2019年2月18日月曜日

OKグーグル

木村太郎さんの東京新聞連載コラム「国際通信」にて
笑えるけど、全然笑えない話がありました。
(以下抜粋)

今年のお年玉商戦
アメリカではスマートスピーカーが売れ筋だった。
ユーチューブではその人気を裏付ける動画が注目されている。

小さな男の子がスマートスピーカーに
「ヘイ、アレクサ」と問題を問いかけ
宿題をやらせていたというものだ。

隣室にいた母は、息子が独り言をいってるのを不審に思い
ドアの隙間から除き、そのカンニングを発見し撮影。
その動画は、去年末までに820万回も視聴されている。

スマートスピーカーを覚えたのは少年だけではない。

英国で飼われていたオウム「ロッコ」は
スマートスピーカーに話しかける飼い主の真似をして
好きな音楽をリクエストするようになった。
それだけではなく・・・
家に身に覚えのないイチゴやブロッコリが届き
調べたろころ、「ロッコ」がスマートスピーカーで
勝手に通販で買い物をしていたことが分かった。
それを英紙「ザ・サン」が電子版で伝えている。

また、米ノースカロライナ州のフォスターさんの家で
1歳の赤ちゃんが初めて発した言葉が
「OKグーグル」だったと・・・・
ニュースサイト「ミント」が伝えている。

グーグル社のスマートスピーカーを起動させる言葉だが
両親が良く使っていたのを
赤ちゃんが覚えてしまったのだろう。

スマートスピーカーの行く末、「恐るべし」か。

以上

そりゃ、恐ろしい話です。(ーー;)
共働きの家で一人っ子がスピーカーと会話する。
そんな日常が、いま現実となってます。

相手は無感情のAI(人工知能)機能ですが
学習機能により日々「人に近づくよう」に進化してゆき
そのうち相手の情状まで汲むようになっていく。

つまり・・・
人間が主体でコンピューターを人に似せていくのではなく
AIが主体となって人間に近づこうとしている訳です。
こりゃ、本当にターミネーターの世界ですよ。

 同紙で哲学者内田節さんがコラム「時代を読む」にて
人とAIをつなぐインターネット社会について
こう言っています。

インターネットが普及し始めたとき
「世界を変える夢の道具」のように言われた。
世界中のどこからでも誰もが発信できる。
都会と田舎の格差は無くなり
国境を越えた時空が広がっていく。

だが、期待通りにはいかなかった。

少し前までは、感情より理性が重視される時代だった。
感情だけでモノを言うのは恥ずかしいとされた。
ところが感情より理性が上に立つと
理性的な作法を熟知していない人たちは
社会から疎外されていく。

「知的」な素養がすべてに必要とされ
それが「エリート」の支配を生み出してしまうのである。
よって、自分は社会の主人公になれないと感じる
大量の人々を生み出してしまっていた。

政治も思想、理念、そしてメディアも動かしているのは
すべて「知的エリート」たち。
そういう構造への現代の不満が
社会の奥に鬱積しつづけた。
このような構造からの開放をもたらしたのがインターネットである。

ネット上では「知的エリート」に支配されず
自分の感情をそのまま発信できる。
あっという間に・・・
自分の感情を判断基準にして行動する人が増え
それが深刻な感情の対立を広げていく。

アメリカのトランプ大統領を支えているのも
この新しいアメリカの人たちの感情だ。

日本でも・・・
中国になめられるなという感情や
北朝鮮や韓国に対する感情が
安倍政権を支えている。

ヨーロッパに台頭する国家主義の勢力も
これら新しい感情対立が原動力となっている。

社会への不満やいら立ちが
インターネットでそのまま発信され
それが大きな渦となって社会を動かす。

政治は、それを助長する先導役の性格を強めていく。

今年は、世界がその方向に進んでいるのだということを
より明確にした年だったのかもしれない。
感情の対立をそのまま容認される時代が
私たちを包み込んでいる。

以上
内山さんは、今の社会にはびこる感情対立は
今までの「理性による支配」とは異なる
社会仕組みを見つけ出さない限り
無くならないとおっしゃり
このコラムを締めくくっています。

う~ん。
しかし、これらの表現媒体とされるSNSなど
インターネット上のものすべてがビックデータ化され
ごく一部の支配層が社会を動かす道具として
利用しているという話を聞きます。

つまりは、この感情対立を生んだネット社会も
全て「知的エリート」たちが操っているのではないのですか?

インスタグラムやフェイスブックなどで
我々が日常にUPした個人情報や家族の写真
そして、日々の「良いね」までもが
我々の知らないところでデータとして集められ
AIにより分類・区分けされ保存され使われている。

国は個人の集合体です。
よって、個人の動静を把握できるSNSなどは
官僚や政治家にとって、最強の武器となるわけです。
そして、そのデータを取得し分析できる一企業が
世の中を牛耳る力を持っていることとなります。

そう考えると、我々はすでに・・・
コンピューターに支配されているのかもしれません。

その社会を立て直すには
その基となる倫理を壊す必要があるのですか。

なんとも難しい話ですね。


0 件のコメント:

コメントを投稿