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2018年7月27日金曜日

暗黙知

暗黙知という言葉、ご存知ですか?

私、44年生きてきて今日、初めて見て聞きました。

意味としては・・・
「言葉に表せない説明できない所作」
「意識化されないで身に付くもの」

教えられて覚える事が出来ないものを
暗黙の内に知ることを指します。

良く使う言葉で同義語を探すと

「塩梅」とか
「さじ加減」とか
「勘」とか

そんな言葉に似ているように思います。

この暗黙知は
日本の伝統的な文化の中に強く存在し・・・
我々の携わる建築業界でも職人達に息づいています。

マニュアルにはなく、数値化が難しい。
段階的に踏んで行かないと身に付かず
すべては経験がモノを言い
手や指先の感覚の上に成り立っている技術。

『手取り足取り』の対義語とでも言いましょうか。

親方と5年6年と生活を共にし・・・
親方の一挙手一投足をそばで見て触れて
弟子は、親方の背中を追い続けることで
その親方の感覚を自分の体に染み込ませる。

大工
左官
表具師
庭師
畳職人
刀匠
和紙職人
織物職人
染付職人
蒔絵師
象嵌師
etc・・・

これらすべてが暗黙知の上に成り立っている。
農業や漁業もそうですね。

しかし、現代社会はすべてがデータ化され
スマホで何でも調べられる世の中となり
その知識の胆略化の代わりに
日本の伝統文化といえる暗黙知が(伝承)が・・・
日本から消えて行っているそうです。

デジタル社会での若者は
目の前で電子化できないものに価値を見いだせません。
『修行』とか『下積』で得られる目に見えないものを
評価できず、受け入れることが出来ない。

時間をかけて様々な失敗を経験して
無駄をする中で、自分の勘や感覚を磨くということを
理解できないのかもしれません。

よって・・・・
現在、伝統職人の成り手が育たず
職人の高齢化が急激に進み、危機的な状況です。

今、東南アジアは急激な経済成長を遂げ
バブルです。
タイ・ミャンマー・ビルマ・ベトナム・・・etc
日本の高度経済成長期のように職人は引く手数多。
日本ンの高い技術は、羨望の的となり
各国から、多くの外国人がこの暗黙知を得ようと
技術研修という名目で日本に押し寄せています。

すでに、鳶職の約3割は外国人です。
「左官」などは、お金を払ってでも修行をしたいという外国人が多そうです。

だから、技術教官などで海外に行けば
引退した熟練の職人でも、高収入を得ることが出来る。
「先生」ともてはやされる。

日本では担い手のない職業の多くでです。

こうなってくると・・・
あと数十年たてば、日本の技術はすべて海外に流出して
国内には一切、職人文化が残らず

近い将来、昔ながらの日本家屋を建てようと思ったら
東南アジアから、様々な職人を招いき
家を建てるなんてことになるかも知れません。

冗談ではすまない、お話です。

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