2014年12月25日木曜日

漫画家「菅原雅雪」

先月かな?
仕事から帰って、妻と手分けして子供を寝かしつけて・・・
ソファーに横になってテレビを付けたら、たまたまやっていた番組。

「NHKのプロフェッショナル仕事の流儀」

漫画の編集の人が主人公で、ボーっと見ていたら、その彼が手にもつ原稿に特徴のある絵を見ました。
「んん?あれっ?」

そう思って、寝ぼけマナコを擦って、その恐竜の漫画をのぞき見ていたら・・・
突然「菅原雅雪」さんが出てきてビックリ。

といっても、知り合いでも面識がある訳でもありません。

実は、私が今まで読んだ漫画の中で・・・
5本の指に入る「暁星記(ぎょうせいき)」という漫画があります。

何を隠そう、その作者が菅原雅雪さんなのです。

マイナーなモーニング紙で、さらに不定期連載だったので・・・
知っている人はかなり少ないと思います。
どちらかというと知る人ぞ知るという漫画です。

ですが・・・

その唯一無比の世界観。
スクリーントーンを一切使わない手書きの繊細さ。
人間性の緻密な描写。

きっと、彼を超える人は居ないのではないかと、思うのです。

あれほどの作品を書く人が・・・
その番組内で・・・
外食にも行けない苦しい生活をしているのを吐露していました。

「週一回でいいから、小料理屋にいって酒を飲みたい。」

漫画の業界は、最近派手な話ばかり聞きます。
ワンピースが3億冊を突破したとか・・・
ナルトが2億冊を売ったとか・・・
1冊50円の印税とすると、3億冊で150億円です。
ペン一つで150億円!

きっと、このニュースで漫画家を目指す人は多いと思います。
が・・・

ナルトやワンピースの作者よりも天才肌の菅原さん。
彼が、50歳になり、全く食えないという現実。

精魂を込めて書き上げた恐竜の漫画。
それをどの出版社にもっていってもボツにされているのだという。

「この作品をどうやって世に出せば良いのか。」

と、番組内でボロを身にまとい、泣きを入れる作者。
その事実を知って、二度ビックリ。

漫画家とは、なんと厳しい世界なのでしょう。

あまりにも驚いたので、大昔の彼の漫画を引っ張り出して読み返してみました。

その名も「牛のおっぱい」



この漫画も、個人的に傑作漫画だと思っています。

その中で、作者のこんな表現に感動しました。
勝手ですが、拝借して紹介をします。













家畜と・・・ 北海道の大自然と・・・
人間。

そのはざまで、主人公は独自の感性で周囲に影響を与え続けます。

動物は自由じゃない。
自然の掟に束縛されている。
その束縛から逃げ出したのが人間。

節理から解き放たれた人間は、感性の自由を手に入れた。
そして、いつしか自然と敵対し、束縛する側になりだした。
そして、自然から様々な物を奪い始めた。

でも、人間は自然を恋しがる。
自然は素晴らしいと皆が思う。
それは、人間だから。

動物の中で唯一自然を愛しているのが、人間だ。

なんとも面白い視点です。

やはり、この菅原雅雪さんは、凄い。
天才だと思うのです。

今、傑作「暁星記」も・・・
この「牛のおっぱい」も・・・

漫画本としては、売っていません。
でも、電子書籍であれば購入することが出来ます。

私はまだアナログ人間なので、電子書籍を詳しくは知りません。

もし、電子書籍の環境をお持ちの方・・・
是非、この天才の漫画を読んでみてください。

超、おススメです!!!!


私も、このお正月に電子書籍を手に入れて、彼の作品を購入したいと思っています。

古本を買うと、作者には一銭も入りませんから!

作品で感動を頂いた代わりに・・・
少しでもお返ししたいと思うのです。

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