「極めて卑劣な行為で、強い憤りを覚える。」
総理大臣の言葉です。
この彼の言う「いきどおり」は・・・
何に対してのものなのでしょう。
素朴な疑問です。
ニュースを見ると、政府筋の発言が目立ちます。
「テロには決して屈しない」
「テロとの戦いに万全を期す」
「テロの言いなりにはならない」
テロという言葉。
心に突き刺さります。
たった二文字ですが・・・
苦痛
悲痛
恐怖
脅威
様々な心的ストレスを受けます。
「テロ」という言葉の持つ悪のイメージは、凄まじいです。
映像が加わり、我々により一層強烈な恐怖を植え付けます。
でも、思うのです。
日本が支持を表明している大規模空爆。
最新鋭の戦闘機や無人機による爆撃。
実際に受けている側の目線の映像があったら・・・
我々の想像をはるかに超えた惨状なのだろう。
実際に「パレスチナ 空爆」とネットサーフィンすると、幼い子供たちの犠牲画像が、大量に出てきます。
まともに凝視できません。
空爆も、自爆も、方法が違うだけで人を殺す手段です。
「人命第一」という言葉は、とても空虚です。
シリアは、戦争中です。
対立している人たちが、日々、殺し合っているのです。
1日だけで、何百人と殺されている。
その凄惨な世界に、テロという言葉は存在するのでしょうか??
日本人が拘束されて、要求を突き付けるのがテロなら・・・
お互いの要求を暴力でぶつけ合う戦争は、テロそのものだと思うのです。
そうなると・・・
アメリカや国連が行っている空爆もテロです。
反体制派をシリア軍が攻撃するのもテロ。
反体制派がシリア軍を攻撃するのもテロ。
もっと言えば・・・
既成社会が攻撃されるのがテロならば、シリア政府はテロを受けたことになります。
アメリカが支援したテロです。
考えれば考えるほど、こんがらがっている。
つじつまが合わないのですよ。
そして、思うのです。
こうなってしまったら、「イメージの戦争」だと。
恐怖が、全てを操っていく。
我々は、実際に見たわけでも、聞いたわけでもなく・・・
日本人が人質となり、脅されている映像を見せられ・・・
「やっているのはイスラム国だ。」と教えられる。
結果、イスラム国に恐怖を覚え、激しい憎悪が芽生えます。
だから、アメリカやイギリスやフランスが、空から爆撃するのを日本国として支持・支援する。残忍な過激派を殺すためなら、巻き添えは気にしない。
その街で彼らに支配されてる一般市民、子供老人とわず、命を奪っても良いとしている。
しかし、その暗黙の「殺人の了承」の原因となる映像・・・
実際にナイフを持っている男がイスラム国の人間なのかどうかを、我々は一切解りません。
発信元を信じるしか、ない。
テロという言葉は強大な力を持ちます。
アニメの中で、銭形警部がルパン相手だと天下御免のように・・・
テロが相手となると、なんでも許されてしまう世論。
たとえば、私が明日、突然会ったことも無い人に「テロリスト」だと名指しされ、無実の中で殺されても、マスコミが「テロを計画していた。」と報道すれば、皆さん納得してしまうのでしょうね。「テロリストなら仕方ない。」って。
人質事件真っ最中に不謹慎とお叱りを受けるかもしれません。
でも、表現の自由は全てに勝るそうなので。
言わせてもらってます。
個人的に思うのです。
いっそのこと、無差別に人を殺す行為を、全てテロと呼んだらどうですか?
普通に起こる殺人事件もテロです。
被害者家族からすれば、テロ行為の何ものでもない。
子供のいじめ自殺。
その子の親には、壮絶なテロです。
福島第一原発で事故死が続く作業員。
やはり残された家族は、同じように恨むでしょう。
結果は、みな同じです。
人の死と、残された人々の悲しみ。
何一つ、テロと違いませんよ。
その上で、テロを根絶しましょう。
国として、テロと戦いましょう。
今回の事件・・・
日本が脅された事に憤りを覚えたのか?
人質を取られて要求されることに憤りを覚えたのか?
日本政府のやることを否定されて憤りを覚えるのか?
どれも違うでしょう。
人が殺されることに憤りを覚えたのでしょう?
今回の公になっている人質の他に、シリアでは毎日一般市民が殺されています。
誰もが知っているはずです。毎日、一人や二人じゃありません。
でも、それらの命の消失は全く報道されることなく、映像も無く。
ザ・イエローモンキーの「JAM」じゃないですが・・・
「他人事」で片付けてしまう。
シリア政府、反体制派、イスラム国、アメリカ、イギリス、フランス
結果的に皆やってることは大量殺戮ですよ。
そこが麻痺しちゃ絶対にダメです。
人道から外れちゃ、アカンです!
人道支援というのなら、まずそこからですよ。
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