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2015年10月4日日曜日

危険な階段

一戸建て住宅を購入するうえで・・・
階段に主眼を置く人は、皆無です。

しかし、階段は、1日何回も上り下りを繰り返します。
この階段が、急だったり、回りがキツかったりすると・・・
見えない所で「しんどい家」となってしまいます。

ただし、注文住宅の場合、出来上がって見ないと解らないことが多い。
建売住宅でも、「売り建て」のように建つ前に買われる方も多い。

そうなると、ビルダーや設計者に任せてしまい・・・
いざ出来上がってきたら、急こう配の危険な階段の家が出来上がってしまう事が心配されます。

そこで、住宅を買うときにちょっと気を付けたいこと!
「階段」のお話です。

木造の在来工法の場合、1F床と2F床の高低差は2.8m前後となります。
よって、2.8mで比べてみます。

(例1

これは、階段の面積を削るために回転場を6段割にした事例です。
とても良く見受けます。

13段で登り切るので・・・
一段の高さが21.538cmとなります。
高めですね。
さらに、3段目(緑)~10段目(朱)の高低差が、150.5cmもあり・・・

150cmを超える高低差が「回り階段の始点」の点で発生するため
かなりの急こう配の階段になってしまいます。

3段目と10段目に人が経つと、3段目の人の目線に、10段目の人のつま先が見えるというような感じです。

このような階段の家は、年を取ったら昇り降りが辛い。
敬遠すべきです。 

(例2

これは、図面出来ると登り易そうに見えますが・・・
実際には、①の階段よりも厄介です。

6段目と7段目がたった45cm幅しかなく、実際には8段回りと同じです。
さらに回転部分とストレート部分の勾配感覚が異なるため、蹴躓きやすくなります。

2段目と11段目の差は、193.5cmと、人の身長を超えます。

これも、辛い。
敬遠すべきです。

(例3




ストレート階段でも油断は禁物です。

回り階段に比べ、ストレート階段は登り易いので・・・
少し蹴上がりが高くても大丈夫です。

ですが、たまに都心や3階建ての狭小住宅で、12段上がりの階段を見受けます。
2Fの床高が2.8mの場合、12段割は法規で定める「23cm以下」に抵触してしまうため出来ません。
よって、2F床高を5cm下げたとしても・・・
1段の蹴上がりが22.916cmとなり、とても急な階段となります。

また、踏板の広さも注意が必要です。

一般的には22.5cmは取るのですが、法規では「15cm以上」となっているため、1段の出幅を2.5cm削って踏み面積が少ない階段にして、無理くり階段を押し込んでいる家も散見します。

そして、最も危険な階段。
それは、螺旋階段です。

(例4

今まで紹介してきた階段は、皆、1坪以下の面積の階段でした。
螺旋階段は、最少スペースで設置できるのが利点とされますが・・・
実際、円のため、約5分の1ほどの面積がデットスペースとなり・・・
また、上記のような8段回りの螺旋階段が多く・・・

4段目と12段目の高低差は、なんと193.5cmとなります。
身長よりも全然高い。

螺旋階段は、中心に足を置きますが、体を内側に向けて登っていきます。
よって、一般的な階段よりも踏板面積は狭く・・・
さらに、すべて1点を中心に蹴上がりが回っていくので・・・

通常の階段よりも高低差を感じやすい造りになっています。

内側の踏板を踏み外した場合、4段目から12段目まで落ちる可能性がある。
殺人的な階段と言えます。


ということで、つぎは良い階段の形状をご紹介したいと思います。

つづく



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