謝罪という行為は、2種類に分かれますね。
内向きか、外向きか。
先日、とあるラーメン屋さんにて。
お隣に座った初老の男性に、注文と違うものが出てきました。
「私、塩ラーメン頼んだんだけど、これ醤油だよ?」
そういう男性に対し、女性店員さんが伝票を確認してこう言いました。
「大変申し訳ありません。すぐに作り直します。」
それを聞いた初老の男性は・・・
しょうがないな~という顔をして・・・
「いいよいいよ、醤油ラーメンで全然いいよ」
おもむろに食べ始めようとします。
すると、女性店員さん、こういいました。
「いえいえ、せっかく当店の塩ラーメンを食べたいとお越し頂いたのに、別の物を食べてもらう訳には行きません。」
「本当にすぐに作り直せますので、もうしばらくお待ちになってください。」
この対応、外向きです。
完全に目線がお客様に向いた謝罪です。
普通「醤油ラーメンで良いよ」と言った時点で、大体の店は「申し訳ありません」と言って、客に甘えると思います。
でも、しっかりと自分の誤りに対して、責任を取った。
隣で見ていて、とても気持ちが良かったのです。
かと思えば・・・
先日、こんなことがありました。
当社の土地を買って頂いたお客様が住友不動産にて家を建てることになりました。
お客様から、「なにか解らない事があったら、住友の担当から直接連絡させます。」とのことで、早速電話がありました。
簡単なことでしたが、色々と質問があったので、丁寧にお答えしました。
その次の日・・・
その人から同じ内容の質問が来ました。
しかも、不動産の初歩的な質問です。
さすがに「ん?」と思い・・・
「先日同じことをお答えしましたが??」
と言うと、なんだか相手の返答があからさまに雑になり、不機嫌になった様子が電話口で伝わってきます。
で、同じ質問を繰り返すので・・・
さすがに私も忙しいので、こういいました。
「申し訳ないけど、貴方が住友という大企業の看板を背負って仕事をするなら、このぐらいは知ってないとダメでしょう??」
そういった直後、凄かった。
「テメェー馬鹿野郎!何だその口のきき方は、俺を誰だと思ってるんだ、ゴラ!!」
映画「アウトレイジ」の一幕のような罵倒を受けました。(^^;)
呆気にとられながらも・・・
個人的に・・・
売られた喧嘩は・・・
絶対に買うタイプの人間です。(TT)
電話口で、とりあえず倍返し。
でも、これ、本当に住友不動産の人なのでしょうか?
日本を代表する大手財閥系の不動産会社です。
万が一にも、こんな「その筋」の土建屋のような受け答えは無いと思うのです。
もしかしたら、お客様が騙されている可能性もあります。
すぐに住友不動産の本店に確認の電話。
事情を説明し、確認して折り返し電話をくれるとの事。
10分後。
藤沢市局の電話番号にて、電話がなります。
取ると、「住友不動産の本店事業部のSと申します。」
と仰る。
その後の応答は、さらに私を唖然とさせるものでした。
S「確かにその名前の社員は、当社の横須賀の事業所に存在します。」
私「店長って言っていましたが??」
S「はい、所長として実在します。」
私「天下の住友の営業所を収める所長が、そんな受け答えをするとは信じられないのですが・・・」
S「先ほど、本人に確認し、たしかにそういうことがあったと申しております。」
S「本人は、売り言葉に買い言葉だと申しております。」
S「そのことに関しては、大変ご迷惑をお掛けいたしました、本人に変わりお詫び申し上げます。」
ん?
売り言葉に買い言葉ということは、「売られたから買った」という事を意味します。
暗に私が先に手を出した(口を出した)ことになりませんか?
私は、なにも売りつけてないのですが・・・
S「本人も反省をしておりますので、今後このような事が無いようにいたしますので、それでは。」
で、おもむろに電話を切ろうとなさる。
私「面識も無い住友不動産の人から、突然、馬鹿野郎と怒鳴られ、脅されたのですが・・・」
S「本人も反省しています。今後このようなことが無いように致しますと、先ほど申し上げました。」
私「え?」
S「それ以上、貴方は何をお望みなのですか?」
ありゃりゃ??
こりゃ、嫌な予感がしてきたぞ。
私「いやいや、当社の御客様がこれから家を建てようとする店の責任者がヤクザのような対応で、心配している訳ですが・・・」
S「そのようなご心配は、無用です。」
S「横須賀店の所長は、お客様にとても評判が良く、今まで、このようなクレームなど一度も受けたことがありません。」
S「年間200棟を売る弊社の代表する社員で、優秀な人材でございます。」
S「弊社としましては、ご心配なされるような事は一切ないと存じます。」
どうやら、私は完全にクレーマーとされたようです。(苦笑)
まさか、ここで「うちの社員は優秀で落ち度はない。」という話を聞く羽目になるとは、思いもよりませんでした。
ダメだ、こりゃ。
完全無欠の、内向きです。
横須賀の所長がどういう申し開きをしたかは解りませんが・・・
まあ、容易に想像ができます。
「外向き」の会社であれば、お客様に対して、誠心誠意を尽くす対応をするでしょう。
でも、住友さんは完全に目線が内側に向いてしまっています。
きっとS氏には私が・・・
「住友にいちゃもんを付けてきた外敵」に見えていることでしょう。(失笑)
また、彼のしゃべり方は、テープレコーダーのアナウンスのよう。
淡々として、棒読み。
感情が一切こもっていません。
禅問答かと思ってしまうほど。
電話をしながら・・・
なんだか自分がとても悪い事をしているように思えてきて・・・
悔しいやら、悲しいやら。(TT)
なんで、罵倒された側の私がこんな嫌な思いをしなきゃならないんだろうか?
最後、S氏が淡々とこう吐きました。
「お詫び申し上げ、本人にも反省を諭すと申し上げた弊社に、これ以上どうしろと?」
この言葉を聞いて、全てあきらめました。
とにもかくにも・・・
日本を代表する住友不動産に合掌。(人ー)
しかし、日本社会は、実は往々こんな内向きの体質なんです。
謝罪も形だけ。
「謝ったんだから、それでいいじゃないか。」
が、まかり通る。
だれも責任を負わない。
政治家の顔、見てみてください。
中心にいる方々は皆、過去、罷免されたり、辞任したり、スキャンダルを起こした連中ばかりですよ。
謝罪なんて、本来意味が無いのです。
要らないのです。
しっかりと責任を取る社会になるのを強く望みます。
電話を切る直後、私、住友にこういいました。
「くれぐれも、お客様にご迷惑が無いように」
するとS氏
「ご心配なく、失礼いたします。」ガチャ(電話を切る音)
ああ、このくそ忙しいのに・・・(TT)
時間を無駄をした。
くやし~っ!!
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