先月かな?
仕事から帰って、妻と手分けして子供を寝かしつけて・・・
ソファーに横になってテレビを付けたら、たまたまやっていた番組。
「NHKのプロフェッショナル仕事の流儀」
漫画の編集の人が主人公で、ボーっと見ていたら、その彼が手にもつ原稿に特徴のある絵を見ました。
「んん?あれっ?」
そう思って、寝ぼけマナコを擦って、その恐竜の漫画をのぞき見ていたら・・・
突然「菅原雅雪」さんが出てきてビックリ。
といっても、知り合いでも面識がある訳でもありません。
実は、私が今まで読んだ漫画の中で・・・
5本の指に入る「暁星記(ぎょうせいき)」という漫画があります。
何を隠そう、その作者が菅原雅雪さんなのです。
マイナーなモーニング紙で、さらに不定期連載だったので・・・
知っている人はかなり少ないと思います。
どちらかというと知る人ぞ知るという漫画です。
ですが・・・
その唯一無比の世界観。
スクリーントーンを一切使わない手書きの繊細さ。
人間性の緻密な描写。
きっと、彼を超える人は居ないのではないかと、思うのです。
あれほどの作品を書く人が・・・
その番組内で・・・
外食にも行けない苦しい生活をしているのを吐露していました。
「週一回でいいから、小料理屋にいって酒を飲みたい。」
漫画の業界は、最近派手な話ばかり聞きます。
ワンピースが3億冊を突破したとか・・・
ナルトが2億冊を売ったとか・・・
1冊50円の印税とすると、3億冊で150億円です。
ペン一つで150億円!
きっと、このニュースで漫画家を目指す人は多いと思います。
が・・・
ナルトやワンピースの作者よりも天才肌の菅原さん。
彼が、50歳になり、全く食えないという現実。
精魂を込めて書き上げた恐竜の漫画。
それをどの出版社にもっていってもボツにされているのだという。
「この作品をどうやって世に出せば良いのか。」
と、番組内でボロを身にまとい、泣きを入れる作者。
その事実を知って、二度ビックリ。
漫画家とは、なんと厳しい世界なのでしょう。
あまりにも驚いたので、大昔の彼の漫画を引っ張り出して読み返してみました。
その名も「牛のおっぱい」
この漫画も、個人的に傑作漫画だと思っています。
その中で、作者のこんな表現に感動しました。
勝手ですが、拝借して紹介をします。
家畜と・・・
北海道の大自然と・・・
人間。
そのはざまで、主人公は独自の感性で周囲に影響を与え続けます。
動物は自由じゃない。
自然の掟に束縛されている。
その束縛から逃げ出したのが人間。
節理から解き放たれた人間は、感性の自由を手に入れた。
そして、いつしか自然と敵対し、束縛する側になりだした。
そして、自然から様々な物を奪い始めた。
でも、人間は自然を恋しがる。
自然は素晴らしいと皆が思う。
それは、人間だから。
動物の中で唯一自然を愛しているのが、人間だ。
なんとも面白い視点です。
やはり、この菅原雅雪さんは、凄い。
天才だと思うのです。
今、傑作「暁星記」も・・・
この「牛のおっぱい」も・・・
漫画本としては、売っていません。
でも、電子書籍であれば購入することが出来ます。
私はまだアナログ人間なので、電子書籍を詳しくは知りません。
もし、電子書籍の環境をお持ちの方・・・
是非、この天才の漫画を読んでみてください。
超、おススメです!!!!
私も、このお正月に電子書籍を手に入れて、彼の作品を購入したいと思っています。
古本を買うと、作者には一銭も入りませんから!
作品で感動を頂いた代わりに・・・
少しでもお返ししたいと思うのです。
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