2017年10月31日火曜日

堀部安嗣氏の集会所

つい先日
鎌倉山の土地の商談で、鎌倉山二丁目を訪れました。
メイン通りの桜並木に面した立地です。

商談のあと、すぐ近くに噂の自治会館(集会場)があるので
のぞいてきました。

そうです。
建築家「堀部安嗣」氏が手掛けた・・・
鎌倉山町内会集会所です。



これは、
鎌倉山町内会が複数の建築家に設計を依頼し
コンペに参加した住民の多数決で建築家をきめるという
とても面白い手法で建てられた集会所です。

木造平屋建て。
石畳を介して、風情のある建物となっています。



内部は入れませんでしたが・・・
外部と同じく、内部もほとんどが木肌での仕上がりなのだとか。
色々な雑誌で紹介されているので、興味がある方はそちらをご覧くださいませ。

軒の杉の木肌が美しい。

キクイムシとか蟻とかクマ蜂とか
その他いろいろな虫害に目をつむれば

桁も垂木も野路も破風も皆、国産の無垢材の表しだと良いですね~。


桁と野路の隙間は、そのまま小屋裏が開いているように見えます。
スズメ蜂とか、エゾリスなんぞが、入り放題のように見受けますが
大丈夫なのかしら?

もともと古い集会場が建っていたそうで
費用は、総額4000万円とのこと。
目視で、約40坪ぐらいにみえますので
解体や外構などを鑑みても、なかなか高価なものと言えます。

ところどころ、贅沢な作りになっています。

土間も美しい。


なるほど!!
コンクリートの金鏝と大磯砂利の洗い出し仕上げをこんな風に使い分けるのか。
継ぎ目は玄武石っぽい自然石の縁石を見切りにするなんて、素敵。

それにしても、継ぎ目が解らないぐらい、綺麗に仕上げてるな~。
よほど、腕の良い左官職人が仕上げたのだろう。



ちなみに、4000万円のお金は
町内会費の積み立てや住民からの寄付で補い
足りない部分は、鎌倉市の補助金を利用したそうです。

地域が主導するなんて、ますます素敵ですね。

町って、こうあるべきです。

知らない間に、チープな家が次々に出来る昨今。
「家がその町の景観になる」という意識は
ビルダーには皆無です。

建物の面積や土地の面積ばかりを規制する町内会や自治会。
でも、それは全く意味が無く
こんな風な「その町の風土にみあった家」が出来上がるよう
市役所ぐるみで、規制をするべきだと思います。

いっそのこと、鎌倉市役所がコンペを行い
建築家に建築関連の条例を手掛けさせればよい。

鎌倉市内すべての建築協定や自治協定を破棄して
宅地の無駄な規制ではなく、建物の規制に乗り出すべきと、考えます。



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