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2014年11月1日土曜日

広告はどこまで許されるのか?

今日、朝の朝刊に某ビルダーの広告が入っていました。

最長60年保証の長期優良住宅対応住宅
坪単価24万8千円!!!

ドカンッ!と大見出し一面です。

「30坪の家を建てても、744万円だ!!」
「しかも、保証も長くて長期優良住宅!!」
「メッチャ安い!」

第一印象は、多分みなさんこうでしょう。

プロの私もそう思いましたから。(^^;)

しかし、プロとすると・・・
「不当景品類及び不当表示防止法に引っかかるギリギリだな。」
というのが、後につづきます。

広告を良く見ると、「※印」と「但し書き」がびっしり。

①60年保証は長期優良住宅の認定を受けた場合となります。
②税金は別途です。
③施工面積が35坪以上の本体単価です。
④仮設費用別途(足場や仮囲い、車両マット等と思われる。)
⑤地盤調査・地盤補強別途(地盤調査は必ず必要です。)
⑥屋外水栓工事別途
⑦屋外給排水工事別途
⑧雨水排水工事別途
⑨下水道接続工事別途
⑩屋外電気配線工事別途
⑪門塀工事別途
⑫その他諸費用別途(設計料や建築確認申請料、検査立会い料と思われる。)
⑬長期優良住宅申請費用別途
⑭10年を超える保証は、有償定期点検と有償メンテナンス工事を受けた建物に限る
※使用されている写真やイラストは、一部標準対象外となります。

これは、凄いですね。
最後の「イラストは仕様が違います」というのは、気が付かないように小っちゃく書いてあります。

つまり、写真やイラストのようにするには、さらに別途費用が掛かるという事です。

それらの費用単価や内訳は、一切書いてありません。
というか、一体全体、いくらになるのだろう??

広告のルールでは・・・
「一般の消費者を惑わす広告は禁ずる。」
となっています。

まず、一つ大きなところとして・・・
首都圏では30坪未満の住宅が主流です。
このビルダーを訪れるお客様も多くがそうだと思われます。
28坪の家を建てたら、一体坪単価はいくらになるのか?
この広告では一切見当が付きません。

また、長期優良と大きく広告しているのに・・・
標準は長期ではなく、長期とするには手数料がかかるとのこと。
その金額も、いったいいくらなのかまったく解りません。

10万かもしれませんし、100万円かもしれません。(^^;)

このビルダーで建築を依頼したら、実際の建築単価はいくらなのか?
プロの私でも、まるで検討が付かない訳です。

だから、広告を見た一般の人は、大いに迷うでしょうね。

ただ、間違いなく解るのは・・・
坪単価24.8万円では絶対に家が建たないという事だけです。

し・か・し・・・
一般の人は、建つと思うでしょう。
それがこの広告の狙いですし。


根本的に、こういう勘違いをする広告を「公正取引協議会」で禁じているはずなのですが、なぜ色々な規制が増え続けている広告業界で、いまだにこんなビルダー本位の身勝手な広告を打つことが出来るのでしょう??

というか、お客様のことを第一に考えたら・・・
こんな広告は絶対に打てませんよ。

だって、はなから騙す気マンマンなんですもの。
集客でだまそうと思う輩は、終始、騙そうとするでしょうね。

会社がそういう体質なわけですから。

同じビルダーとして、心底そう思います。

くわばら、くわばら。




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