今は「子供一人に一部屋」が当たり前になっています。
しかも、6帖一間、収納は別に有り。
子供達が成人して、都心に就職すると・・・
恵まれれば社員寮ですが、ほとんどが自分でアパートを借ります。
親がよっぽど裕福でないかぎり、築年数30年前後のアパート。
で、その多くがワンルーム、又は1K。
大体、こんな間取りです。
6帖一間に、玄関とキッチンが一体になったタイプ。
お風呂は、0.75帖にトイレ付のユニット。
これでも、都心で借りたら6万円~8万円前後します。
手取り16万円前後の給与で、毎月家賃8万円は払えません。
もっと切りつめれば、風呂なしアパート「4.5帖一間」となるでしょう。
そこで考えます。
子供の時分・・・
6帖一間を与えられた生活をしてきた子供にとって
このワンルームアパートの生活空間は
今までの生活と比べ決定的に狭まることになるのです。
実家では、6帖の他に、リビング・ダイニングが別にあり
独立したお風呂・洗面・トイレ・玄関もあった。
昔は・・・
「自分の部屋が欲しい」
「自分一人で自由に使える空間が欲しい」
と、若者の皆が、実家を飛び出していきました。
ですが、現代は一人一部屋。
そうはいかないようです。
何と、現代の30代前半の男性は、実家暮らし率が40%を超えるというのです。
そして、20代に至っては、男女ともに70%を超えるのだとか。
その数字は、年々、右肩上がり。
そりゃ、賃貸の空き家率が増え続ける訳だ。(^^;)
色々な理由があります。
給料が下がっているとか、非正規雇用が増えたとか。
ただ、個人的に実家の住空間によるところが大きいと思うのです。
建築家の伊藤先生に昔、設計をして頂いた住宅にこんな間取りがあります。
(※間取りの一部です。)
大よそ12帖の空間です。
普通であれば、2部屋ですね。
6帖ずつ区切って、収納で左右を分ける。
でも、この家は、お子さんが3人。
一部屋ずつ欲しいという要望でした。
そこで、上記のような分け方をしたわけです。
2段ベットは、上下押入れ形状で分けています。
こんな感じ。(^^)
将来、一部屋に改築することを考え、構造用の柱や筋交いが存在しません。
面白いと思いませんか?
くつろぐスペースは、基本リビングとダイニング。
部屋は「夜寝る部屋」という考え方です。
といっても、上記間取りは、勉強机も置けるし、チェストも置けます。
十二分と言っても良いでしょう。
ただ、大人になってもそこに居続けるのは、少し窮屈。
そこが、建築家の狙いでもある訳です。(^^)
注文住宅を請け負う際、お客様とお打合せをする時・・・
私は、伊藤先生の、こんな間取り提案をします。
「子供部屋は、3帖前後でも成立しますよ。」
「6帖のスペースをお子さん二人で使えば良いじゃないですか。」
そんな話をすると、大体の親御さんは拒否反応をしめされます。
「イヤイヤ、子供には一人一部屋、最低限6帖は欲しい。」
勿体ないと思うんです。
子供を優先するあまりに・・・
リビングやダイニングが狭くなってしまうのが。
子供は一人一部屋という考えが・・・
家を狭めているように思えてならないのです。
例えば、4人の子供がいたとしても、ただ寝る部屋としてしまえば
こんな風にして、6帖~8帖一間で済んでしまうんです。
そして、部屋が1つ2つ減った分を、プレイルームにする。
そんな方が、子供が部屋に篭らず、楽しい家になると思うんです。
そして・・・
「自分の部屋が欲しいなら、一人暮らしをしなさい。」
と、巣立ちという親としての最大の責務を果たせる訳です。
別に実家暮らしが悪いというわけではありません。
でも、それがニート数が100万人超えの原因となり
晩婚率を上げつづけ、少子化を招き
独身貴族なんていう言葉を生む原因になっているのならば・・・
少しでも考える余地があるのかな~、と思うんです。
個人的に・・・
我が子供達には、高校卒業とともに巣立ってもらい・・・
老後は妻と二人で、のんびり過ごしたいと切に願っています。(TT)
自分が60歳過ぎて、その家に20歳過ぎた子供達が居るなんで、ゾッとします。
高校卒業したら、一刻も早く子供たちを追い出したい。
だから、里親留学なんて、今から目がハートです。
(お金が掛かるので、中々難しそうですが)
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