引きこもりの民間相談援助機関
「子ども家庭教育フォーラム」
を主宰されている
富田富士也さんのコラム。
以下、東京新聞から転載。
「何年も家の玄関から出たことが無い。」
「何年も風呂にも入っていない。」
そういった成人の相談を
受ける機会が多くあります。
親や家族の見立てでは
「病気」か「怠け者」のどちらかです。
しかし私の関心は
家庭の子育ての環境に向きます。
核家族で
経済的に安定し
親の学歴も高く
友達は家庭で満ち足りている。
今風に言えば
「リッチな親と子」です。
さらに
家庭は平和で穏やかで
喧嘩もしたことが無い。
だから・・・
喧嘩しても
仲直りにたどりつく「術」が
見つからないというのです。
そのため
一人一人が「いい人」になる事で
ストレスを溜め込んでいく。
当たり障りのない
穏やかで
良い家族が危ない
これが私の実感です。
私は、複雑な家庭環境で育ちました。
それだけに
引きこもる子供や親の心境を聞くと
「けんか即決裂」
「自分の意見を譲ったら敗北」
という彼らの思いに
「そうでもないよ。」
と声を掛けたくなってしまいます。
以上(抜粋)
喧嘩もしたことが無い家庭に
引きこもりの事案が多いそうです。
引きこもりとは
自己主張ではあるが
内面は
「人と触れ合いたいが触れ合い方が分からない。」
という一点なのだとか。
今まで、良い家庭の中で
良い子供でいるために
自制をして育ってきたので
自己主張することなく
すべてを勉強という「安全地帯」に逃げ
塾や受験に日々を費やして来た人が多い。
成人になると
その安全地帯が突然、消えて無くなる。
すべての拠り所となっていた
「受験」「勉強」
を失い、突然目の前に広がる自由に
「藁をもつかむ」状態になる。
だが、その藁が見つけられない。
親でも
同僚でも
上司でも
彼女でも
趣味でも
目標でも
結婚でも
子供でも
少しでも寄り添うものが
あれば良いのだが
それを見つけられない人は
広い社会の海原で溺れる恐怖感に
耐えられず、引きこもる。
つまり・・・
ひきこもりは「自己防衛」なんだと。
自分で処理しようという自制の極限なんだと。
ただ、それでも人とは関わりたい。
他人と共感したり共有したい。
それがインターネットやオンラインゲームであり
新しい安全地帯となってしまう。
富田さんは
ひきこもりとは
「子供が成人として、人と直に触れ合う事への戸惑い。」
だけなんだと仰る。
病気では、決してない。
一人でも生身の人間がその「戸惑い」に寄り添い
「他人に己を否定される」という
恐怖心や不安心を取り除いてあげれば
引きこもりは脱却できると
仰っています。
子どもには、喧嘩をさせましょう!!
友達同士の小競り合いや
言い合いの喧嘩は
とても大事なんですね。
そして、子供のころから
社会に触れさせること。
そして、世界を見せてあげる事。
これが親の役目ですね。
やはり、日本がこれほど歪んでしまったのは
受験というシステムが諸悪の根源なのかな。
そして、その受験を食い物にする
大人たちが悪いのか。
勉強なんて、大人になってから
いくらでもできます。
子供達が自然と触れ合い
遊んで遊んで、遊びまくれば
今みたいに環境に無関心な若者たちが
生まれてくることは無いと思うのです。
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