2019年3月11日月曜日

黙とう

黙とう。
8年前に犠牲になった多くの人々へ。
お悔み。
残された多くの遺族の方々へ。
応援。
故郷を汚染され、帰れない方々へ。

震災の被害にあわれた皆様のように
常人とかけ離れた経験をされ
人の死に向き合いながら
自らも大病を繰り返してきた
歴史学者の清水透さんの手記の一節を送ります。

異文化社会の現地調査は
緊張の連続だ。
病気にかかっても気づかないことがある。
肺結核に肝炎。
帰国後の健康診断で判明したが
すでに自然治癒していた。

日本に戻れば戻るで
様々な雑務や締め切りに追われ
ストレスの原因となる。

メキシコ調査から帰った半年後
突然、心筋梗塞の発作が起き
私は、緊急医療センターに運ばれた。

しかしあまりにもの苦しさに
自分の命の限界を悟る。

妻と息子への遺言を医師に託した直後
一気にすべての苦しみから解放され
「雅」(みやび)
という字がぴったりの品の良いベージュの世界へ。

そこに・・・
これまた品の良い
薄いピンクの霧氷が
キラキラと舞っている。

霧の奥へと
白い石畳が続いていた。

この間、約4分。
高圧電流のショックで息を吹き返す。

死の直前の世界。
あの麗(うるわ)しさ。

あれなら死も怖くないと思わせる・・・
貴重な臨死体験だった。

それから一年後。
幸運にも肺がんが見つかった。
「お、ついに来たか」の心境。
でも、進行の早い肺腺ガン。
とあれば、時間との勝負。
告知されたその場で迷わず手術の日程を決めた。

入院の朝。
妻の運転する車から流れるのは
イルディーヴォが歌うソロ



(Michelle Kaiserさんのユーチューブより)

その歌詞は
「僕は死にそう、僕は死にそう、たった一人で~」
よりによって、この詞が丁寧に4回も繰り返される。
「お前、わざとかけたなぁ、この曲!!」
「そ、そんなぁ~」
と、二人ケラケラ笑いながらの入院となった。

※東京新聞「インディオの村通い40年」より

この手記は、あまりにも壮絶なもので
その人生を歩んできた清水さんのお話に
日々、引き込まれます。

清水さんの経験された
死の世界。

死後の世界といえば、丹波哲郎さんが有名ですが
やはり、あるんですね。
そして、その世界は・・・
全ての苦しみから解放されるのですって。

それを知るだけで
残された方々の苦しみは
ほんの少しでも楽になるのではないでしょうか?

合唱。



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