2015年1月29日木曜日

何が本当で何が嘘か?

「極めて卑劣な行為で、強い憤りを覚える。」

総理大臣の言葉です。

この彼の言う「いきどおり」は・・・
何に対してのものなのでしょう。
素朴な疑問です。

ニュースを見ると、政府筋の発言が目立ちます。

「テロには決して屈しない」
「テロとの戦いに万全を期す」
「テロの言いなりにはならない」

テロという言葉。
心に突き刺さります。

たった二文字ですが・・・

苦痛
悲痛
恐怖
脅威


様々な心的ストレスを受けます。
「テロ」という言葉の持つ悪のイメージは、凄まじいです。
映像が加わり、我々により一層強烈な恐怖を植え付けます。

でも、思うのです。

日本が支持を表明している大規模空爆。
最新鋭の戦闘機や無人機による爆撃。
実際に受けている側の目線の映像があったら・・・
我々の想像をはるかに超えた惨状なのだろう。

実際に「パレスチナ 空爆」とネットサーフィンすると、幼い子供たちの犠牲画像が、大量に出てきます。
まともに凝視できません。


空爆も、自爆も、方法が違うだけで人を殺す手段です。

「人命第一」という言葉は、とても空虚です。

シリアは、戦争中です。
対立している人たちが、日々、殺し合っているのです。
1日だけで、何百人と殺されている。

その凄惨な世界に、テロという言葉は存在するのでしょうか??

日本人が拘束されて、要求を突き付けるのがテロなら・・・
お互いの要求を暴力でぶつけ合う戦争は、テロそのものだと思うのです。

そうなると・・・
アメリカや国連が行っている空爆もテロです。
反体制派をシリア軍が攻撃するのもテロ。
反体制派がシリア軍を攻撃するのもテロ。

もっと言えば・・・
既成社会が攻撃されるのがテロならば、シリア政府はテロを受けたことになります。
アメリカが支援したテロです。

考えれば考えるほど、こんがらがっている。
つじつまが合わないのですよ。

そして、思うのです。
こうなってしまったら、「イメージの戦争」だと。
恐怖が、全てを操っていく。

我々は、実際に見たわけでも、聞いたわけでもなく・・・
日本人が人質となり、脅されている映像を見せられ・・・
「やっているのはイスラム国だ。」と教えられる。
結果、イスラム国に恐怖を覚え、激しい憎悪が芽生えます。

だから、アメリカやイギリスやフランスが、空から爆撃するのを日本国として支持・支援する。残忍な過激派を殺すためなら、巻き添えは気にしない。
その街で彼らに支配されてる一般市民、子供老人とわず、命を奪っても良いとしている。


しかし、その暗黙の「殺人の了承」の原因となる映像・・・
実際にナイフを持っている男がイスラム国の人間なのかどうかを、我々は一切解りません。

発信元を信じるしか、ない。

テロという言葉は強大な力を持ちます。
アニメの中で、銭形警部がルパン相手だと天下御免のように・・・

テロが相手となると、なんでも許されてしまう世論。

たとえば、私が明日、突然会ったことも無い人に「テロリスト」だと名指しされ、無実の中で殺されても、マスコミが「テロを計画していた。」と報道すれば、皆さん納得してしまうのでしょうね。「テロリストなら仕方ない。」って。

人質事件真っ最中に不謹慎とお叱りを受けるかもしれません。
でも、表現の自由は全てに勝るそうなので。

言わせてもらってます。

個人的に思うのです。

いっそのこと、無差別に人を殺す行為を、全てテロと呼んだらどうですか?

普通に起こる殺人事件もテロです。
被害者家族からすれば、テロ行為の何ものでもない。

子供のいじめ自殺。
その子の親には、壮絶なテロです。

福島第一原発で事故死が続く作業員。
やはり残された家族は、同じように恨むでしょう。

結果は、みな同じです。
人の死と、残された人々の悲しみ。

何一つ、テロと違いませんよ。

その上で、テロを根絶しましょう。
国として、テロと戦いましょう。

今回の事件・・・ 日本が脅された事に憤りを覚えたのか?
人質を取られて要求されることに憤りを覚えたのか?
日本政府のやることを否定されて憤りを覚えるのか?

どれも違うでしょう。

人が殺されることに憤りを覚えたのでしょう?

今回の公になっている人質の他に、シリアでは毎日一般市民が殺されています。
誰もが知っているはずです。毎日、一人や二人じゃありません。
でも、それらの命の消失は全く報道されることなく、映像も無く。

ザ・イエローモンキーの「JAM」じゃないですが・・・
「他人事」で片付けてしまう。

シリア政府、反体制派、イスラム国、アメリカ、イギリス、フランス
結果的に皆やってることは大量殺戮ですよ。


そこが麻痺しちゃ絶対にダメです。

人道から外れちゃ、アカンです!

人道支援というのなら、まずそこからですよ。

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