15mm~18mm。
よほど小さな個体じゃないと難しそうです。

早速、見に行きました。

ちなみに家ネズミは
ずっと建物の中に居るわけではありません。
餌をとりに毎日必ず外に出てきます。
しかも同じ道を通ります。
よって、ネズミがいるかどうかは
「出入口の糞」で判断できるそうです。

外周の基礎をくまなくチェック。
地表にも、基礎にも水切り周りにも
糞は見当たりません。

軒天や破風を見回りますが
どこかに穴が開いている形跡もありません。
外壁も痛み無し。

次は室内。
家の中の天井の入隅等を見ますが
特にシミもありません。

天井裏にネズミが住み着くと
決まった場所でおしっこをするらしく
長らく住み付いている場合、シミが出来るようです。
それもチェックするポイントとなりますが
特に問題はありません。

また、音がするという部屋は
小屋裏がほどんどない構造となっており
ネズミが入り込む余地は、限りなく少なそうです。

ご主人とお話をすると・・・
「2階のバルコニーに糞が落ちてる」
とのこと。
ああ、確かに動物のフンがありますね!!



5mm程度の糞。
事前に調べてきたネズミの糞に酷似してます。


バルコニーの水切りをチェックするも
胴縁から出入りしている様子はありません。

さて・・・
これはどういう事だろうか?

「ネズミが入っている形跡はどこにもないですが・・・」
「しかも糞が少量で解せない。」

と、ご主人に報告すると
「もしかしたら、コウモリですかね?」
と、おっしゃった。

ああ、その可能性は、十二分にありますね。
鎌倉は、コウモリの宝庫です。
物凄い数のコウモリが存在します。

以前のブログ。
http://heisei-shonan.blogspot.com/2015/11/blog-post_14.html

大工の井関さんが現場で発見したコウモリの写真です。

小屋裏で走り回って聞こえたのは
バルコニーの軒天に夜な夜な張り付いたコウモリが
「ガサガサ、ゴソゴソ」
とやっていた音の可能性があります。

木造住宅は、木部を伝わり音が広がります。

壁の音が天井裏で聞こえるなんて言うことは
良くあるのです。

コウモリも建物の中に入っている形跡はありません。
よって、経過を見てもらうことにしました。

万が一ネズミだった場合に備え
糞があるところに「ネズミ捕りマット」を置くことをアドバイス。
https://item.rakuten.co.jp/campaign365/2020000016773/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_113_0_10001868

コウモリだった場合は
駆除するのは中々難しいです。

軒天にぶら下がっているところを網で採るか・・・
軒天にネットを張るぐらいでしょうか。

とにもかくにも、経過を注視したいと思います。

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