2014年9月26日金曜日

鎌倉市埋蔵文化財包蔵地

鎌倉市山崎の新築分譲住宅予定地にて・・・
「試し掘り」を行いました。

その前に・・・
事前に、武蔵設備さんにお願いし、邪魔な本下水のコンクリート升を撤去。
また、本地はセットバックがあります。
道路として鎌倉市へ寄付する位置に升があると、鎌倉市道として譲地することが出来ない為、敷地内にずらして鉄蓋の升を新設。

ビフォー



アフター



併せて、古い水道メーターを撤去して新しくし・・・
仮設水栓を付けました。

そして、9月24日に試掘です。
水曜日は当社定休日なのですが・・・(TT)

朝8時半。
現場に行くと、すでに1人来ています。
それから、自転車で2人集まり・・・
シルバー派遣センターの人が1人、最後に市役所の職員の方が1人きて・・・

朝9時に作業開始です。



一通りの作業は、シルバー派遣センターに登録されたご老人が行います。
鎌倉市が掲げる「市内の高齢者の雇用促進」事業の一環なんですね。

まずは、位置出しです。



位置は、土地所有者と鎌倉市の職員さんと相談をして決めます。
幅3m×1.5m、深さ2mほどを掘りますので、あまり無作為に掘ってしまうと、あとで地盤補強が必要になる可能性が高いですので、ここは所有者の意見が尊重されます。

私が「この辺でお願いします」と話し、位置が決定。

工程は2日を予定していましたが・・・
明日は、台風の影響で雨予報。

「できれば、今日一日で仕上げます」と、市の職員さん。

なので、すぐに掘っていきます。





100%人力。
それをご高齢者3人で。

私が見る限り、皆さん70歳は超えています。



それが・・・
凄いんです。

あっという間に土の山!!



大よそ、30分程度。
中々固い地盤で、ここまで掘るんです。

若いのに掘らせても、ここまでは掘れないでしょう。
70歳を超えた御三方。
見ていると、動作はとてもゆっくり。
パワーもありません。

でも、ゆっくりの動作の中に、一切の無駄がありません。
しかも、ゆっくりの動作が止まらない。

若い子だと、大体がガーっと掘って休んで、ガーッと掘って休んでの繰り返しです。

でも、このご老人方の方が断然掘り進みが早いと思われます。

見ていて、最小限の無駄のない動きを見ていて・・・「これは武道に通ずるな」と、思いました。
そして、合気道の話を思い出しました。

「熟練の師範になると、無駄な動作が一切なくなり、常に動き続け、息が切れない」

彼らは、シルバー派遣の中でも、試掘専門なのだそうです。
つまり、この方々は、毎週この穴掘りをしているのです。
凄いな。(^^;)

しかも、意思疎通が完璧に出来ている。
会話や指示が一切なく・・・

ドンドンと掘り進めて行きながら、よどみがない。
役割分担がキッチリできており、まさに阿吽の呼吸。

掘り進めながら、市の職員の方が、何か出てこないかスコップの先を凝視しています。

ガラが出てきたら・・・
「ストップ、それ見せて」

茶碗の欠片が出てきたら・・・
「それは、古いやつ??こっちに頂戴」

と逐一、指示してチェックをします。



まだ、70cmぐらいですかね。
あと1.3m。

掘り進めます。

ここで、史跡が出てくると・・・
試し掘りは中断し、本格的な史跡調査になってしまいます。

史跡調査となると、現在、鎌倉市は9ケ月待ちなり。
大よそ1年、工事をすることが出来なくなります。

試掘時に我々は・・・

「何も出ませんように」と・・・

とにかく、祈るしかありません。

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