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2018年11月10日土曜日

受験刑務所

高学歴の元外交官である佐藤優さんが
東京新聞の「本音のコラム」にて、中高一貫校についてこう語っていました。

進学校の中間一貫校は受験刑務所である。

受験刑務所とは、すごいフレーズですね。(^^;)
大きな反発を受けそうな発言で、物議をかもしそうです。

ただ、個人的に・・・
子供のころ、嫌々学校に通っていた私としては
この受験刑務所という言葉が、やけにしっくりと来るのです。

小学校までは義務教育が徹底されていますが
中学校に入ると「勉強をするのは高校進学のため」となり
中学の半分は「どこの高校に入れるのか?」という価値観に縛られ
その偏差値に届くための努力だけをしてましたね~。

私もどうにか公立高校に入るため
日々、受験に出てくるであろう問題を想定し
丸一年、ただただ丸暗記の日々を過ごしました。

高校に入ると、今度は大学に進学するか否かで分類され
大学入学を目指す組は「どこの大学に入れるか?」だけ。
あとは何をやりたいかじゃなくて
その大学に入る手段として理系or文系をチョイスする。

私の通った高校は・・・
偏差値が47と湘南学区で一番偏差値が低い学校だったのですが
それでも、半分の人が大学や専門学校に進学をめざしていましたね。

その中でも一流大学を目指す人は
青春のすべてを受験に費やしていたな~。
でも偏差値が低い学校なので、浪人する人も多かった。

私は、学校&勉強が大嫌いのダメな子供で
片親の母は深夜まで働いていたこともあり
高校3年間は、一切勉強せず家にも帰らず
青春と自由を謳歌しました。

でも、そんな自由を一緒に過ごした仲間の中でも
大学に進学することを決めた友達は
高校2年生になると付き合いがほとんど無くなり

受験という2文字に縛られ苦しむ姿を遠目でみながら
「えらく大変だな~」と、つくずく想ったのを思い出します。

佐藤優さんのコラムに戻ります。

母校の浦和高校で(全国有数の公立進学校)
中高一貫校に受験するか公立中学に受験するか悩む
小学生の保護者を対象にした講演会を行った。

きめ細かい進路指導をうたっている
中間一貫校の一部が「受験刑務所」化していて
生徒の知的発展を阻害する
ゆがんだ教育を行っている。

まず、中学一、二年時に数学の成績を見る。
そこで数学の適性がないとみなされると
早稲田・慶応などの私立文系の受験クラスに入れられる。

そのクラスでは、数学と理科を全く理解していなくても進級させる。
その結果、中学生レベルの問いに答えらえない学生が
大量に出現することになる。

理系受験クラスに編入されると歴史をほとんど勉強しない。
それだから年号の試験をすると
第二次世界大戦後に第一次世界大戦が起きたというような
恐ろしい答案を書く学生が出てくる。

公立中学から公立高校に進学した場合は
国際基準で必要とされる基礎教養を
まんべんなく身に着ける可能性が高いことを
(出身校である)浦和高校を紹介しつつ
小学生の保護者に説明した。

以上
佐藤優さんの母校は、偏差値74という超進学高なので
私がイメージする「受験刑務所」とはだいぶ異なります。(^^;)

ただ、新聞をみて、このフレーズを目にし・・・
今も昔も・・・
受験って将来の展望を子供たちに失わせる「諸悪の根源」だな~
と、個人的に強く思うのです。

もちろん、将来の夢をしっかりと持ち
希望する大学の受験に対するために
学校で勉強をして足りない分を塾で補い家庭教師までつけて
青春を潰すのは有意義なことだと思います。

でも、受験だけが目的化して、学校が刑務所化し・・・
大学に出所したは良いが
その後の4年間は、遊ぶためのアルバイト三昧だと
何のために6年間も服役したのか?

親も子も哀れですよね。

親は金の損失だけですが・・・
子供は社会に出たら、また企業に服役することになります。
そうすると、一生刑務所から抜け出せなくなります。

やはり、そうなると子供が可哀そうですね。

16歳前後の青春を勉強にささげるのは・・・
どう考えても、勿体ないな~。(TT)

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